未来世界に戦争する為に召喚されました

あさぼらけex

文字の大きさ
52 / 215
惑星ファンタジー迷走編

第52話 行こう、南の森へ!

しおりを挟む
 これは西暦9980年のはるか未来のお話。
 行方不明になったケイを探しに、惑星ドルフレアの地に降り立ったマイ達三人。
 ここで出会ったローラスは、ケイにつながるかもしれない手がかりを知っていた。
 千年前のかげろうおケイの伝承。
 それを確かめるため、おケイの剣を隠した場所に行こうという事になった。
 だがその前に、マイ達の身分証明が必要となり、冒険者ギルドに向かう。
 そこでマイ達は、ドラゴン退治を依頼されてしまう。
 って、今度はドラゴンって、どうすんの、これ。
 この作品のジャンルは宇宙SFでしょ?
 ジャンル変わっちゃうよね?
 SF要素皆無じゃん。
 あ、ドラゴンって宇宙怪獣なの?
 身体が金ピカで、首が三つあるんだよね?
 これなら宇宙要素あるから、ぎり行けるよね?
 え、ドラゴンって緑色してんの?
 この前冒険者のドルクがドラゴンの右脚に傷を負わせるのが精一杯で、逃げ帰ってきたって?
 これは、あかんかもしれない。


「ドラゴン退治でございますか。」
 冒険者ギルドから戻ったマイ達から出た言葉に、執事のセバスは驚く。
「そのような時間的余裕は、ございませんが。」
 セバスは困惑して、ローラスに視線を送る。
「仕方ありません。ちゃちゃっと済ませましょう。
 それで、ドラゴンはどこに居るのです?」
「南の森に住みついたみたいです。」
 マイのその答えに、ローラスとセバスは驚く。

「南の森って、おケイの剣を隠した場所ですよ?」
「そこにドラゴンが住みついたとは、なるほど。
 これはなんとかしないと、いけませんな。」
 ローラスとセバスは、顔を見あわせる。
「まるで、おケイの剣を護ってるみたいだわ。」
 ローラスは何かを感じとる。
「これを退治だなんて、他に方法はないのかしら。」
 ローラスのこの言葉に、マイ達は安心する。
 冒険者ギルドの連中とは、ローラス達は違う。
「きっと、話せば分かってもらえるよ。」
 マイはローラスに、そう言った。

 一台の馬車が、南の森を目指す。
 馬車には、マイとユアとメドーラ、そしてローラスとセバスが乗っている。
「追われてるわね。」
 しばらく走った所で、ユアが呟いた。
「バッドメアの連中ですか?」
 ローラスが聞き返す。
「いいえ、ギルドの冒険者のようですですが、なるほど、昨日の盗賊風情も混じっておりますわ。」
 ローラスの問いに、メドーラが答える。
 ユアとメドーラは歴戦の戦士。この星の集合意思であるイデのちからを借りれば、これくらいの敵探知は、楽勝だった。
 でも、戦士としての日の浅いマイには、無理だぞ。

「なんでギルドの冒険者が追って来るのかしら?」
 ローラスは疑問に思うが、マイ達には心当たりがあった。
「おおかた、ドラゴンとの会話を邪魔しにきたのでしょう。」
 マイはそう答えるのだが、ローラスは納得いかない。
「何故ですか?おケイの剣の事で私達が行けば、ドラゴンは分かってくれるはずではないですか。」
 ローラスのその言葉に、マイ達三人は同意だ。だが、ギルドの冒険者達は、そう思ってない。
「あくまでも、ドラゴンを退治したいみたいだからね。
 きっとドラゴンにちょっかい出して、僕達に退治させるつもりなんだよ。」
 マイのその言葉に、ローラスは絶句。

「どのみち、連中の足止めが必要ね。」
 ユアはソウルブレイドの剣をてにして、馬車の扉を開こうとする。
 しかしその行動を、メドーラが止める。
「ユアお姉さま、これは私の方が適任ですわ。」
「そうなのか?」
 メドーラの言葉に、ユアは少し考える。
 剣技の戦いなら、この中ではユアが一番だ。
 それなのに、メドーラの方が適任だと言う。
 おそらく、メドーラには何か考えがあるのだろう。
「分かったわ、メドーラ。後は頼むわね。」
「はい、ユアお姉さま。それでは、行ってまいります。」
 メドーラは走る馬車から、飛び降りた。

 馬車を降りたメドーラは、追手の数を探ぐる。
 追手は全部で騎馬十騎、うち二騎は昨日の盗賊風情だ。
 メドーラはお着替えステッキを振るい、旅のお嬢さま風の衣装から、戦闘用のボディスーツに着替える。
 そして、しゃがんで両手を地面につける。
「メドーラ、マナを使うのですか、おやめなさい。」
 ここで、額のチップを通したアイツウからの通信が入る。
 メドーラはマナを使いすぎると、昔のゴンゴル三姉妹のメドーに戻ってしまう。
 それを防ぐには、マナの使用を禁じるしかなかった。
「大丈夫ですわ。因果関係が分かった今、そう簡単に取り込まれたり、いたしませんわ。
 それに、この程度のマナなら、問題ありませんわ。」
「そのようですね。」
 アイツウもメドーラの言い分を理解する。
「でも、充分注意して下さいね。」
「大丈夫よ、心配しないで。」
 メドーラが地面にマナを注ぐと、地面から五体の泥人形が生まれた。

 五体の泥人形は、追手の十人を迎え撃つ!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

Re:コード・ブレイカー ~落ちこぼれと嘲られた少年、世界最強の異能で全てをねじ伏せる~

たまごころ
ファンタジー
高校生・篠宮レンは、異能が当然の時代に“無能”として蔑まれていた。 だがある日、封印された最古の力【再構築(Rewrite)】が覚醒。 世界の理(コード)を上書きする力を手に入れた彼は、かつて自分を見下した者たちに逆襲し、隠された古代組織と激突していく。 「最弱」から「神域」へ――現代異能バトル成り上がり譚が幕を開ける。

ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中

あ、まん。@田中子樹
ファンタジー
仕事一筋40年。 結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。 定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。 だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。 唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。 化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。 彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。 現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。 これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

異世界帰りの俺、現代日本にダンジョンが出現したので異世界経験を売ったり配信してみます

内田ヨシキ
ファンタジー
「あの魔物の倒し方なら、30万円で売るよ!」  ――これは、現代日本にダンジョンが出現して間もない頃の物語。  カクヨムにて先行連載中です! (https://kakuyomu.jp/works/16818023211703153243)  異世界で名を馳せた英雄「一条 拓斗(いちじょう たくと)」は、現代日本に帰還したはいいが、異世界で鍛えた魔力も身体能力も失われていた。  残ったのは魔物退治の経験や、魔法に関する知識、異世界言語能力など現代日本で役に立たないものばかり。  一般人として生活するようになった拓斗だったが、持てる能力を一切活かせない日々は苦痛だった。  そんな折、現代日本に迷宮と魔物が出現。それらは拓斗が異世界で散々見てきたものだった。  そして3年後、ついに迷宮で活動する国家資格を手にした拓斗は、安定も平穏も捨てて、自分のすべてを活かせるはずの迷宮へ赴く。  異世界人「フィリア」との出会いをきっかけに、拓斗は自分の異世界経験が、他の初心者同然の冒険者にとって非常に有益なものであると気づく。  やがて拓斗はフィリアと共に、魔物の倒し方や、迷宮探索のコツ、魔法の使い方などを、時に直接売り、時に動画配信してお金に変えていく。  さらには迷宮探索に有用なアイテムや、冒険者の能力を可視化する「ステータスカード」を発明する。  そんな彼らの活動は、ダンジョン黎明期の日本において重要なものとなっていき、公的機関に発展していく――。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

処理中です...