魔王が現れたから、勇者の子孫らしい俺がちょっくら倒してくる

あさぼらけex

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ユミコ奪還編~ルギア神殿へ

第69話 勇者預言者に再び会う

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 神帝のほこらから追い出された俺。
 勇者の証を見せろって言われたが、何だそれ。そんなアイテムでもあるのかな。
 くそー、ユミコのアドバイスが欲しいぜ。


 そんなユミコに再び会う為には、一週間以内に城塞都市チチブに行かないといけない。
 そしてそれが俺への罰だと、精霊ルギアは言った。
 つまり、それはぎりぎり間に合わない事を、意味してるのだろう。

 おそらくチチブ周辺の魔物は、ここ神帝のほこら周辺の魔物と同程度か、それ以上。
 今の俺には、荷が重い。
 ここの魔物と軽く渡り合えるくらいには、レベルを上げたい。
 でも今の俺は、マジックパワーが尽きている。

 俺は転移の翼を使い、オオミヤ城へ戻った。
「勇者ウラワの子孫に、光りあれ!」
 光りあれジジイにマジックパワーを回復してもらった。
 俺はそのまま、預言者ミツフタの居る部屋の鍵を開ける。

 そう、ユミコを救うためには、俺ひとりがどう考えても無駄だ。
 しかるべき人物の、アドバイスが欲しい。

「おお、誰かと思ったら、勇者ユウタではないか。
 おや、クマガイ殿は、一緒ではないのか?」

 ミツフタの何気ないひと言に、俺はブチ切れる!

「きさまぁ!
 神帝のほこらに行ったらどーなるか、分かってたんだろ!」
「待て待て、わしは何も知らんて。」
「何言ってんだ、おまえ預言者だろ!」
「よ、預言者と言ってもわしは、感じるだけじゃ。
 なんとなく、こうじゃないかと思うだけで、未来が丸々分かる訳ではないのじゃ。」
「そうかよ!だったら教えてやるぜ!」

 俺は神帝のほこらで起こった出来事を話した。
 ゴーストアリンバの事。
 ユミコのかつての仲間の事。
 精霊ルギアの事。
 そして、ユミコが連れ去られてしまった事。

「なるほどの、そんな事があったのか。」
「なあ、俺はどうしたらいい?
 俺が一週間以内に城塞都市チチブに行く事は、可能なのか?」

 ミツフタは、俺をじっと見つめる。
 そして結論をだす。
「無理じゃろな。」
「やっぱそうか。」

 俺はミツフタの結論に、どこか納得する。
 精霊ルギアは確かに言った。これが俺への罰だと。

「今のおまえのレベルでは、チチブはおろか、ムサシにもたどり着けん。」
「く、だったらどうすりゃあいい。」
「今のレベルでは無理なら、レベルを上げるしかない。
 一週間でむっつほどな。」

「むっつもか。
 だったら魔物を狩まくって、光りあれジジイにマジックパワー回復してもらって、また魔物を狩り続けるだけだぜ。」
「いや、光りあれジジイが回復出来るのは、1日に1度。
 二度目の回復には、宿屋に泊まる必要がある。」

 ミツフタの言葉に、俺は絶望を覚える。
 不眠不休で魔物と戦えば、どうにかなるかもと、単純に考えていた。
 今日はさっき回復してもらったので、今日はもう回復してもらえない。

「ふう、こうなったのも、わしの予言がきっかけ。
 なんとか作戦を講じてみるかの。」
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