魔王が現れたから、勇者の子孫らしい俺がちょっくら倒してくる

あさぼらけex

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名所を巡ろう~虹の架け橋から神帝のほこらへ

第58話 勇者魔洗礼を受けた神帝に出会う

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 神帝のほこらへと向かった、俺とユミコ。
 ほこらの周囲の魔物は強くて、まだ俺の行ける場所ではなかった。


 森を進んだ先に、地下へと続く階段を発見。
 これが神帝のほこららしい。
 ほこらの周囲は、ユミコの居たほこらと同様、空気の質が違ってた。
 俺とユミコは、その階段を降りる。

 あれ、神帝のいななきってアイテム、どこで使うんだろ。
 確か、神帝のほこらに入るのに使うって、言ってたよな。

「良かった。ここは無事なようね。
 カトウサに破壊されてるかと、心配したわ。」
 とユミコは安堵する。
 勇者ウラワが虹の橋をゲットしたと言う、神帝のほこら。
 ここがどうなってるのか、ユミコは気がきでなかった。

 階段を降りきると、広い地下室になっていた。
 ユミコの居たほこらの様に、メカっぽいデザインの地下室だった。

「そんな、ゴーストアリンバ。」
 違ったのは、魔物が存在する事だった。
 水晶っぽい物に閉じ込められた、ユミコがゴーストアリンバと称する魔物。

 半人半馬のケンタウルスで、頭にはターバンを巻いて、顔は蛇の様に口が裂けていた。
 あ、ついでに言うと、頭身は二頭身半だった。

「やっぱり、あの時私達を助けて、そのままだったのね。」
「どう言う事?昔ここで、何があったの?」
 悲しげなユミコに、俺は聞いてみる。

「ここで、神帝アリンバの助けを借りて、虹の橋をゲットしたの。
 でもその時、魔王軍の幹部、サタンマリリンの襲撃を受けた。
 サタンマリリンの放つ魔洗礼から、神帝アリンバは私達を守ってくれた。
 でも魔洗礼を受けた神帝アリンバは、ゴーストアリンバになってしまった。
 だからタカスナは、凍れる時の秘術を使って、ゴーストアリンバごと、周囲の時の流れを止めた。
 私、知らなかった!
 まだ魔洗礼の効果が残ってたなんて!
 だって騎神のいななきの効果で、すんなり入れたのよ!」
 長文セリフの途中から、ユミコは涙を流す。

「ユミコ、落ち着いて。」
「そうね、どっちみち、今のアリンバでは儀式は出来ない。
 神帝アリンバに戻さない限り。」
 ユミコは落ち着きを取り戻す。

 ゴーストアリンバの眼が動く。
 そしてゴーストアリンバを閉じ込めた水晶にも、亀裂がはしる。
「ユウタ、逃げるわよ!」
「分かってるよ、そんな事!」
 俺もユミコに同意し、出口へ走る。

「おっと、逃さねーよ。」
 出口の階段付近に、黒いシルエット。
 剣を持ったがいこつの魔物っぽいそのシルエットに、俺は思わず立ち止まる。
「まさか、六魔将のひとり、影の騎士?
 なぜここに。」
 六魔将の名を告げるユミコ。

「なぜって?
 決まってるだろ。この場所を突き止めて、破壊するためさ。
 おまえ達の後を、つけさせてもらったぜ。」
 影の騎士はニヤける。
 が、黒いシルエットなので、よく分からない。

 がしゃーん。
 そしてゴーストアリンバを閉じ込めた水晶も、粉々に砕ける。
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