魔王が現れたから、勇者の子孫らしい俺がちょっくら倒してくる

あさぼらけex

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章なしで行きたいんだが~オオミヤからチチブへ

第118話 勇者再びゴーレムの攻撃を受ける!

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 ムサシの廃墟で見つけたウラワの鎧は、さびついていた。
 それを復活させるために、スターダストサンドを使った工法が必要となり、ユミコはひとり、自分のほこらに帰ってしまった。


「チチブで落ち合いましょう、か。」
 俺はユミコのセリフを思い出す。
 それは、俺がここからチチブに行くまでの時間がかかるのだろう。ウラワの鎧を復活させるのに。

 チチブまでなら、強行すれば半日で行ける。
 だけど、ユミコはそんな計算してないだろう。
 俺は、ゆっくりチチブに向かう事にする。

 まずは、ここムサシの探索だ。
 俺は魔物に襲われたこの街から、時渡りの秘法で今の時代にやってきた。
 つまりこの街は、俺の故郷だった。

 はっきりとは覚えていないが、どこか懐かしい街。
「お姉ちゃん。」
 幼い頃、姉と遊んだ広場跡。
 今や見る影もないが、どこか懐かしかった。

 俺は俺の通り道に居た魔物を、次々に倒した。
 この街に居る魔物は、こちらから手を出さない限り、襲ってこない。
 とは言え、俺から避ける理由もなかった。

 俺は廃墟の街を、ひと通り回ってみた。
 どこかに宝箱でも落ちてないかと思ったが、そんなもん無かった。

「じゃあお姉ちゃん、そろそろ行くね。」
 俺は大分時間を潰した後、そうつぶやいてムサシの街をあとにした。

 俺はここから、城塞都市チチブを目指す。
 そういや、ムサシの南西エリアは、まだ行った事なかったな。
 行ってみようかとも思ったが、今はユミコがいない。
 回復役がいない。
 いや、俺も回復呪文使えるが、多分マジックパワーが保たない。
 そのエリアの探索は、ユミコと再会してからにしよう。

 俺はまっすぐチチブを目指す事にする。

「あ、遅いわよ、ユウタ。」
 チチブの入り口で、ユミコが街くたびれていた。
「あ、ごめんユミコ。」
 俺はユミコに謝って、そそくさと近づく。

 チチブの入り口には、仏像のオブジェの形をしたゴールドゴーレムが居る訳で。
 そいつが俺に反応して、黄金の騎士の姿に形を変える。

 ユミコには反応しなかったのに、なぜか俺だけを敵と認識する。
「うそ。以前倒しておかなかったの?」
 ユミコは青ざめる。
 一度チチブに来た事のある俺は、確かにこのゴーレムと戦った。
 だけどとどめを刺さずに、チチブに逃げ込んだ。

「大丈夫だって。こいつがあるから。」
 俺は精霊の笛を取り出す。
 こいつを使えば、ゴーレムの動きを封じられる。

 ぴーぴひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃーぴろりろりん。

 これでゴーレムの動きが止まり、ゴールドの輝きが影る。

 黄金の騎士の頭部の左右に付いた顔のうち、左側の顔に亀裂が入る。
 同時にゴーレムは輝きを取り戻す!

 どっごーーん!

 俺は銀河の星々を砕く様な衝撃を受ける!
 俺は後方に吹っ飛び、装備していた鋼の鎧と鉄の盾は、粉々に砕け散る!
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