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宇宙召喚編
第31話 対三姉妹三女戦
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これは西暦9980年のはるか未来のお話。
この時代に召喚されたマイとマインは、ゴンゴル三姉妹との決戦の地、ぽんぽこ座のアルファ星域に向かっていた。
召喚されて間もないマイが、鉢巻のチップを外す。
これは、マイにとっては死と隣り合わせな行為だった。
それを知ってたはずのジョーを問いただすも、ジョーは無事に済んだから良かったじゃんの一点張りだった。
マイは自分を信じてくれたジョーに対して、胸の奥からあたたかい感情があふれてくるのを感じた。
しかし他の三人、マインとアイとミサは、ジョーに対する不信感が増すだけだった。
決戦の地は、まだ遠い。
ロングレンジワープだと、百光年から千光年までの間を、十光年単位でしかワープアウト出来ない。
ぽんぽこ座のアルファ星域の決戦の地は、二百二十五光年の距離だった。
つまり、ロングレンジのワープアウト後、五光年は通常移動となる。
ショートレンジのワープは可能だが、エネルギーの消費が激しく、その後の戦闘を考えると、現実的ではなかった。
「またここに戻ってきたのね。」
以前、ゴンゴル三姉妹のメドーと戦った場所。
マインはここでの戦闘を、思い出さずにはいられなかった。
戦闘といっても、一方的な負けだった。
「今度は僕もいるから、平気だよ。今度はふたりなんだし。」
少し気落ちした感じのマインを、マイは勇気づける。
「ええ、そうね。私は大丈夫よ。」
そう応えるマインだが、今度の敵はひとりではない。三人だ。
不安要素は増えている。でも、マイとふたりなら、切り抜けられる気はする。
ふたりは、小惑星帯にさしかかる。
これをぬければ、決戦の地だ。
「マイン、景気づけに飛ばすわよ!」
マイは、アクセル全開で小惑星帯に突っ込む。
「分かったわ!」
マインもアクセル全開で、後に続く。
本来なら、止めるべきこの行為。
だが今回のこの行為は、ふたりの呼吸を合わせるための、最終調整。
伴機を二機従えたマイとマインの機体が小惑星帯を駆け抜ける。
直後、背後の小惑星に、レーザー光線が炸裂、爆散する。
速度を上げていなければ、マイの機体を貫いていた。
「嘘?レーダーに反応ないけれど、どこから撃ってきたの?」
マイはサポートAIのアイに問いかける。
「レーザーの拡散率から逆算して、かなり近距離です!」
そこへ、第二波のレーザー光線!
マイとマインは速度を落とし、ふたりの機体を近接させる。
シールドバリアを展開、レーザー光線の直撃を免れる。
「どうする、マイ。一度会戦したんだから、勝負は成立。
このまま帰ってもいいんだけど。」
マインはそう提言する。
と言っても、マイン本人にも、そんな気持ちはない。
「冗談。こんな所で、引き下がる気なんてないんでしょ。」
マイも、マインの気持ちなどお見通しだ。
マインも、バカな事言ったなぁと、少しおかしな気持ちになるが、すぐに気を取り直す。
「マイ、レーダーを分担するわよ。私が亜空間レーダー担当するわ。」
「分かった。僕は時空間レーダーだね。」
対ゴンゴル三姉妹戦において、複数のレーダーの同時使用は危険だ。
以前のマインの敗北を踏まえ、対抗出来るよう設計し直されてはいる。
だが、複数のレーダーの同時使用は控えた方がいいだろう。
ふたりいるなら、分担するべきだ。
「ふふふふ。」
マイの機体の外部集音装置が、笑い声を捉える。
マイは外部通信機のスイッチを入れる。
この時代の戦闘では、敵同士で通信するのは日常茶飯事だ。
どっちが勝った事にするか、話しあうのである。
くだらない理由での戦闘が多発し、兵士達も命をかけて戦う気にはなれないのだ。
もっとも、この話しあいは、決裂する事の方が多い。
「ふふふふ。」
マイの機体の通信機が拾ったその音声は、通信機で繋がっているマインの機体にも届く。
「ちょっと、外部通信機のスイッチ入れちゃったの?」
「え、ダメだった?」
マイは、この行為の迂闊さに気づいていない。
「ダメでしょ、相手はゴンゴル三姉妹よ。」
そう、ゴンゴル三姉妹は相手のレーダーや通信を逆流して、相手の機体を爆破したり、機体の制御を奪う事が出来る。
もっともこれらの行為は、既に対策済みではある。どこまで有効かは分からないが。
「その声は、マインね。」
その言葉に、外部通信機のスイッチを切ろうとしたマイの手が止まる。
「お前は、メドー!」
マイの機体経由のその言葉に、マインも反応する。
「スイッチを切っても、もう遅いから、むしろ、切らない方がいい。」
アイの言葉が、マイだけに伝わる。
「ダメじゃない、マイン。ちゃんとお仲間さんに伝えておかないと。
私と対峙する時の基本でしょ?
対抗障壁搭載してるみたいだけど、この子はあと五分でこっちのものよ。」
「マイ、あと四分経ったら自爆して!」
メドーの五分という単語に、マインは思わず反応する。
「あーらあら、そんな事していいの?この子がこっちに来るのが早くなるだけよ?」
「なに?」
ここで、サポートAIのアイとミサが、それぞれのパートナーに同時にダウンロード。
ここら辺一帯、特殊な磁場を形成。脱出用システムの転移先が強制変更。自爆後の機体原子の帰巣先も、強制変更。
転移先は、レドリア合衆国!
「き!さまぁ!」
マインは前方にレーザー光線を発射する。
マイとメドーとの通信を逆探知すれば、メドーの居場所が分かる。
それがふたりの前方方向だった。
「やると思った。」
メドーはふたりの後方から、レーザー光線を発射する。
通信の方向は、途中に中継基地を経由させれば、ごまかす事は可能。
「やると思った。」
マイはマインがレーザー光線を発射すると同時に機体を180度反転させ、マインの機体の上に乗る。
メドーのレーザー光線発射と同時に、マインの機体を押しながら垂直降下。特殊弾頭のミサイルを発射。
ミサイルはメドーの機体に命中。
特殊弾頭に積まれていたのは、特殊なペイント弾。
ペイント自体は何も見えないが、特殊スコープを通す事で、ペイントが現れる。
「行くよ、マイン!」
「わかってるって!」
マイとマインは、前後方向に機体を急速発進!
そのままトライフォースを展開させ、メドーの機体を取り囲む。
特殊スコープのおかげで、メドーの機体の位置は丸分かり。
最早レーダーに頼る事もない。
メドーはステルス機能をフル活用するが、それも最早、なんの役にも立たない。
「なんなのよ!どうなってるのよ!」
堪らずメドーは叫ぶ。
「あなたは、負けるのよ!メドー!」
そう叫ぶと、マインは伴機二機とで一斉射撃しながら突っ込む。
マイも後に続く。
「私が、負ける?この私が?く!」
メドーはコックピットのコントロールパネルを叩く。
一瞬機体の制御が乱れる。そのおかげで、マイン達の猛攻をかわす事が出来た。
「私も、ひとりでは死なないわ、お前も道連れだ!」
メドーは、マイの機体制御の強奪を急ぐ。
が、強奪機能はいつのまにか、機能を停止させられていた。
擬似ブレイブの為のアンカーを打つ多次元空間。
ここは、全ての多次元空間の、一番深い多次元空間だった。
つまり、この多次元空間から他の浅い多次元空間への干渉が可能だった。
擬似ブレイブの多次元空間から、制御強奪機能に介入して、この強奪機能を破壊したのだ。
この戦闘中、サポートAI達が対処してくれてたのだ。
ゴンゴル三姉妹のステルス戦術は、シリウスアルファーシリーズには、もう通用しない!
「な、なんで?」
メドーにとっての、最後の希望が打ち砕かれた。
マイとマインの機体は、二機を結ぶ直線内に、メドーの機体を挟む。
そして、多次元空間にアンカーを同時に打つ。
メドーの機体は動きを止める。
この時代に召喚されたマイとマインは、ゴンゴル三姉妹との決戦の地、ぽんぽこ座のアルファ星域に向かっていた。
召喚されて間もないマイが、鉢巻のチップを外す。
これは、マイにとっては死と隣り合わせな行為だった。
それを知ってたはずのジョーを問いただすも、ジョーは無事に済んだから良かったじゃんの一点張りだった。
マイは自分を信じてくれたジョーに対して、胸の奥からあたたかい感情があふれてくるのを感じた。
しかし他の三人、マインとアイとミサは、ジョーに対する不信感が増すだけだった。
決戦の地は、まだ遠い。
ロングレンジワープだと、百光年から千光年までの間を、十光年単位でしかワープアウト出来ない。
ぽんぽこ座のアルファ星域の決戦の地は、二百二十五光年の距離だった。
つまり、ロングレンジのワープアウト後、五光年は通常移動となる。
ショートレンジのワープは可能だが、エネルギーの消費が激しく、その後の戦闘を考えると、現実的ではなかった。
「またここに戻ってきたのね。」
以前、ゴンゴル三姉妹のメドーと戦った場所。
マインはここでの戦闘を、思い出さずにはいられなかった。
戦闘といっても、一方的な負けだった。
「今度は僕もいるから、平気だよ。今度はふたりなんだし。」
少し気落ちした感じのマインを、マイは勇気づける。
「ええ、そうね。私は大丈夫よ。」
そう応えるマインだが、今度の敵はひとりではない。三人だ。
不安要素は増えている。でも、マイとふたりなら、切り抜けられる気はする。
ふたりは、小惑星帯にさしかかる。
これをぬければ、決戦の地だ。
「マイン、景気づけに飛ばすわよ!」
マイは、アクセル全開で小惑星帯に突っ込む。
「分かったわ!」
マインもアクセル全開で、後に続く。
本来なら、止めるべきこの行為。
だが今回のこの行為は、ふたりの呼吸を合わせるための、最終調整。
伴機を二機従えたマイとマインの機体が小惑星帯を駆け抜ける。
直後、背後の小惑星に、レーザー光線が炸裂、爆散する。
速度を上げていなければ、マイの機体を貫いていた。
「嘘?レーダーに反応ないけれど、どこから撃ってきたの?」
マイはサポートAIのアイに問いかける。
「レーザーの拡散率から逆算して、かなり近距離です!」
そこへ、第二波のレーザー光線!
マイとマインは速度を落とし、ふたりの機体を近接させる。
シールドバリアを展開、レーザー光線の直撃を免れる。
「どうする、マイ。一度会戦したんだから、勝負は成立。
このまま帰ってもいいんだけど。」
マインはそう提言する。
と言っても、マイン本人にも、そんな気持ちはない。
「冗談。こんな所で、引き下がる気なんてないんでしょ。」
マイも、マインの気持ちなどお見通しだ。
マインも、バカな事言ったなぁと、少しおかしな気持ちになるが、すぐに気を取り直す。
「マイ、レーダーを分担するわよ。私が亜空間レーダー担当するわ。」
「分かった。僕は時空間レーダーだね。」
対ゴンゴル三姉妹戦において、複数のレーダーの同時使用は危険だ。
以前のマインの敗北を踏まえ、対抗出来るよう設計し直されてはいる。
だが、複数のレーダーの同時使用は控えた方がいいだろう。
ふたりいるなら、分担するべきだ。
「ふふふふ。」
マイの機体の外部集音装置が、笑い声を捉える。
マイは外部通信機のスイッチを入れる。
この時代の戦闘では、敵同士で通信するのは日常茶飯事だ。
どっちが勝った事にするか、話しあうのである。
くだらない理由での戦闘が多発し、兵士達も命をかけて戦う気にはなれないのだ。
もっとも、この話しあいは、決裂する事の方が多い。
「ふふふふ。」
マイの機体の通信機が拾ったその音声は、通信機で繋がっているマインの機体にも届く。
「ちょっと、外部通信機のスイッチ入れちゃったの?」
「え、ダメだった?」
マイは、この行為の迂闊さに気づいていない。
「ダメでしょ、相手はゴンゴル三姉妹よ。」
そう、ゴンゴル三姉妹は相手のレーダーや通信を逆流して、相手の機体を爆破したり、機体の制御を奪う事が出来る。
もっともこれらの行為は、既に対策済みではある。どこまで有効かは分からないが。
「その声は、マインね。」
その言葉に、外部通信機のスイッチを切ろうとしたマイの手が止まる。
「お前は、メドー!」
マイの機体経由のその言葉に、マインも反応する。
「スイッチを切っても、もう遅いから、むしろ、切らない方がいい。」
アイの言葉が、マイだけに伝わる。
「ダメじゃない、マイン。ちゃんとお仲間さんに伝えておかないと。
私と対峙する時の基本でしょ?
対抗障壁搭載してるみたいだけど、この子はあと五分でこっちのものよ。」
「マイ、あと四分経ったら自爆して!」
メドーの五分という単語に、マインは思わず反応する。
「あーらあら、そんな事していいの?この子がこっちに来るのが早くなるだけよ?」
「なに?」
ここで、サポートAIのアイとミサが、それぞれのパートナーに同時にダウンロード。
ここら辺一帯、特殊な磁場を形成。脱出用システムの転移先が強制変更。自爆後の機体原子の帰巣先も、強制変更。
転移先は、レドリア合衆国!
「き!さまぁ!」
マインは前方にレーザー光線を発射する。
マイとメドーとの通信を逆探知すれば、メドーの居場所が分かる。
それがふたりの前方方向だった。
「やると思った。」
メドーはふたりの後方から、レーザー光線を発射する。
通信の方向は、途中に中継基地を経由させれば、ごまかす事は可能。
「やると思った。」
マイはマインがレーザー光線を発射すると同時に機体を180度反転させ、マインの機体の上に乗る。
メドーのレーザー光線発射と同時に、マインの機体を押しながら垂直降下。特殊弾頭のミサイルを発射。
ミサイルはメドーの機体に命中。
特殊弾頭に積まれていたのは、特殊なペイント弾。
ペイント自体は何も見えないが、特殊スコープを通す事で、ペイントが現れる。
「行くよ、マイン!」
「わかってるって!」
マイとマインは、前後方向に機体を急速発進!
そのままトライフォースを展開させ、メドーの機体を取り囲む。
特殊スコープのおかげで、メドーの機体の位置は丸分かり。
最早レーダーに頼る事もない。
メドーはステルス機能をフル活用するが、それも最早、なんの役にも立たない。
「なんなのよ!どうなってるのよ!」
堪らずメドーは叫ぶ。
「あなたは、負けるのよ!メドー!」
そう叫ぶと、マインは伴機二機とで一斉射撃しながら突っ込む。
マイも後に続く。
「私が、負ける?この私が?く!」
メドーはコックピットのコントロールパネルを叩く。
一瞬機体の制御が乱れる。そのおかげで、マイン達の猛攻をかわす事が出来た。
「私も、ひとりでは死なないわ、お前も道連れだ!」
メドーは、マイの機体制御の強奪を急ぐ。
が、強奪機能はいつのまにか、機能を停止させられていた。
擬似ブレイブの為のアンカーを打つ多次元空間。
ここは、全ての多次元空間の、一番深い多次元空間だった。
つまり、この多次元空間から他の浅い多次元空間への干渉が可能だった。
擬似ブレイブの多次元空間から、制御強奪機能に介入して、この強奪機能を破壊したのだ。
この戦闘中、サポートAI達が対処してくれてたのだ。
ゴンゴル三姉妹のステルス戦術は、シリウスアルファーシリーズには、もう通用しない!
「な、なんで?」
メドーにとっての、最後の希望が打ち砕かれた。
マイとマインの機体は、二機を結ぶ直線内に、メドーの機体を挟む。
そして、多次元空間にアンカーを同時に打つ。
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