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聖女さまは、勉強がお嫌い?
王宮にて
侍女長:
「聖女さま、この聖典は必ず覚えていただかねばなりません。王妃としてふさわしい教養と礼儀、すべて王妃教育の一環です」
聖女:
「……わたくし、聖女ですのよ?尊い存在ですのに、なぜお勉強を?」
侍女長:
「尊さと、王妃に必要な資質は別物です。殿下の妻となるのであれば、王妃教育をお受けくださいませ」
聖女(むっとして):
「そんなもの、必要ございませんわ!殿下は神託で私のものですから!」
そこへ、冷静な宰相夫人が口を開いた。
宰相夫人:
「……アンネットさまはすでに王妃教育をすべて修めております。政治、外交、礼儀作法、すべて及第点以上。
聖女さまがお勉強を拒まれるのなら、いくら神託があろうと、王妃の座は務まりません」
場がしんと静まり返る。
聖女:
「な、なんですって……!?」
側近の一人(小声で):
「結局、神託より現実の即戦力ですからな……」
⸻
アンネットはこの噂話を屋敷の廊下で耳にして、
「……あらあら、私なんかでも、お役に立つのかしら……」とまた自虐ループに入る。
廊下にて
アンネット(心の声):
(……やっぱり聖女さまの方がふさわしいのよね。私はただのお勉強好き、土いじり好き。
王妃教育を終えたって、どうせ“真面目”って笑われるだけ……。
殿下に選ばれる理由なんて、ないじゃない……)
そんな風に肩を落として歩いていたところ、背後から聞こえてきた。
ルナン殿下:
「――君だからこそ、頼りになるんだ」
アンネット:
「へっ……?」
振り返ると、殿下が真剣な瞳でこちらを見つめていた。
ルナン殿下:
「神託や見かけの尊さじゃ、民は救えない。
君は知識で、努力で、畑を守ってきた。
それはどんな奇跡より尊いことだと、僕は思う」
アンネット:
「ま、まあ……お愛想を」
殿下は一歩近づき、低い声で囁く。
ルナン殿下:
「いい加減、僕の気持ちを“お愛想”だと片付けるのはやめてくれないか。
……僕が愛しているのは、君だ」
アンネット:
「……っ!」(顔真っ赤で硬直)
廊下の端で見ていた侍女たちが、こっそり小声でささやき合う。
侍女A:
「殿下、また直球……」
侍女B:
「でも、アンネット様にはまだ伝わってないのね」
侍女C:
「うちのお嬢、鈍感というか自虐というか……」
⸻
廊下の告白
アンネット(心臓ばくばく):
(……だ、だめだわ、これ現実だなんて思ったら、死んじゃう!
そうよ、これは夢。お昼寝中に見てる夢。そう思えば大丈夫……!)
アンネット(真っ赤な顔で震えながら):
「も、もう……殿下の告白は、心臓に悪いので……これっきりにしてくださいね。
……お受けしますから」
ルナン殿下(にっこり):
「夢でも現実でも、君が受け入れてくれたことに変わりはない」
アンネット:
「えっ……?」
殿下はアンネットの手をそっと取って、温かく包む。
ルナン殿下:
「僕は何度だって言うよ。夢だと思い込まれても、必ず現実にする。
アンネット、君は僕の未来だ」
アンネット(心の声):
(ひゃぁぁぁぁ……!やめて、夢でも恥ずかしい!
……でも、手の温かさ、夢にしてはリアルすぎません?)
廊下の陰で控えていた侍女たちが再びひそひそ。
侍女A:
「お嬢様、“夢だ”って顔してる……」
侍女B:
「いや、もう現実ですよね?」
侍女C:
「殿下が毎回押し切ってて、むしろ王子様の方が気の毒……」
翌日・畑にて
アンネット(心の声):
(……昨日の告白は夢。うん、ぜったい夢。忘れよう。
さあ今日は畑の手入れ!土の調整をして、苗を植えて……これで完璧!)
ぐいっと袖をまくり、魔法で土を耕すアンネット。
その横で、なぜか殿下が同じように袖をまくっている。
アンネット:
「……あの、殿下。どうしてここに?」
ルナン殿下(爽やか笑顔):
「夢だから。僕は君の夢の登場人物だろう?」
アンネット:
「……そうでしたわね。夢なら仕方ありませんわ」
(……やっぱり夢よね。でなきゃ王子様が畑で汗かくはずないし!)
しかし殿下は本気で畝を掘り、土をならし、農民顔負けの働きをしている。
農民A(小声で):
「おい……王子様、完全に畑の人になってるぞ」
農民B(小声で):
「しかも楽しそうだな……」
アンネット(ため息):
「……夢にしては手の込んだ光景ですこと」
ルナン殿下:
「夢でも現実でも、僕は君の隣にいたい。それだけだよ」
アンネット(心の声):
(……やだ、この夢、やけに甘すぎる!心臓が保ちませんわ!!)
侍女長:
「聖女さま、この聖典は必ず覚えていただかねばなりません。王妃としてふさわしい教養と礼儀、すべて王妃教育の一環です」
聖女:
「……わたくし、聖女ですのよ?尊い存在ですのに、なぜお勉強を?」
侍女長:
「尊さと、王妃に必要な資質は別物です。殿下の妻となるのであれば、王妃教育をお受けくださいませ」
聖女(むっとして):
「そんなもの、必要ございませんわ!殿下は神託で私のものですから!」
そこへ、冷静な宰相夫人が口を開いた。
宰相夫人:
「……アンネットさまはすでに王妃教育をすべて修めております。政治、外交、礼儀作法、すべて及第点以上。
聖女さまがお勉強を拒まれるのなら、いくら神託があろうと、王妃の座は務まりません」
場がしんと静まり返る。
聖女:
「な、なんですって……!?」
側近の一人(小声で):
「結局、神託より現実の即戦力ですからな……」
⸻
アンネットはこの噂話を屋敷の廊下で耳にして、
「……あらあら、私なんかでも、お役に立つのかしら……」とまた自虐ループに入る。
廊下にて
アンネット(心の声):
(……やっぱり聖女さまの方がふさわしいのよね。私はただのお勉強好き、土いじり好き。
王妃教育を終えたって、どうせ“真面目”って笑われるだけ……。
殿下に選ばれる理由なんて、ないじゃない……)
そんな風に肩を落として歩いていたところ、背後から聞こえてきた。
ルナン殿下:
「――君だからこそ、頼りになるんだ」
アンネット:
「へっ……?」
振り返ると、殿下が真剣な瞳でこちらを見つめていた。
ルナン殿下:
「神託や見かけの尊さじゃ、民は救えない。
君は知識で、努力で、畑を守ってきた。
それはどんな奇跡より尊いことだと、僕は思う」
アンネット:
「ま、まあ……お愛想を」
殿下は一歩近づき、低い声で囁く。
ルナン殿下:
「いい加減、僕の気持ちを“お愛想”だと片付けるのはやめてくれないか。
……僕が愛しているのは、君だ」
アンネット:
「……っ!」(顔真っ赤で硬直)
廊下の端で見ていた侍女たちが、こっそり小声でささやき合う。
侍女A:
「殿下、また直球……」
侍女B:
「でも、アンネット様にはまだ伝わってないのね」
侍女C:
「うちのお嬢、鈍感というか自虐というか……」
⸻
廊下の告白
アンネット(心臓ばくばく):
(……だ、だめだわ、これ現実だなんて思ったら、死んじゃう!
そうよ、これは夢。お昼寝中に見てる夢。そう思えば大丈夫……!)
アンネット(真っ赤な顔で震えながら):
「も、もう……殿下の告白は、心臓に悪いので……これっきりにしてくださいね。
……お受けしますから」
ルナン殿下(にっこり):
「夢でも現実でも、君が受け入れてくれたことに変わりはない」
アンネット:
「えっ……?」
殿下はアンネットの手をそっと取って、温かく包む。
ルナン殿下:
「僕は何度だって言うよ。夢だと思い込まれても、必ず現実にする。
アンネット、君は僕の未来だ」
アンネット(心の声):
(ひゃぁぁぁぁ……!やめて、夢でも恥ずかしい!
……でも、手の温かさ、夢にしてはリアルすぎません?)
廊下の陰で控えていた侍女たちが再びひそひそ。
侍女A:
「お嬢様、“夢だ”って顔してる……」
侍女B:
「いや、もう現実ですよね?」
侍女C:
「殿下が毎回押し切ってて、むしろ王子様の方が気の毒……」
翌日・畑にて
アンネット(心の声):
(……昨日の告白は夢。うん、ぜったい夢。忘れよう。
さあ今日は畑の手入れ!土の調整をして、苗を植えて……これで完璧!)
ぐいっと袖をまくり、魔法で土を耕すアンネット。
その横で、なぜか殿下が同じように袖をまくっている。
アンネット:
「……あの、殿下。どうしてここに?」
ルナン殿下(爽やか笑顔):
「夢だから。僕は君の夢の登場人物だろう?」
アンネット:
「……そうでしたわね。夢なら仕方ありませんわ」
(……やっぱり夢よね。でなきゃ王子様が畑で汗かくはずないし!)
しかし殿下は本気で畝を掘り、土をならし、農民顔負けの働きをしている。
農民A(小声で):
「おい……王子様、完全に畑の人になってるぞ」
農民B(小声で):
「しかも楽しそうだな……」
アンネット(ため息):
「……夢にしては手の込んだ光景ですこと」
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