魔王が現れたから、勇者の子孫らしい俺がちょっくら倒してくる

あさぼらけex

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ユミコ奪還編~十二宮殿の戦い

第81話 勇者ゴーレムの秘密を知る

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 ちゃーちゃちゃちゃちゃちゃちゃーん。
 この世に邪悪がはびこる時、必ずや現れると言う希望の闘士、勇者が現代のサーイターマルドに甦った。
 精霊ルギアの怒りに触れたユミコを救うため、十二時間以内に十二の宮殿を突破しなければならない。
 急げ、ユミコの勇者たちよ。


 第一の宮殿のゴーレムの強さに圧倒される、俺とシリウスシスターズの四人。
 強さの次元が違いすぎる相手が、十二体もいる。
「なら、ユミコを見殺せって言うのか。」
 俺の瞳から、涙が流れる。

 そうだな、ユミコが死ぬなら、俺も死のう。
 って、俺は死んでも蘇るんだっけ。

「ユミコを助ける方法なら、ありますよ。」
 絶望に打ちひしがれる俺に、黄金の騎士はそう告げる。

「方法って、なんで敵であるおまえが、それを言う。」
 俺は黄金の騎士の真意を、計りかねる。

「我々は勇者ウラワが集めた、オリハルコンにガマニオン、スターダストサンドを元に造られている。
 いわばクマガイユミコは、我々の母も同然。
 なぜ母を殺す手助けが出来ましょうか。」
「な、なんだってぇ?」
 黄金の騎士の言葉に、俺は驚く。
 そんな素材、どこで集めたんだよ。しかも十二体分も。

「いえ、三つの世界を行き来した勇者ウラワなら、それを集めるのも可能だわ。」
 とケイが俺の疑問に答える。

「なるほど。つまり君たちゴーレムは、俺の邪魔をする意思はないと。
 このまま十二の宮殿も、素通り出来ると言う事か。」
 と俺は理解する。
 勇者ウラワが三つの世界をどーたらって事には、突っ込まないぞ。

「さあ、それはどうでしょう。
 この事に気づいてるゴーレムは、数少ない。
 多くのゴーレムは、ユミコの名を語る偽者だと思ってます。
 中には、野心をいだくゴーレムもいますしね。」
「な、それじゃあ、どうすれば。」

 一度は希望が見えた俺だが、再び絶望を感じる。

「私のサイコキネシスで、十二の宮殿の終点に、テレポーションさせます。」
「可能なのか、そんな事。」
「私ひとりのサイコキネシスでは、不可能でしょう。
 ですが、ここにはサイコパワーを持つ者が四人います。」
 黄金の騎士は、シリウスシスターズの四人を指差す。

「なるほどな。我々にはいわゆる超能力はないが、そのサポートくらいは出来る。」
 とマインが黄金の騎士の真意に気づく。
 だけどマインもユアも、乗り気ではない。
 俺にイワツキでやられた事を、まだ根に持っている。

「お、お願いします。俺に力を貸してください。
 イワツキでの事は、謝ります。
 俺を気の済むまで、いたぶって下さい!」
 俺はその場に、大の字に横になる。

「みっともないわよ、ユウタ君。」
 俺の手を、ケイが引っ張る。
「そうそう、ふたりとも、そんなにけつの穴は小さくないから、安心なさい。」
 リムも、笑顔でそう告げる。

 ユアとマインは、しぶしぶ同意した。
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