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第10話:味覚なき判定者と、禁じられた鍵の名
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「さて、審査の時間です!」
今日の晩はついに――カイ vs アルフォンスの料理バトル!
お題は「主食を添えた一皿」
・カイはドライカレー(スパイス抑えめ・具材たっぷり・焼き卵乗せ)
・アルフォンスはローストビーフ丼(低温調理・わさび醤油タレ・温玉乗せ)
マリーは「わたしは審査員じゃないからね」とスルーを決め込み、
代わりに白羽の矢が立ったのは――ヨナ
「ヨナくん、よろしく」
「え? 俺? マジで?」
ヨナ、人生初の審査員席に着く。
だが、前提を忘れてはならない。
彼は“なんでも美味しい派”=味覚ゆるふわ雑食マン。いわゆる味オンチだ。
⸻
「まずは……こちらの、カイさんのドライカレー。うん……うまい。ご飯が進む。卵がいい」
「……正しくは“黄身が甘みを引き立てる”だが」
「ん? そういう感じ? じゃあ次……アルフォンスさんの……うん、これもうまい。肉が……肉で」
「“肉が肉で”ってどんなコメント!?!?」
「ご飯と肉とタレ、全部うまい」
「それ全然判断になってない!!」
「……で、どっちが美味しかった?」
マリーがコップ片手に振ると、ヨナは平然とこう答えた。
「どっちもいい感じでした。引き分け!」
「「出たーーーーーーーー!!!」」
「だってほんとにうまいもん。どっちもちゃんと食べれたし」
「“ちゃんと食べれた”が基準かああああ!」
呆然とする騎士と王子。
その間で、マリーは肩を揺らして笑った。
「まあ、いいんじゃない? 審査員としては最低だったけど、胃袋的には合格よ」
⸻
そしてその夜、食後の片付けをしていたときのこと。
ヨナが、ふと口にした。
「……あ、そうだ。刻書の間の話なんだけど」
マリーとアルフォンス、カイが同時に振り向いた。
「昔、火の聖女に仕えてたとき、
儀式用の文書を預かってたんだ。その保管場所の鍵……名前があった」
「鍵に名前?」
「まさか、神器とか?」
「いや、そうじゃなくて……たしか、“レキシエル”って呼ばれてた。
火の神官たちが封印用に使ってた鍵。
それがあれば、刻書の間へも……って話してた気がする」
「レキシエル……」
マリーはその名前を、舌の上で転がす。
それは、バラチカ本編には一度も登場しなかった名前。
だけど、ゲームのデータ解析勢の中で、
「削除された“幻のルートアイテム”じゃないか」と言われていた。
(やっぱり……この世界、“正史”だけじゃ説明がつかない)
今日の晩はついに――カイ vs アルフォンスの料理バトル!
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・カイはドライカレー(スパイス抑えめ・具材たっぷり・焼き卵乗せ)
・アルフォンスはローストビーフ丼(低温調理・わさび醤油タレ・温玉乗せ)
マリーは「わたしは審査員じゃないからね」とスルーを決め込み、
代わりに白羽の矢が立ったのは――ヨナ
「ヨナくん、よろしく」
「え? 俺? マジで?」
ヨナ、人生初の審査員席に着く。
だが、前提を忘れてはならない。
彼は“なんでも美味しい派”=味覚ゆるふわ雑食マン。いわゆる味オンチだ。
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「……正しくは“黄身が甘みを引き立てる”だが」
「ん? そういう感じ? じゃあ次……アルフォンスさんの……うん、これもうまい。肉が……肉で」
「“肉が肉で”ってどんなコメント!?!?」
「ご飯と肉とタレ、全部うまい」
「それ全然判断になってない!!」
「……で、どっちが美味しかった?」
マリーがコップ片手に振ると、ヨナは平然とこう答えた。
「どっちもいい感じでした。引き分け!」
「「出たーーーーーーーー!!!」」
「だってほんとにうまいもん。どっちもちゃんと食べれたし」
「“ちゃんと食べれた”が基準かああああ!」
呆然とする騎士と王子。
その間で、マリーは肩を揺らして笑った。
「まあ、いいんじゃない? 審査員としては最低だったけど、胃袋的には合格よ」
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そしてその夜、食後の片付けをしていたときのこと。
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「……あ、そうだ。刻書の間の話なんだけど」
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「鍵に名前?」
「まさか、神器とか?」
「いや、そうじゃなくて……たしか、“レキシエル”って呼ばれてた。
火の神官たちが封印用に使ってた鍵。
それがあれば、刻書の間へも……って話してた気がする」
「レキシエル……」
マリーはその名前を、舌の上で転がす。
それは、バラチカ本編には一度も登場しなかった名前。
だけど、ゲームのデータ解析勢の中で、
「削除された“幻のルートアイテム”じゃないか」と言われていた。
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