魔王が現れたから、勇者の子孫らしい俺がちょっくら倒してくる

あさぼらけex

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章なしって設定できないの?~イワツキからサカドへ

第46話 勇者再び死す

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 サカドの街へ行くために、海底洞窟を進む俺とユミコ。
 ちょっくら横道にそれたら、なんと、ドラゴンに遭遇してしまった。


 でけえ。
 海底洞窟の天井は、三メートル以上はあるが、このドラゴンにはちょっと、きゅうくつそうだ。
「逃げなさい!ユウタ!」
 ドラゴンを前に、ユミコが叫ぶ。
 だけどその前に、ドラゴンが攻撃モーションに入ってた!

 ドラゴンの攻撃!
 ずごん!

 え?俺の体力の70%持ってかれたんだが。

「ヒーリングっと!」
 ユミコが回復呪文唱えてくれて、俺の体力は90%回復する。
 俺は逃げ出したが、こけてしまった。

 ドラゴンは炎を吐いた!
 ぶぼぉ!
 俺の体力の60%が持ってかれた。

 俺は逃げようと思ったが、逃げられる気がしない。
 ならば、攻撃しかない!
「バカ、逃げなさい!」
 ユミコはそう叫ぶが、俺の決意は変わらない!

 俺は鉄の斧でドラゴンを攻撃!
 ズシャラァ、ずん!

 なんか、いつもの三倍くらいの威力の攻撃が出せた。
 それでもドラゴンは倒せない!

「バカ、なんで逃げないのよ!
 今回復してあげるから、ちゃんと逃げなさい!
 ヒーリだめ、間に合わない!」

 ドラゴンの攻撃!
 ずがーん。

 俺の意識が遠くなる。
 ユミコさん、そんなにくっちゃべってないで、回復呪文だけ唱えてくれよ。


「おお勇者ユウタよ、死んでしまうとは情け無い!」
 気がつくと俺は、オオミヤ城の王の前にいた。
「傷ついた時は、宿屋に泊まって回復するがいい!
 ではゆけ、勇者ユウタよ!」

 王様は言う事言ったら、ムスっと無表情になる。
 が、なんとか笑いをこらえきれてない。

 いや、そんな事より、ユミコはどこだ?
 俺は辺りを見渡すが、ニヤけた兵士がふたり居るだけだ。

 まさか、ドラゴンの居る海底洞窟に、ひとり取り残されたのか?
 俺は急いで海底洞窟に引き返す。
 途中に出てくる魔物達が、まじウザい。

 俺はせいすいを頭からかぶる。
 これで俺より弱い魔物は、現れなくなる。
 そんなせいすいの効果も、橋を渡った向こうの魔物には、通じない。
 俺に一撃で倒されるくせに、なんとももどかしい!

 海底洞窟の中は、真っ暗だった。
 俺はたいまつを使い、明かりをともす。
 そしてドラゴンと遭遇した付近へと急ぐ。

「ユミコぉ。」
 俺は小声で呼びかけてみるが、返事はない。
 つか、ユミコの気配は感じない。
 感じるのは、ドラゴンの気配のみ。
 たいまつの明かりで、俺の存在はドラゴンにバレてるだろう。
 俺はユミコの仇を討ちたくても、今の俺のレベルでは、ドラゴンを倒せない。

 悔し涙を流す俺だが、ふと思った。
 ユミコと初めて会った場所に、戻ってるんじゃないの?
 俺がオオミヤ城に戻されるように。
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