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荒野を行く
第186話 勇者意識を失う
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虹の橋をくれないって言ってた神帝アリンバだが、心変わりしてくれた。
たくう、勇者の証とルギアのお守りは別アイテムなのに、節操のないヤツだ。
神帝アリンバは、神帝のほこらの長い階段を降りて行く。
俺も神帝アリンバの後に続くのだが、なんか気まずい
なんか喋ってくれよ。
そして俺たちは、広々とした地下室にたどり着く。
そうそう、以前来た時はゴーストアリンバだったんだよな。
それを戻してくれたのが、ん?誰だっけ?
そこの記憶が、なぜか抜けている。
あれ、ルギア様?だっけ?
他にも誰か居た気がする。
そして、魔王軍六魔将のひとりを倒したような気もする。
まだレベルの低い俺は、誰かの助けをかりた気もするのだが、よく思い出せない。
それが悲しい結果を招いた気がするのだが、そこら辺の記憶を辿ろうとすると、激しく頭が痛くなる。
「どうした、ユウタ?」
記憶をたどる俺に、神帝アリンバが声をかける。
「あ、いや、なんでもない。」
俺は咄嗟に答える。
ゴーストアリンバとして凍れる時の秘術で眠っていた神帝アリンバに聞いても、答えは出ないだろう。
「そうか。ここに来たって事は、照光子の杖と聖なる霧吹きも、持って来たんだよな。」
神帝アリンバは改めて、俺に問う。
「ええ、持って来ました。」
俺は、そのふたつのアイテムを取り出す。
「ふむ、この次元世界に無いアイテムを、よく持ってこれたよな。」
「次元世界?」ずき!
その単語を聞いて、俺の頭に頭痛がはしる。
「大丈夫か、ユウタ。」
頭を押さえる俺に、神帝アリンバが声をかける。
「ああ、大丈夫。」
と言って俺は頭をふる。
「な、なぜか次元世界って言う単語が、俺の頭に引っかかる。俺は何か大切な事を、忘れてる気がする。」
俺は俺におきた現状を、口にする。
「う、」
その事を考えれば考えるほど、頭痛が激しくなる。
俺は思わずひざまずく。
「おいおい、ほんとに大丈夫かよ。」
神帝アリンバが心配してくれてるが、俺もここで屈してる訳にはいかない。魔王を倒すために残された時間は、わずかだ。
「だ、大丈夫だ。」
俺は今の俺に出来る、ぎりぎりの笑顔を見せる。
「そうか。ならばこれから儀式を始めるか。」
神帝アリンバは俺から、照光子の杖と聖なる霧吹きを受け取る。
ほこらの奥の泉の水を、聖なる霧吹きに入れて、辺りに振り撒く。
そこへ照光子の杖からライトを照射する。
聖なる霧吹きから噴霧された霧に、見事な虹がかかる。
「レインボーアーチ!」
神帝アリンバが叫ぶと、浮かんだ虹が、色鮮やかになった。
「これが、虹の橋ってヤツか。」
俺は頭痛で気が遠くなる中、なんとかつぶやく。
そんな俺の前で、神帝アリンバが宙に浮く。
「え?」
「レッグラリアット!」
ドゴ!
呆然とする俺の首筋に、神帝アリンバの回し蹴りが炸裂!
「な、なんで、」
俺はそのまま意識を失った。
たくう、勇者の証とルギアのお守りは別アイテムなのに、節操のないヤツだ。
神帝アリンバは、神帝のほこらの長い階段を降りて行く。
俺も神帝アリンバの後に続くのだが、なんか気まずい
なんか喋ってくれよ。
そして俺たちは、広々とした地下室にたどり着く。
そうそう、以前来た時はゴーストアリンバだったんだよな。
それを戻してくれたのが、ん?誰だっけ?
そこの記憶が、なぜか抜けている。
あれ、ルギア様?だっけ?
他にも誰か居た気がする。
そして、魔王軍六魔将のひとりを倒したような気もする。
まだレベルの低い俺は、誰かの助けをかりた気もするのだが、よく思い出せない。
それが悲しい結果を招いた気がするのだが、そこら辺の記憶を辿ろうとすると、激しく頭が痛くなる。
「どうした、ユウタ?」
記憶をたどる俺に、神帝アリンバが声をかける。
「あ、いや、なんでもない。」
俺は咄嗟に答える。
ゴーストアリンバとして凍れる時の秘術で眠っていた神帝アリンバに聞いても、答えは出ないだろう。
「そうか。ここに来たって事は、照光子の杖と聖なる霧吹きも、持って来たんだよな。」
神帝アリンバは改めて、俺に問う。
「ええ、持って来ました。」
俺は、そのふたつのアイテムを取り出す。
「ふむ、この次元世界に無いアイテムを、よく持ってこれたよな。」
「次元世界?」ずき!
その単語を聞いて、俺の頭に頭痛がはしる。
「大丈夫か、ユウタ。」
頭を押さえる俺に、神帝アリンバが声をかける。
「ああ、大丈夫。」
と言って俺は頭をふる。
「な、なぜか次元世界って言う単語が、俺の頭に引っかかる。俺は何か大切な事を、忘れてる気がする。」
俺は俺におきた現状を、口にする。
「う、」
その事を考えれば考えるほど、頭痛が激しくなる。
俺は思わずひざまずく。
「おいおい、ほんとに大丈夫かよ。」
神帝アリンバが心配してくれてるが、俺もここで屈してる訳にはいかない。魔王を倒すために残された時間は、わずかだ。
「だ、大丈夫だ。」
俺は今の俺に出来る、ぎりぎりの笑顔を見せる。
「そうか。ならばこれから儀式を始めるか。」
神帝アリンバは俺から、照光子の杖と聖なる霧吹きを受け取る。
ほこらの奥の泉の水を、聖なる霧吹きに入れて、辺りに振り撒く。
そこへ照光子の杖からライトを照射する。
聖なる霧吹きから噴霧された霧に、見事な虹がかかる。
「レインボーアーチ!」
神帝アリンバが叫ぶと、浮かんだ虹が、色鮮やかになった。
「これが、虹の橋ってヤツか。」
俺は頭痛で気が遠くなる中、なんとかつぶやく。
そんな俺の前で、神帝アリンバが宙に浮く。
「え?」
「レッグラリアット!」
ドゴ!
呆然とする俺の首筋に、神帝アリンバの回し蹴りが炸裂!
「な、なんで、」
俺はそのまま意識を失った。
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