魔王が現れたから、勇者の子孫らしい俺がちょっくら倒してくる

ローザ姫救出編

第98話 勇者ドラゴンをクエストする

　精霊ルギア様に連れ去られた次元空間から戻った場所は、神帝のほこらの近くだった。
　これはほんと、都合がよかった。
　このまま海底洞窟のドラゴンに、リベンジを果たせるから。


「ライト。」
　海底洞窟に入って早速、ユミコが照明呪文を唱える。
　この海底洞窟の魔物も、すでに俺の敵ではない。

　サカド側から入った海底洞窟は、そのまま北への一本道を進めば、イワツキ側に出られる。
　しかし、東側の崩れた壁の向こうに、以前俺を殺したドラゴンが居る。

　俺は気を引き締めて、その崩れた壁の向こうへむかう。
　しばらく歩くと、早速ドラゴンのお出ましだ！


　俺は鋼の剣で、ドラゴンを攻撃！
　ズシャ！
　以前とは違い、確かな手ごたえを感じる！
　だけどドラゴンは倒せない！

　ドラゴンの反撃！
　ドゴ！
　く、そこそこ痛い。
　こいつ、チチブ周辺の魔物より強いかも。

　俺は鋼の剣で、ドラゴンを攻撃！
　ザシュ！
　確実にダメージを与えているが、ドラゴンは倒せない！

　ドラゴンは火を吹いた！
　ボワ！
　あっちい！
　なんだこれ、普通の攻撃より威力があるぞ！

　俺は鋼の剣で、ドラゴンを攻撃！
　ドシャ！
　ぐぎゃああ！
　ドラゴンは断末魔にもにた悲鳴をあげるが、まだ倒れない！

　ドラゴンは火を吹いた！
　ボワ！
　くそ、目の前が赤くなる！

　ここは回復するべきか悩むが、あと一撃くらい耐えられる。
　俺は鋼の剣で、ドラゴンを攻撃！
　ドズォ！
　ヤバい！ドラゴンを倒せなかった！

　ドラゴンの反撃！
　ドゴ！
　そこそこのダメージを受けたが、まだ俺は生きている！

「ヒーリング！」
　俺は素直に回復呪文を唱えた。
　これで二撃分くらい耐えられる。

　ドラゴンの攻撃！
　ドゴ！
　ふう、炎じゃなくて、助かったぜ。
　次が炎でも、俺は耐えられる！

　俺は鋼の剣で、ドラゴンを攻撃！
　ズシャ！
　ドラゴンを倒した。
　122円落ちていた。


「ユウタ！」
　戦闘が終わり、ユミコが駆けつける。
「ヒーリングっと。」
　そして回復呪文をかけてくれる。

「はあはあ、ありがとうユミコ。
　まさかこんなに強いとは思わなかったよ。」
「ええ、普通のドラゴンより強かったわね。」
　俺とユミコは、倒れたドラゴンを見つめる。

「うわーん、ドラゴンさーん。」
　そこへ、ひとりの少女が駆けつける。
「ドラゴンさん、死なないで。死んじゃやだー！」
　少女はドラゴンに泣きつく。

「な、泣くな姫よ。」
　ドラゴンは少女に対して、優しく声をかける。
　つか今、姫と言った？
　もしかしてこの少女が、捕らわれたと言うローザ姫なのか？
　確かにそれっぽい服装だが、まだ10歳くらいの女の子だぞ。