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宇宙召喚編
第11話 敗北の原因
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これは西暦9980年のはるか未来の物語。
この時代の戦争は、脱出用ポッドの登場により、誰も死なない戦争になっていた。
ただし、脱出用ポッドを使うには、魂が同調した人間にしか使う事が出来なかった。
その魂の同調者が、過去の時代からこの時代に召喚された。
こうして召喚されたマイは、模擬戦とはいえ、初めての戦闘に勝利した。
ぷしゅー。
脱出用ポッドの扉が開く。
中からユアが出てくる。
「ねえ、なんで私、負けたの?」
ユアは目の前にいるサポートAIのユウに問いかける。
マイの三機は、確実に倒した。
なのに自分が負けた。
それはもう一機の機体、四機目がいたとしか考えられない。
そんなユアの心情を察して、ユウは答える。
「あれは、投影されたフォログラフ映像です。」
「フォロ…、え?何?」
初めて聞く単語に、ユアの理解が追いつかない。
「質量を持ったフォログラフの投影。これによりトライフォースの戦術の幅が、無限に広がります。」
「何それ、聞いてないよ。」
ユアは、マイが使った戦術を知らなかった。
初めてトライフォースに触れたマイでさえ知っていた事を、ユアは知らなかった。
それがユアにはショックだった。今回の勝敗よりも。
「ねえ、私にも使えたんでしょう?そのフォログラフってヤツ。」
ユアが勝利を逃した存在。それに気づいてさえいれば、勝敗は違ったかもしれない。
だが、そんなユアの淡い期待を、ユウは打ち砕く。
「いいえ、あなたの機体には実装されておりません。」
その言葉に、ユアは床にへたりこむ。
「な、なんで?それじゃあ、勝負にならないじゃん…。」
「システムの実装には、あなたの気付きが必要だったのです。
修理された機体には、実装されるでしょう。」
そう言うユウの言葉が震え、ユアから顔をそむける。
「αI〔アルファーワン)、いきなり使いこなすなんて、卑怯よ。」
ユウは自らの左腕をつかむ右手に、思わず力がはいる。
「ユウ?」
ユアは、そんなユウを心配そうに見つめる。
「な、何でもないわ。わ、私の教え方がいたらなかったようね、ごめんなさい。」
ユアの眼差しに気づいたユウは、そう言ってとりつくろう。
何かある。
ユアはそう感じた。
「ユウ、教えて。なんでマイの機体にはフォログラフがあって、私の機体には無かったのか。」
ユウは答えた。
試作機としてのマイの機体の事。
そこから改良されたユアの機体の事。
そして、シリウス構想の事。
八話でやった説明を、ユウもしたのだった。
「改良型なのに、負けちゃったのか。こりゃあ、マイをほめるしかないね。」
ユウの説明と、先程の勝敗。
これらについての、ユアの率直な感想だった。
ユアとユウのふたりは、ラウンジへと向かう。
そこには、メカニックマンのジョーと、他の召喚者の三人が待っていた。
「無様ね。」
部屋に入った瞬間、金髪のツインテールの召喚者がいきなり言ってきた。
ユアには、返す言葉もなかった。
「まあまあ、テトラフォーメーションも知らなかったんだから、無理もないって。」
青髪のショートカットの召喚者が、フォローになっていないフォローをする。
「そっか、みんなは知ってたんだね。」
ユアは少し気落ちする。
「ああ、そうだ。殺してくるって言っときながら、殺されて帰ってくるとは、無様だな。」
銀髪のロングヘアの召喚者が、とどめをさすひとこと。
「いや、ユアも頑張ったじゃん。いい経験積んだじゃん。もっと強くなれるって、きっと。」
青髪のショートカットの召喚者は、あくまでフォローにてっする。
「ふん、負けてたら意味ないわよ。」
「大口たたいてこのザマじゃあな。」
他のふたりの意見はしんらつだった。
「よし、そこまでだ。」
ユアが吊し上げをくらう雰囲気を、断ち切るようにジョーが口を開く。
「ユアは、今までも好成績を修めてたのは、事実だ。」
「どうだか。」
金髪のツインテールの召喚者が、小声で一言。
それを無視してジョーは続ける。
「それに加えて、今回は貴重な経験を積んだ。復帰する機体も、さらにパワーアップする。
ユア、おまえはもっと強くなれる!」
「はい、私頑張ります。誰よりも強くなります!」
ユアは力強く、そう答えた。
「ふーん、誰よりも?それって、私よりも強くなるつもりかしら?」
金髪のツインテールの召喚者が、そう挑発してくる。
「ええ、そうよ。私はもう、誰にも負けないわ。」
「だったら、今度は私と勝負してみる?また貴重な経験を積めるわよ。」
「そんな経験するのは、あんたの方よ!」
ユアは静かだけど、気合いの入った重い声で答える。
「だめだめ、他の予定が入ってるんだから、そんな暇ないの!」
そう言ってジョーが止めに入った。
「あの話し、やっと進展したんですね。」
ジョーの言葉に、銀髪のロングヘアの召喚者が問いかける。
「なんの話し?」
他の三人の召喚者は同じ気持ちだったが、ユアが代表してそういった。
ぷしゅー。
そこへ、マイとアイが帰ってきた。
脱出用ポッドで転送されたユアと違い、マイは戦闘機を操縦して帰ってきたのだ。ユアとマイとで、到着には時間差が生じる。
ユアはアイのそばに駆け寄ると、深く頭を下げた。
「ぽ、ポンコツなんて言って、すみませんでした。ポンコツなのは、私の方でした!」
そう言うユアを見て、アイはキョトンとして、ちょっと戸惑う。
「ユア、やめなさい、そんな事する必要ありません。」
横からユウが小声でユアをたしなめる。
それを見てアイは笑顔でしゃべりだす。
「あら、ユアさんって素直ないい子なのね。誰かさんと違って。
私は気にしてませんし、ユアさんの事なら許してますわ。
誰かさんも、ユアさんを見習ってほしいですわね。」
アイの言葉に、ユウの表情が少しひきつる。
「ひょっとして、ふたりって仲悪いの?」
「やっぱそう見えるよね。」
マイの問いかけに、ユアはそう答えた。
この時代の戦争は、脱出用ポッドの登場により、誰も死なない戦争になっていた。
ただし、脱出用ポッドを使うには、魂が同調した人間にしか使う事が出来なかった。
その魂の同調者が、過去の時代からこの時代に召喚された。
こうして召喚されたマイは、模擬戦とはいえ、初めての戦闘に勝利した。
ぷしゅー。
脱出用ポッドの扉が開く。
中からユアが出てくる。
「ねえ、なんで私、負けたの?」
ユアは目の前にいるサポートAIのユウに問いかける。
マイの三機は、確実に倒した。
なのに自分が負けた。
それはもう一機の機体、四機目がいたとしか考えられない。
そんなユアの心情を察して、ユウは答える。
「あれは、投影されたフォログラフ映像です。」
「フォロ…、え?何?」
初めて聞く単語に、ユアの理解が追いつかない。
「質量を持ったフォログラフの投影。これによりトライフォースの戦術の幅が、無限に広がります。」
「何それ、聞いてないよ。」
ユアは、マイが使った戦術を知らなかった。
初めてトライフォースに触れたマイでさえ知っていた事を、ユアは知らなかった。
それがユアにはショックだった。今回の勝敗よりも。
「ねえ、私にも使えたんでしょう?そのフォログラフってヤツ。」
ユアが勝利を逃した存在。それに気づいてさえいれば、勝敗は違ったかもしれない。
だが、そんなユアの淡い期待を、ユウは打ち砕く。
「いいえ、あなたの機体には実装されておりません。」
その言葉に、ユアは床にへたりこむ。
「な、なんで?それじゃあ、勝負にならないじゃん…。」
「システムの実装には、あなたの気付きが必要だったのです。
修理された機体には、実装されるでしょう。」
そう言うユウの言葉が震え、ユアから顔をそむける。
「αI〔アルファーワン)、いきなり使いこなすなんて、卑怯よ。」
ユウは自らの左腕をつかむ右手に、思わず力がはいる。
「ユウ?」
ユアは、そんなユウを心配そうに見つめる。
「な、何でもないわ。わ、私の教え方がいたらなかったようね、ごめんなさい。」
ユアの眼差しに気づいたユウは、そう言ってとりつくろう。
何かある。
ユアはそう感じた。
「ユウ、教えて。なんでマイの機体にはフォログラフがあって、私の機体には無かったのか。」
ユウは答えた。
試作機としてのマイの機体の事。
そこから改良されたユアの機体の事。
そして、シリウス構想の事。
八話でやった説明を、ユウもしたのだった。
「改良型なのに、負けちゃったのか。こりゃあ、マイをほめるしかないね。」
ユウの説明と、先程の勝敗。
これらについての、ユアの率直な感想だった。
ユアとユウのふたりは、ラウンジへと向かう。
そこには、メカニックマンのジョーと、他の召喚者の三人が待っていた。
「無様ね。」
部屋に入った瞬間、金髪のツインテールの召喚者がいきなり言ってきた。
ユアには、返す言葉もなかった。
「まあまあ、テトラフォーメーションも知らなかったんだから、無理もないって。」
青髪のショートカットの召喚者が、フォローになっていないフォローをする。
「そっか、みんなは知ってたんだね。」
ユアは少し気落ちする。
「ああ、そうだ。殺してくるって言っときながら、殺されて帰ってくるとは、無様だな。」
銀髪のロングヘアの召喚者が、とどめをさすひとこと。
「いや、ユアも頑張ったじゃん。いい経験積んだじゃん。もっと強くなれるって、きっと。」
青髪のショートカットの召喚者は、あくまでフォローにてっする。
「ふん、負けてたら意味ないわよ。」
「大口たたいてこのザマじゃあな。」
他のふたりの意見はしんらつだった。
「よし、そこまでだ。」
ユアが吊し上げをくらう雰囲気を、断ち切るようにジョーが口を開く。
「ユアは、今までも好成績を修めてたのは、事実だ。」
「どうだか。」
金髪のツインテールの召喚者が、小声で一言。
それを無視してジョーは続ける。
「それに加えて、今回は貴重な経験を積んだ。復帰する機体も、さらにパワーアップする。
ユア、おまえはもっと強くなれる!」
「はい、私頑張ります。誰よりも強くなります!」
ユアは力強く、そう答えた。
「ふーん、誰よりも?それって、私よりも強くなるつもりかしら?」
金髪のツインテールの召喚者が、そう挑発してくる。
「ええ、そうよ。私はもう、誰にも負けないわ。」
「だったら、今度は私と勝負してみる?また貴重な経験を積めるわよ。」
「そんな経験するのは、あんたの方よ!」
ユアは静かだけど、気合いの入った重い声で答える。
「だめだめ、他の予定が入ってるんだから、そんな暇ないの!」
そう言ってジョーが止めに入った。
「あの話し、やっと進展したんですね。」
ジョーの言葉に、銀髪のロングヘアの召喚者が問いかける。
「なんの話し?」
他の三人の召喚者は同じ気持ちだったが、ユアが代表してそういった。
ぷしゅー。
そこへ、マイとアイが帰ってきた。
脱出用ポッドで転送されたユアと違い、マイは戦闘機を操縦して帰ってきたのだ。ユアとマイとで、到着には時間差が生じる。
ユアはアイのそばに駆け寄ると、深く頭を下げた。
「ぽ、ポンコツなんて言って、すみませんでした。ポンコツなのは、私の方でした!」
そう言うユアを見て、アイはキョトンとして、ちょっと戸惑う。
「ユア、やめなさい、そんな事する必要ありません。」
横からユウが小声でユアをたしなめる。
それを見てアイは笑顔でしゃべりだす。
「あら、ユアさんって素直ないい子なのね。誰かさんと違って。
私は気にしてませんし、ユアさんの事なら許してますわ。
誰かさんも、ユアさんを見習ってほしいですわね。」
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