『卒業式の婚約破棄は、茶番ーー浮気者には、雷の裁きを』

夢窓(ゆめまど)

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恋愛ラッシュ、次は、コロネットに、

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✦ 国境付近・戦場

再び魔物の群れが押し寄せ、砦の兵たちは必死に応戦していた。
コロネットも仲間とともに結界を張り、支援魔法を放ち続ける。

その時――。

「ぐあっ!」

戦列を守っていた騎士隊長が、巨大な魔物の爪をまともに受けて地に崩れ落ちた。



✦ 騎士隊長の危機

兵士「隊長ーーーっ!!」
コロネット「……っ!」

血を流す彼の姿に、胸が締め付けられる。
頭では冷静でいようとしても、心が叫んでいた。

コロネット(心の声)
(……やめて。あなたまで失うなんて……そんなの、絶対にいや!)



✦ 必死の魔法

彼女は駆け寄り、両手を彼の体に重ねた。
淡い青の光があふれ、血の流れが次第に収まっていく。

魔物が再び迫る。
だがコロネットは叫んだ。

コロネット「下がれっ!!」

地面から一気に光の柱が立ち上がり、騎士隊長を包む結界が展開された。
魔物の爪が結界に叩きつけられるが――砕けるのは魔物の方だった。

兵士たち「す、すげぇ……!」「あれがコロネット様の魔法……!」



✦ 騎士隊長の視線

傷を癒されながら、騎士隊長は薄く目を開いた。
血の中で彼の唇が震え、かすかな声が漏れる。

騎士隊長「……やはり……美しい……」

コロネット「――っ!」
(頬を熱く染め、涙がこぼれる)



✦ 締め

仲間を守るため、そして一人の男を失わないために放たれた魔法は、
戦場を照らす灯となった。

コロネット(心の声)
(あなたがそう言ってくれるなら……私は、もっと強くなる。
 何度だって、あなたを守ってみせる……!)

光の結界に守られた兵士たちの反撃が始まり、戦場は一気に逆転へと向かっていった。

✦ 戦いの後・砦の医務室

魔物との戦いが終わり、砦に静けさが戻る。
医務室の寝台に、騎士隊長が横たわっていた。
傷はまだ残るものの、すでに致命的な危険は去っている。

扉をそっと開け、コロネットが入ってきた。
彼女は花瓶に野の花を挿し、ベッド脇に置く。

コロネット「……無事で、よかった」



✦ 騎士隊長の感謝

騎士隊長は薄く目を開け、彼女を見つめる。
その瞳にはいつもの厳しさではなく、穏やかな光があった。

騎士隊長「……あの時、お前がいなければ……俺はもうここにはいなかった。
 命を救ってくれて、ありがとう」

コロネット「――っ」
(胸が熱くなり、言葉を失う)

騎士隊長「お前の魔法は……やはり、美しい」



✦ コロネットの照れ

コロネット「……そ、そんな……! 戦うために、みんなを守るためにやっただけで……」
顔を真っ赤にして俯く彼女に、隊長はふっと笑みを浮かべる。

騎士隊長「守るために放つ光だからこそ、美しいんだ」

コロネット「……っ……!」
(耳まで赤く染まり、視線を合わせられない)



✦ 

沈黙の中、二人の間にはどこか温かく、心地よい気配が漂った。

コロネット(心の声)
(……なんでこんなに胸が高鳴るの……?
 私、ただ……守りたかっただけなのに……)

窓から差し込む夕日が、二人をやわらかく照らしていた。


✦ 砦・サロンの女子会

戦いから数日後。
リゼットの結婚祝いとヒルデガルトの縁談話、そして戦勝祝いを兼ねて、女子たちがサロンに集まっていた。

テーブルには焼き菓子とハーブティー。
笑い声が弾ける中――。



✦ メロディの爆弾発言

メロディ「ねぇねぇ! みんな聞いてください!
 コロネットさんね、戦いの後に隊長さんから“お前の魔法は美しい”って言われて――真っ赤になってたんですよ!」

ヒルデガルト「えっ!? あの冷静なコロネットが!?」
リゼット「まぁまぁ! 赤くなって照れるなんて、珍しいですわね~♡」



✦ コロネットの反応

コロネット「ちょ、ちょっと!? メロディ! なんでそれをここで……!」
(顔がみるみる赤くなり、カップを持つ手が震える)

メロディ「だって~! あれはもう絶対“恋”でしょ!」
リゼット「ふふ、わたくしたちの仲間から、また恋人候補が現れるとは!」
ヒルデガルト「アマゾネスの新しい伝説ね。“魔法で守り、恋に落ちる”」



✦ 大騒ぎ

メロディ「ねぇねぇ、結婚式で花嫁ドレス姿のコロネットさん、見たくないですか!?」
ヒルデガルト「剣を持った花嫁か……悪くないわね」
リゼット「結界でベールを守るなんて素敵ですわ♡」

コロネット「や、やめて! 本当にやめてくださいませ!!」
(耳まで真っ赤にして両手で顔を隠す)



✦ 

笑い声がサロンに響き渡る。
コロネットは恥ずかしさで消え入りそうになりながらも――
その胸の奥では、あの日の言葉を何度も思い出していた。

コロネット(心の声)
(……恋だなんて。そんなはず、ないのに……)


✦ 砦・サロン 女子会の真っ最中

テーブルにはクッキーと紅茶。
アマゾネスたちの笑い声が絶えない。

メロディ「だからね~! あれは絶対恋だってば!」
リゼット「ええ、まさに運命的な言葉ですわ♡」
ヒルデガルト「“魔法が美しい”なんて、普通は言われないものね」

コロネット「も、もうやめてくださいってば……!」
(顔真っ赤、うつむいてカップをぎゅっと持つ)



✦ まさかの乱入

ガチャッ――。

扉が開き、入ってきたのは……そう、噂の本人、騎士隊長。
彼は書類を片手に少し怪訝な顔をして立ち止まった。

騎士隊長「……なんだ? ずいぶん賑やかだな」

全員「……!!!」

メロディ「きゃーーーーっ!? 本人きちゃったーーー!!」
リゼット「まぁまぁ♡ タイミングが良すぎますわね」
ヒルデガルト「ふふ、これは運命だわ」



✦ コロネット大パニック

コロネット「ち、ちちち違いますの!! い、今の話は、その……お茶菓子の感想を……!」
(耳まで真っ赤になり、椅子から立ち上がってオロオロ)

騎士隊長「……? お茶菓子が、美しい……?」
(少し首を傾げ、真面目に受け止めている様子)

メロディ「違う違う~! ほら、“魔法が美しい”って褒めてましたよね~♡」
コロネット「メロディーー!! 黙っててーーっ!!!」



✦ 騎士隊長の一言

騎士隊長は一瞬黙り、そして穏やかな笑みを浮かべた。

騎士隊長「……ああ。その通りだ。
 お前の魔法は、美しい」

コロネット「――っっ!!!」
(真っ赤になり、その場に崩れ落ちるように椅子へ戻る)

女子会一同「きゃーーーーっ♡♡♡」



✦ 締め

騎士隊長は「書類を届けに来ただけだ」と淡々と置いて去って行った。
残されたのは、真っ赤になって固まったコロネットと、にやにや笑いが止まらない仲間たち。

メロディ「やっぱり恋だぁ~!」
リゼット「次の結婚式はコロネットさまかもしれませんわね♡」
ヒルデガルト「剣妃と魔法妃……砦は華やかになるわね」

コロネット(心の声)
(し、死ぬほど恥ずかしい……でも……心臓がまだ鳴りやまない……!)
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