魔王が現れたから、勇者の子孫らしい俺がちょっくら倒してくる

あさぼらけex

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ユミコ奪還編~十二宮殿の戦い

第87話 勇者リモート会議からハブられる

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 ちゃあたん、ちゃあたん、きらめくぅっ(以下略)


「あなた達、言いたい事はそれだけですか。」
 次々に反論するゴールドゴーレム達の不満を聞き終えたルギア。
 ルギアのそのひと言に、ゴーレム達はおし黙る。

「先々代の精霊神の悲劇を、忘れたのですか。」
 ルギアの何者にも屈しない、その強い意志が伝わってくる。
 こたつでくつろいでいるルギアだが、そこには女神様らしい威厳があった。

「ですがルギア様。あれは神武七龍神達の気まぐれに翻弄された結果です。
 同様の悲劇が今後も起こる事は、無いでしょう。」
 と、ひとりのゴーレムがルギアに異を唱える。
 この声には、聞き覚えがある。
 そう、俺をこのルギア神殿にテレポーションさせてくれた、黄金の羊のゴーレム、アリエスだ。
 良かった。無事だったんだな。

「黙れアリエス!そのような保証がどこにある!」
 ルギアが声を荒げる。
「確かに、そのような保証はありません。
 ですが、無闇に我々を招集していい理由には、なりません。」
 アリエスも毅然とした態度で、ルギアに反論する。

「ほう、だからか。だから勇者ユウタを通したのだな。」
「何?それは本当か?」
「おまえが倒したのではないのか?」
 ルギアのひと言に、他のゴーレム達がざわつく。

「ええ、いくらルギア様の勅命と言えど、母親も同然のクマガイユミコを見殺しにする事など、私には出来ません。」
「な、クマガイユミコだと。」
「それが本当なら、我々は母親殺しの汚名を着る事になるぞ。」
 アリエスのひと言にも、他のゴーレム達がざわつく。

「クマガイユミコは、自然の摂理に逆らった。
 いくら過去に大恩あるとは言え、これに関しては見過ごす事は出来ない。」

 ちょっと待て!
 俺は反論したかったが、なぜか声が出ない!
 ユミコはかつての勇者、ウラワタカスナに追い目を感じただけだ。
 なのになぜ罰せられる?
 しかも現代の勇者である俺まで巻き込んで!
 サーイターマルドが魔王に支配されても、いいって言うのか?

 くそ。
 反論したいのに、声が出ない。
 精霊ルギアめ、俺に何をしたんだ?

「だが、なるほどの。おまえ達のいい分も、分からなくもない。
 今後は、招集の仕方を改めるとしよう。」
 ルギアのひと言に、ゴーレム達が安堵するのが分かる。
 だけど俺は、納得いかない。
 そんな今後の事よりも今、なぜユミコを罰する為に招集したのか!
 これについて、小一時間ばかし問い詰めたい!
 なのに、声が出ない!

「だが、忘れるなよ。
 神武七龍神に対抗するには、おまえ達十二人の力が必要な事を。
 おまえ達の黄金曼荼羅陣(ゴールドエクスクラメーション)に、ジャパニガルドの命運がかかってる事を、忘れるな!」
「それは、分かってます。
 精霊ルギア様の名のもとに、ジャパニガルドを護る事こそ、我らの使命。」
 ルギアの檄に、アリエスがゴーレムを代表して応える。

「ならば、これにて今回の招集を、解散する!」
 ルギアのひと言に、ゴーレム達の映る画面が消える。
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