上 下
21 / 59

第18話 神様の奇跡?

しおりを挟む


こっちの世界に来て、初めての男料理を作ってみる。

元の世界では、1人暮らしが長かったので、
簡単だけど手料理は、自分で作っていた。

食材から料理を作るってのは、とっても難しいけど、
元の世界では、何でも簡単に作れたよね、
調味料があり、出来上がったソースや、茹でるだけの麺、
袋から取り出せば、食べられる品物、楽で早くて簡単。

そして現在、料理作りは困難を極めるだろう。

リスに襲われて、何か食わせろって、言われてるけど、
正直言って、何を作って良いのか、さっぱり思いつかない。

取り敢えずは、荷台の食料を漁った時に、鶏肉を見つけていた。
他に何か使える物はないか、探している最中だ。

ゴソゴソ・ゴソゴソ・ゴソゴソ。

荷台で、発見したのは。
タマゴ・トマトぽい野菜・ハーブ見たいなの葉っぱ。
タマネギぽい野菜・ニンニクぽい野菜・油・塩。

これで、作れる物は何かな?

フライパンに鍋と器を、探しておこう
後は、木のお玉に木のヘラ、包丁に菜箸、
サラダボール的な、入れ物もないかな?



......................................................




石で鍋を置く台を、皆に作ってもらった。
その間に、オレは下準備だ。

まずは、鍋にタマゴと水を入れて、石の台が出来たら、
火にかけて貰う様に、皆に頼んだ。

鍋を置く台は、全部で三箇所作った。

一つ目は、ゆで卵を作ってる鍋だ。
{担当は、レッチャット}

二つ目は、フライパンで、鶏肉とタマネギぽい野菜と、
ニンニクぽい物を、色が変わるまで、炒めていている。
{担当は、ハラマ}

三つ目は、油を入れた後に、潰したトマトぽいのを入れた後に、
水を少量入れて、煮詰めている。
その間に、塩とハーブぽ葉を入れての、味付けをした。
{担当は、オレです}

おやっさんは、リスが暴れないように、押さえて貰っている。
木の実を、少量に分けて、リスに食べさせていた。




......................................................




よし! 肉が焼き上がったので、トマトぽい物を煮詰めている、
鍋に入れて貰った。
油も具も全部を、鍋の中に入れて、弱火で煮込んでます。

そろそろ、ゆで卵も出来上がったかな?

レッチャットさん!
ゆで卵の鍋のお湯を、捨てて卵のからいてもらえますか?

「は~い!アッ!」
気をつけて下さいね。

まずは、お湯を捨てたら、鍋に水を入れてから、
タマゴを取り出して下さいね。
そうすれば、火傷をしないし、水に付けたままの状態のタマゴを、
剝く事も出来ますので、非常に簡単ですよ。

「そうなのですね。」
「普段は、料理とかしないので、知りませんでした。」
(にっこりと笑顔を、レチャットに向けた。)

ゆで卵の殻剝きも、終ったので、
トマトぽい物が、煮詰まってる鍋に、全部入れた。

{それから10分後。}

リスさん、料理が出来ましたよ。
口に合えば良いんだけどね。

『はやくちょうだい』

どうぞ召し上がれ。

せっかくなので、鍋に残ってる(鶏肉とタマゴのトマト煮)を皆で食べてみた。
後は、パンも荷台から取り出しました。

『おいしい!おいしよ!』
≪おいしいね。・おいしです。・うまいな。≫
(オレ的には、もう少し味が濃い方が、好みではある。)

口に合って、よかった。
後は、リスくんの名前を決めるだけだね。

『きぃ~~~きぃ~~~~~』

{リスが、大きな声で、叫びだした。}
{そうすると、近くに居たのか、直ぐに姿を現した。}

えっ?此れは何ですか?
{囲まれるおれ達。}

リス君のお友達かな?

『みんな家族』
『みんなお腹すかしてる』
そうなんだね・・・

『みんなにも食べさせたい』
ちょっと待ってね・・・

{数を調べてみたら、全部で10匹も居たよ。}

大家族なのね。
『これ皆かぞく』

{取り合えず、また同じ料理を作って、リスの大家族に食べさせた。}

ぜぇぜぇぜぇ~疲れた。

『ありがとう』
『俺達もう何日も食べてなかった』
そうだったのか?

困った時は、お互い様だ。
『なまえを付くて欲しい』

そうだな・・・ガヤルド大陸とリス・・・
ガヤリス?いや、リスガヤ?
んっ・・・何か違うな・・・

あっ!リスルド。
キミの名前は、今日からリスルドだよ。
『りするど?俺のなまえ?』

そうだよ!キミの名前は、リスルドだ。
『りするど!名前をもらった』

≪わたしの名前も欲しい、ボクも名前が欲しい、わたしも、≫
(うお~全部の名前を付ける、羽目になるのか?)

キミはオスかな?メスかな?
『めすです』
キミの名前は、ガヤリスに決めた。

キミは、ガルリス。キミは、ルドリス。キミは、リスガヤ
リスヤル・リスド・リスガ・リスル・ヤリス・・・

ふっ~10匹全員に、名前を付け終わった。
≪ありがとうございます≫

『あなたのお名前を教えてほしい』

オレの名前かい?オレは秋月蓮!
愛称は、つきれん!

アヴェンタドール辺境伯の配下で、
準男爵位を拝命してる、神族の者だよ。

『神族だったのですね』
『ごぶれいを働いて申し訳ないです』
≪お父さんを怒らないで・お父さんを助けてください≫

{ガヤリスの子供に助命を頼まれたけど。}
{オレは、何もする気は無いんだからね。}
{勘違いしないでよ!オレは悪者ではない。}

大丈夫!大丈夫!
お父さんには、何も罰は与えないからね。
困った時は、神族でも魔者でも、助け合わないとね。

≪つきれん様は神様だ≫
(オレって、一様は神様なんですけど・・・)

あは・・・あはははは・・・
(愛想笑いで、この場は誤魔化しておく。)

『つきれん様』
『わが一族全員で、貴方様に忠誠をちかいます』
(んっ?カタコトだったのが、滑らかに喋りだしたぞ?)

喋りが、カタコトだったのに、滑らかに喋れるようになったね?
『本当ですね?』

≪料理を食べたら、喋りやすくなった。≫

えっ?なして?

{おやっさんが会話に乱入}
「神の奇跡じゃわい」

(あっそれで片付けるのね。)
(オレも、そのノリに乗っておこう。)

神を信じる者には、奇跡が起きるのです。
(大司教風に演説してみた。)


しおりを挟む

処理中です...