未来世界に戦争する為に召喚されました

あさぼらけex

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異次元からの侵略者

第145話 本編とは関係無い所にも、物語はある

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 これは西暦9980年のはるか未来のお話し。
 北部戦線の激戦の原因は、神武七龍神のブルードラゴンの怒りの爆発だった。
 そのブルードラゴンを説得しようと、マイ達が動き出す。
 この衛星基地ソゴムが破壊される前に、残った住民を避難させようと、ケイネシアが走った。
 再開された戦闘に、マザーコンピュータミイを手助けしようと、もうひとりのケイネシアも走る。
 そして、ブルードラゴンに会いに行くため、マイ達は戦闘機を発進させる。


 今のマイ達は、サポートAI達とはつながっていない。
 それは、立体映像の投影が出来ない事を意味する。
 召喚者の思考を読み取ったサポートAIが、その設計図をおこす。
 それを元に、立体映像は投影される。
 召喚者の思考が読み取れない今、出来る訳がなかった。
 そしてそれは、伴機の投影も不可能という事だった。

 三身一体のトライフォースに必要な、伴機の投影が出来ない。
 だけど伴機は無くても、今ここには、三機の機体がある。
 マイの機体、シリウスアルファーワン。
 ユアの機体、シリウスベータスリー。
 そしてメドーラの機体、シリウスベータファイブ。
 この三機で、トライフォースを形成しなくてはならなかった。
 三人の心を合わせなければ、トライフォースは出来ない。

 そりゃあ、個々に不安はある。
 メドーラは、ゴンゴル三姉妹時代には、三姉妹でトライフォースを形成していた。
 だけど、他の人との形成は、した事はない。
 ユアは、ソウルブレイドの戦いばかりで、戦闘機経験はほとんどない。
 そしてマイは、召喚されてから、まだ145話しか経っていないのだ。

 だけど、この物語の大半を一緒に過ごしたこの三人なら、大丈夫だろう。
 惑星ドルフレア編での40話、その後の北部戦線編は、すでに60話を越えている。
 お互いの気心が知れるには、充分な時間だろう。

「行くよ、ふたりとも。」
 マイの声に、残りのふたりが答える。
「いつでもよろしくてよ、マイお姉さま。」
「私も、いつでも行けるよ。」

 ふたりの返答に、マイはうなずく。
「じゃあ、行くよ。トライフォース展開!」
 先頭を飛ぶマイの機体の斜め後ろに、ユアとメドーラの機体が続く。
 正三角形の陣形を組んで飛ぶ三体の機体は、その陣形ごと光に包まれる。
「超空間、突入!」
 三体の機体は、この次元空間から姿を消した。
 ブルードラゴンの居る超高次元空間を目指して、超空間飛行に移ったのだ。

 マイには、この超空間に見覚えがあった。
 ここは以前、青い龍に会った場所。
 そしてそのまま、7500億光年彼方へ飛ばされた場所。
「ふたりとも、気をつけて!」
 思い出したマイは叫ぶが、ふたりの機体は見当たらない。
 この超空間で、はぐれてしまった。

 ユアは今、過去のトラウマの中にいた。
 それは、召喚される前の世界。
 寝坊したユアがはね起きる所から、その物語は始まる。
 ここでユアの過去話編に突入するのだが、こんな所で二話分も使ってなんか、いられない。
 ユアが過去に体験した事とは違い、さらに悲劇に陥った時、マイが救いに現れる。
 マイと共に、ユアは過去のトラウマを清算して、戻ってきた。

 この話しは、これがアニメ化した時に、監督さんが感動する話しに仕上げてくれるだろう。
 しかし、ここでは本筋から離れる話しは、したくない。
 読書のみんなも、早くブルードラゴンに会いたいだろう。
 これを書いてる私だってそうだ。
 だから、ここではユアの過去話には触れない。
 けっして、考えるのが面倒だとかでは、けっしてない。

 メドーラも今、過去のトラウマの中にいた。
 それは召喚される前、ステーノの叱責から始まる。
 ゴンゴル三姉妹のステーノ、エアレー、そしてメドーの三人は、召喚される前から三姉妹だった。
 メドーは落ち込んでいた。
 それをステーノが励ます構図なのだが、ステーノの性格上、怒ってるようにしか見えなかった。
 この地の実力者、デウシの娘、ワテサ。
 このワテサが自分の美しさを自慢してたのだが、誰かが言った。
 メドーの方が美しいと。
 ここから、ワテサの嫌がらせが始まった。

 この話しを五話くらい使ってやるべきなのだろうが、それに割く話数はない。
 つか、五話も引っ張れるか?三話が限界な気もするぞ。
 過去の現実とは違い、ステーノとエアレーもメドーを責め始めた時、マイが助けに現れた。
 ここら辺の話しも、これがアニメ化した時に、監督さんが感動する話しに仕上げてくれるだろう。
 今の話しの本筋とは関係ないので、ここでは割愛する。
 けっして考えるのが面倒だとか、そんな事ではない。
 本筋と関係あるなら、いくらでも寄り道しよう。
 だけどこの物語はマイが主人公であり、マイを中心にした物語である。
 ユアとメドーラの過去話は、この物語には何の影響もない。

 そしてマイの過去のトラウマの話しだが、過去の記憶が曖昧なマイに、そんな過去話は無かった。


「ふたりとも、しっかりして!」
 超空間の時空の彼方に消えていた、ユアとメドーラの機体が、徐々にその姿を現した。
 そんなふたりに、マイは声をかけ続ける。

「ここは、どこだ?」
 ユアはまだ過去のトラウマ話しから覚めきってはいなかった。
 自分の置かれてる状況に気がつくまで、少し時間がかかりそうだ。

「マイお姉さま。また私は、マイお姉さまに助けてもらいましたね。」
 メドーラはすぐに現実に戻る。
 メドーラが過去のトラウマから、マイに助けてもらったのは、これが初めてではなかったから。
「良かった。メドーラは戻ってきてくれた。」
 マイはメドーラの帰還を喜ぶ。
 後は、ユアだけだ。

「ユア、しっかりして!」
「ユアお姉さま!」
 マイとメドーラは、ユアに呼びかける。
 だけどユアの反応はない。
 再びユアの機体が、超空間のうねりに消えかかる。

 ここから、ユアの過去話そのニに突入する。
 だが、マイとメドーラは、消え入るユアの機体の下に潜り、ユアの機体を押し戻す。
 その衝撃に、ユアも我にかえる。

「なに?」
 戦闘機の激しい揺れに、ユアは正気を取り戻す。
 操縦桿をしっかり握りしめるが、揺れはおさまらない。
 この揺れは、気流の乱れとかではないと、ユアは感じる。
 物理的に何かが、機体に体当たりしてる様な、そんな感覚だった。
 実際、マイとメドーラが、下から突き上げている。

「な、何やってんの、ふたりとも。」
 ふたりの奇行に驚くユア。
 それは、ユアが正気に戻った証でもある。
「良かった、ユア。」
「心配させないで下さい、ユアお姉さま。」

 ふたりの言葉で、ユアも事の次第を悟る。
「そっか、私はふたりに助けられたんだ。」
 マイとメドーラの機体は、トライフォースの正三角形の陣形の定位置へと戻る。
「ありがとう、ふたりとも。」
 そんなふたりの背中に、ユアは礼を言う。

 そして三機の機体はたどり着く。
 次元を超越した、はるかかなたの高次元。
 そう、神武七龍神ブルードラゴンがいる、超高次元空間に。
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