未来世界に戦争する為に召喚されました

あさぼらけex

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異次元からの侵略者

第83話 真紅の衝撃再び!

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 これは西暦9980年のはるか未来のお話。
 この時代に召喚されたマイは、行方不明になった仲間の召喚者の捜索の任務についた。
 時同じくして、北部戦線では激しい激戦が繰り広げられていた。
 戻ったマイ達を待っていたのは、北部戦線で傷ついたリムとマインだった。
 特にマインは、召喚状態を維持出来ないほどに傷ついていた。
 だが、シリウス構想の為、シリウスアルファーシリーズの機体に乗るマインは、召喚されたままでないと、いけなかった。
 召喚状態を維持出来ない魂は、元の時代に戻る。
 その後の再召喚には、魂が耐えられない。
 そのため、マインの魂は、この時代に留める必要があった。


 メディカルルームを後にしたマイ達一行。
「僕がいても、役にたたなかったのかな。」
 メディカルルームで見たマインの惨状と、ミサの言葉。
 マイも無念な気持ちになる。
「マイお姉さま、悔やんでも仕方ありません。
 マイお姉さまは、ケイお姉さまとの約束を、破る事が出来ましたか?」
 メドーラは、マインの事で思い悩むマイに、少し腹が立ってきた。
 マイン達が北部戦線で戦ってた頃、マイ達は遊んでたわけではない。
 ケイ捜索任務についていたのだ。
 それを投げ出す事が、出来ただろうか?
 ケイからの頼まれ事を、無視する事が出来ただろうか?

「ごめん、メドーラ。その通りだね。」
 マイも、メドーラの言う事はよく分かってた。
 分かっていても、自分も北部戦線に参戦してたならと、思わずにはいられなかった。
「僕達は、過ぎた事より、これからやるべき事を、考えなくちゃね。」
「その通りですわ、マイお姉さま。」

「マイー。」
 メディカルルームから自分の部屋へと向かうマイ達一行に、ユアが駆け寄ってくる。
 ユアの後ろには、パートナーであるサポートAIのユウが続く。
「ユア、どうしたの?」
「ちょっと特訓につきあってほしいんだ。」
 マイの問いかけに、そう答えるユア。
 ふと、マイには疑問が生じた。
「ユア、ライブツアーはどうしたの?」

 ユアは、ソウルブレイドによる剣戟戦に特化した召喚者だ。
 ソウルブレイド戦は、一種の格闘技みたいな物で、エキシビジョンマッチが主流だった。
 つまり、戦争するために召喚されたのに、格闘技の試合ばかりしていた。
 ソウルブレイド戦で人気の出たユアは、パートナーのサポートAIのユウとともに、歌手デビューしてしまった。
 そして全宇宙を股にかけたライブツアーが開催された。

「そんなの、中止よ。こんな状況じゃね。」
 北部戦線での激戦により、ユアのライブツアーは中止になった。
 ユアも、戦闘のために召喚された召喚者だ。
 歌手活動よりも、戦闘の方が優先される。
「それより、ケイの事は残念だったね。」
 ユアも、ケイ捜索任務の事を振り返る。
 ユアはライブツアーのため、ケイの捜索には最初の少ししか携われなかった。
 そしてケイ捜索の顛末は、パートナーのサポートAIを通してユアにも伝わっていた。
 だが、千年前のケイの行動については、伝わっていない。
 この話しを聞いた時、マイ達ははちまきを外していたからだ。
 はちまきを外した状態では、サポートAIとの連絡は取れなかった。
 だが、サポートAIはパートナーの召喚者の記憶を探る事が出来る。
 アイ達がその気になれば、千年前のケイの事を、探る事が出来る。
 だけどアイとアイツウは、あえてそれをしなかった。
 ミイの意思を尊重したかったのだ。
 ミイは、ケイのパートナーのサポートAIである。
 今はケイの行方不明になった惑星で、ケイが移住した多次元空間へと向かっている。

 アイとユウは仲が悪い。
 しかしそれは、ユウが一方的にアイを嫌ってるだけで、アイはそうでもなかった。
 ただ、苦手意識があるだけだった。

 ライブツアーがなければ、ユアもケイの捜索を続けていただろう。
 ユアがいても、ケイの捜索の結果は変わらなかった。
 でもユアは、マイ達と行動をともに出来なかった事を、悔やんでいた。

 北部戦線。
 これからマイとメドーラも、そこに参戦する。
 何の情報もなかったマイン達の時に比べ、今度は少なからず情報はある。
 これで何とかしようと、メドーラは考えを巡らせていた。
 そんなメドーラが、悔やんでばかりのマイに、少し腹を立てるのも無理もなかった。
 そして、ユアも参戦する。
 だがユアは、剣戟戦に特化した召喚者であり、戦闘機による戦闘は苦手だ。
 新人であるマイにも、負けるほどである。
 つまり、普通の戦闘機では、参戦しても意味がない。
 ユアの参戦には、工夫が必要だった。

 そのための特訓である。
 宇宙ステーションを三機の戦闘機が飛び立つ。
 少し離れた演習場へと向かう。
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