『卒業式の婚約破棄は、茶番ーー浮気者には、雷の裁きを』

夢窓(ゆめまど)

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夜の反省会ーー派手な初任務終了して

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✦ 夜の屋敷 ― 爆笑反省会

戦闘から戻った夜、彼女たちは屋敷の食堂に集まった。
用意されたのは、豪華な晩餐ではなく、素朴な煮込みスープと焼きたてパン、そして気休めの甘い焼き菓子。
テーブルを囲んで腰を下ろすと、どこか「戦場帰りの反省会」らしからぬ和やかな空気が流れた。



◆ メロディのしゅん顔

メロディ(しゅんと肩を落としながら)
「……やっぱり派手にやっちゃいましたね、わたし」

パンをちぎりながら、上目遣いで小さく呟く。

ヒルデガルト(腕を組んでため息)
「火球は小さめだったでしょうけど……爆発規模は相変わらずね」

リゼット(口元に手を当ててくすっと笑い)
「そもそも、“ロックウルフの毛皮に引火”なんて聞いたことありませんわ」

コロネット(真面目顔でこくり)
「……メロディがやると、物理法則が負けるんです」

全員「ぷっ……!」
一瞬の沈黙の後、場がどっと崩れ、笑い声が弾けた。



◆ アロンソ登場

そこへ遅れてやってきたのは、アロンソ。
カップ片手に椅子へ腰を下ろすと、無造作にパンをかじった。

アロンソ(口の端にパン屑つけながら)
「笑ってる場合か。お前ら全員、派手にやってるんだぞ?」

ヒルデガルト(即反論)
「はぁ? 私は堅実に剣を突いただけ」

リゼット(にっこり微笑んで)
「私はちょっと脚を絡めただけですわ」

コロネット(淡々と)
「私は範囲を絞って癒しただけです」

アロンソ「……結果、森が爆心地みたいになってたが?」

沈黙。
一瞬で空気が固まる――が、次の瞬間、全員が堪えきれず吹き出した。

「わははははっ!!」

屋敷が震えるほどの爆笑に、アロンソは眉をひそめながらも耳まで赤くしていた。



◆ 女子会ノリで追い討ち

メロディ(指を突きつけて)
「でもでも! 先生だって“サンダーレイン”とかやるから悪いんですよ!」

リゼット(うんうんと頷いて)
「そうですわ。見せつけるように雷を降らせて」

ヒルデガルト(斜め目線でじとー)
「……おかげで“新米冒険者”設定が完全に崩れたじゃない」

コロネット(真顔でトドメ)
「……先生が一番派手です」

アロンソ(むすっとしてカップを置く)
「……俺はお前らを守っただけだ」

メロディ(にやりと笑ってカップを掲げ)
「先生も、もう仲間なんですから! 一緒に反省ですよ!」

その勢いに乗せられて、全員で「かんぱーい!」
ぶつけ合ったカップに入っているのは、お酒ではなくお茶と甘い焼き菓子。
けれどその瞬間は、戦場以上に熱気を帯びていた。



◆ 反省(?)の結論

ヒルデガルト(真顔に戻り、剣を撫でながら)
「……まあ、派手でもいいわ。どうせ私たちの存在は隠しきれない」

リゼット(唇に笑みを浮かべながら)
「それならいっそ、堂々と進んだ方が楽しいですわね」

コロネット(小さくうなずき)
「卒業式で追放された日の涙より、今の笑いの方がずっといいです」

メロディ(両手を広げて)
「もう決まり! アマゾネス最高! 先生も一緒!」

アロンソ(深いため息をつきながら苦笑)
「……やれやれ、本当に手のかかる生徒たちだ」

けれどその目は、どこか誇らしげだった。

焚き火のような笑い声が、夜の屋敷に温かく響き渡る。

✦ 翌朝 ― 冷やかしタイム

夜更けまで笑い声を響かせた翌朝。
屋敷の食堂には、パンとスープの朝食が並んでいた。
まだ眠そうなメロディが席につくと、ヒルデガルトとリゼット、コロネットがにやにや顔で待ち構えていた。



◆ 朝から追及

リゼット(カップを揺らしながら)
「昨夜は随分盛り上がりましたわね。メロディ」

メロディ(あくびを噛み殺しながら)
「ふぁあ……え、な、なんですか?」

ヒルデガルト(肘をつき、目を細めて)
「“先生も仲間!”って叫んでたの、忘れてないわよ?」

コロネット(真顔でトドメ)
「……アロンソ先生に向かって、指差してました」

メロディ「~~~っっ!?」
顔を真っ赤にして両手で覆い隠す。



◆ 当の本人登場

そこへタイミング悪く――いや、良すぎるほどのタイミングでアロンソが食堂に入ってきた。
寝癖のついた髪を直しながら椅子に座ると、皆の視線が一斉に突き刺さる。

アロンソ(怪訝そうに)
「……何だ、その顔は」

リゼット(にこり)
「先生、昨夜は“仲間認定式”でしたのよ。メロディ主催の」

メロディ(慌てて)
「ちょ、ちょっとリゼット様!? 言わなくていいですってば!」

ヒルデガルト(楽しそうにパンをちぎり)
「本人に伝えないと意味ないでしょう?」

アロンソ(パンを口に入れつつ、ちらりとメロディを見る)
「……そうか。仲間、か」

短く呟く声に、メロディはさらに顔を覆ってテーブルに突っ伏した。




リゼット(立ち上がってグラスを掲げ)
「では改めて――仲間として!」

ヒルデガルト&コロネット「「かんぱーい!」」

メロディ(顔を伏せたまま小声で)
「……もぉ、やめてくださいぃ……」

アロンソ(苦笑しつつ、スープを啜る)
「……朝から騒がしいな」

しかし、その口元は昨夜に続いてわずかに笑みを含んでいた。
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