魔王が現れたから、勇者の子孫らしい俺がちょっくら倒してくる

あさぼらけex

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シリウスシスターズ襲撃編

第150話 勇者パロスペシャルを見る

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 俺とマインさんとの戦闘に、ユミコが駆けつけてくれた。
 勇気百倍の俺だったが、シリウスシスターズの残り三人も駆けつけてしまった。
 なぜこの人たちが俺の邪魔をするのか、見当もつかない。


「や、やめなさい、あなた達。標的は私だけのはずでしょ。」
 ユアに首を絞められながらも、ユミコがつぶやく。

「違う!これは俺とマインさんとの勝負!邪魔をする、こいつらが悪い!」
 俺はケイさんに押さえつけられながら、前方のマインさんをにらむ。

「へー、タイマン勝負の邪魔をしたのは、そっちが先なんだけどな。」
 とマインさんはニヤける。
 すでに精神力は回復したのか、リムさんの助けなしに、立ち上がってる。

「く、俺の、負け、なのか。」
 俺はマインさんから視線をそらして、うつむく。
 そう、ユミコの助けがなければ、俺は死んでいた。

「ふ、やっと負けを認めたか。」
 とユアがつぶやく。
 俺もピクっと反応するが、何も言い返せない。

「ち、何も言い返さないのか。つまんねーな。」
 とユアが追い打ちかけてくる。

「そんな言い方、ないと思うな。」
 ケイさんはそう言って、戦意を喪失した俺を解放する。

「ぐぐ、」
 ユアのくぐもった悲鳴が聞こえ、俺は振り返る。
 見ると、ケイさんがユアに立ち関節技を極めている。
 ケイさんはユアの背中側から、ユアの両ひざの後ろに両脚のつま先を突っ込み、ロックする。
 そしてユアの両手を背中側から上方へと、ひねり上げる。
 ユアから解放されたユミコが、前方へとよろめく。
「ユミコ!」
 地に伏したままの俺は、慌てて立ちあがろうとするが、よろめいてしまう。
 そんな俺の目の前に、ユミコが倒れる。

「ケイ、てめぇ、何をする。」
 立ち関節技を極められたユアが、文句を言う。
「何って、感心しないよ、あんなやり方。」
 とケイさんが答える。
「わ、私はただ、あいつにやられた仕返しを、しただけだ。」
 とユアは俺をにらむ。

「く、俺に恨みがあるなら、俺を狙え。ユミコは関係ないだろ。」
 俺はケイさんにやられたダメージか、マインさんにやられたダメージか知らんが、満足に身体を動かせない。

「関係なくは、ないわよ。」
 ユミコはよろめきながら、俺に近寄る。
「ヒーリングっと。」
 そして回復呪文をかけてくれた。
「この人たちの標的は、この私よ。」
 とユミコは言う。

「あら、よく分かってるじゃない。」
 いつの間にかリムさんが、ユミコの右腕を後ろ手にひねり上げてる。
「そう言う事だ、ユウタ。おまえもおとなしくしろ。」
 立ち上がった俺の背後から、マインさんが俺の右腕をひねり上げる。

 ケイさんもユアの背中から飛び降り、立ち関節技を解く。

 ユミコは次航法違反だとマインさんは言ってた。
 くそ、その意味はよく分からんが、照光子の杖はあきらめろって事らしい。
 俺の物語はここで終わるのか。
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