一六銀行の鵜飼くん

芝桜 のの

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暑い日11

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私は心の底からケタケタ笑った。何だろう久しぶりにTV観てる以外で笑った気がする。
まさか、この私と10才以上歳が離れている鵜飼くんをくっつけようと思う人がいるなんて。
ああ、可笑しい。
「そんな笑える?」
ちょっとムッとしている笠原に「ごめんごめん」と謝り、笑いを納めた。
「笠原さんはいい人なんだね」
胡散臭いって思っててごめんなさい。認識を改めなくっちゃ
「笠原さんに協力したいとこだけど、あそこの経理のお姉さんとは電話でしか話をしない仲なのよ。機会があれば笠原さんを薦めておくわ。」
笠原はスポーツマンで爽やかな良い人。と言うとかなり盛り過ぎな気もするけど、まあ、良い人なのは確かだ。
橋渡しの確証もない人を食事に誘ったりして、強かさがないと言うか、詰めが甘いと言うか
まあまあ、気には止めとくけど期待しないで。
私は橋渡しとか苦手なのだ。
余計な事をして、若者達の恋路の邪魔はしたくないから。
丁重にお断りして、笠原との食事会は微妙な感じで終わった。
なんら、笠原にメリットはなかったけど大丈夫だったのかね?
笠原と別れたあと、怪獣達が帰ったであろう時間を見計らって帰路についた。
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