『原作者が消えた世界で婚約破棄されましたが、転生者は負ける気しません』

夢窓(ゆめまど)

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みんなに、子どもができた未来

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──世界がひと段落し、“転生者の混乱”が収束したあとの、穏やかな未来。

それぞれが歩んだ道の先に、命が芽吹いていく。



●マリーとアルフォンス

小さな町の片隅で、文房具と手紙用品の店「アルとマリ」を営むふたり。

店の看板には、小さな手が重なったようなイラストが描かれている。

「リリア、こっちおいで。パパの封蝋スタンプ使わないでって言っただろ」

「……でも、これハートの形なのー」

そう言って、リリアは無邪気に笑う。
頑固でクールなマリーに似て、口調は生意気。
でも、なぜか誰にでも好かれる。

「まったく、どっちに似たのかしら……」
「僕かな。いや、君かな。責任の押し付け合いしようか」
「それ、夫婦の会話として最低よ?」

でも、笑いながらマリーはリリアの頭を撫でる。



●アヤネリアとカイ

神殿の改革は一段落し、アヤネリアは“監査役”として名誉職に。
カイは“子育て”という最大のミッションを前に、完全に尻に敷かれていた。

「カイ、紙おむつ逆よ逆。タグが後ろ!」
「え!? また間違えた!? アヤ姉、怒んないで……!」

ふたりの間に生まれたのは男の子。名は「レン」。

「アヤ姉に似て、しっかり者になりそうだな……」
「え? カイに似て、ちょっと甘えん坊になりそうじゃなくて?」
「……それはそれで、悪くない」

育児の合間、ふたりで台所に立ってお茶をいれる光景も日常になった。

「……戦ってた頃より疲れるけど、幸せね」
「うん。正直、こっちのが命がけ」



●ミキとサカイ

薬草農園と、「グルメ亭」を一緒に営むふたり。

かつて“聖女”だったミキと、“元・鬼教官”サカイは、今や村で一番頼られる夫婦だ。

「コノハ! 畑に入るときは靴はいてって言ってるでしょ!」
「でもパパが裸足だったもーん!」

「……おい、ミキ。あんま怒るな」
「あなたが一番原因なんだから反省しなさい!」

娘のコノハは、やんちゃでおしゃべりで、人懐っこい子。

サカイはもう、娘には頭が上がらない。

「コノハ、今日は大根の収穫手伝ってくれよな」
「うんっ! でもまず、ママにぎゅーしてから!」

……とにかく、愛情が濃い。



●再会:居酒屋グルメ亭での乾杯

「全員集合って久々だね!」
「そっちの子、もう歩いてるじゃん!」
「うちはもう“いやいや期”突入よ……手に負えないわ」

居酒屋よってら亭の奥の座敷は、まるで託児所。
でも、グラスがぶつかり、笑いが弾けるたび、子どもたちも自然と笑う。

乾杯の音頭は、アヤネリア。

「じゃあ、今日の幸せと――この子たちの、より良い明日へ」

「かんぱーい!!」

グラスが鳴り、小さな未来が笑っていた。



◆その子どもたちが紡ぐ、新しい物語

リリアは空想好きで、文字を書くのが大好き。
レンは村の子たちを集めて、ミニ議会を開くのが趣味。
コノハは花と虫と水遊びが好きで、よく知らない大人にも愛想をふりまく。

──きっとまた、世界は回っていく。
だれかがモブで、だれかが主役で、でもみんながしあわせなら、それでいい。

転生者の世界で生まれた、まったく新しい子どもたちの物語。
これはその、はじまりの風景。

ここまで読んでくださって、ありがとうございます!
転生と焼き鳥と人生に、乾杯!

『恋は、鏡の中のわたしを変えていく』あなたと踊るタンゴ
新作本日、公開します。
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