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第7話
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あれから意識が再び戻り、目覚めた時には柊羽はいなくなっていた。
この部屋が城のどの場所なのか、全く見当もつかない俺は、しばらく考えた末とりあえず部屋を出ようと思った。
それから少し歩き回ると上の階に続く階段を見つけ、そこを登り切ったあたりに表門に続く扉を見つけ出し運良く外に出れたのだが、城を出るまでにある違和感を覚えた。
そんな違和感を抱きつつも帰る手段を思い倦ねていた所に、タイミング良くスマホが震えだした。
『雅楽川さん!?よかった!やっと繋がった!めちゃくちゃ心配したんですよ!どこにいるんですか!』
「あ、ごめんな。色々よくわかんないんだけど今古城出た山道をとぼとぼ歩いてる」
『はぁ?!古城?!今から迎えに行くんでそこにいてください!絶対に動いちゃダメですよ!』
すごい剣幕の桜庭に小学生のような扱いをされ、やれやれとスマホを切ってポケットに仕舞おうとした時、手に何かが触れた。
そしてそれを取り出すと……一本の黒い羽根だった。
黒い羽根……
やっぱりアイツが……
そうなのだろうか……
*
「で?俺が意識を失ったと同時に怪盗BLACKCROWが現れたってことか」
「そうです。実際にはブレーカーを落とされてしてしまってすぐ暗くなってしまったから姿はまたしても謎のままでしたけど」
それから明かりがつく数分間の事を桜庭が詳しく教えてくれたのだけど、結局、怪盗BLACKCROWは捕らえ損ねてしまったのだと。
だけど不正売買の摘発は成功したからよしとしようと言うことになったらしい。
「そしたら雅楽川さんが消えてしまって、死ぬほど心配したんですから」
「俺だって死ぬかと思ったよ」
「で、ヒートは治まったんですか?」
「まぁ、なんとか」
なんとなく桜庭には柊羽のことは話したくなくて、古城の当主に助けられたとだけ説明して、適当にはぐらかしてしまった。
「あとさ、誰だよ発砲したの。俺の許可なしに発砲したら始末書だって何回言ったらわかるんだ」
「すいません、俺です。緊急事態だったんですよ、あの時」
桜庭曰く、俺が意識を失いかけたその時暗くなった一瞬、何か得体の知れない気配を感じ、恐怖から引き金を引いてしまったらしい。
「で?一般人は巻き込まなかったのか?」
「大丈夫でした。本当にすいません、俺、気が動転してしまって」
「もしも、一般人に当たったらお前クビだぞ」
「……すいません」
結局、桜庭が発砲した銃弾はシャンデリアに命中したらしく、その下には運良く人がいなかったこともあり負傷者を出すことはなかったけど……
発砲の件も含め、俺がもっとしっかりしてたら……それこそヒートを起こさなかったらこんなことにはならなかった。
「……全部、俺の責任だ」
「雅楽川さんのせいじゃないです。俺が全部悪いんです……」
「とりあえず、もう絶対勝手に発砲するなよ」
「分かりました」
やっぱり、Ωだとこういう時に不利だ。
分かってはいるつもりだったけど、またこの前みたいなヒートが起きたらと思うと……
でも柊羽から飲まされたあの薬があればこの前みたいな強烈なヒートは抑えられる。
それに……
「桜庭、二、三日ちょっと休み貰っていいか?」
「え?大丈夫ですけど……体調悪いんですか?」
「いや、ちょっと確かめたいことがあるんだ」
すんなり会えるとも限らない。
でも、もう一度会って聞きたい。
どうしてそんな強力な薬を持っているのか……
どうして俺を助けたのか……
もしも、柊羽が奴らに関わっていたとしたら、何か手がかりが掴めるかもしれない。
そして、あの黒い羽根の意味も。
あんなあからさまなことをするにはきっと何か意味があるはずだ。
この部屋が城のどの場所なのか、全く見当もつかない俺は、しばらく考えた末とりあえず部屋を出ようと思った。
それから少し歩き回ると上の階に続く階段を見つけ、そこを登り切ったあたりに表門に続く扉を見つけ出し運良く外に出れたのだが、城を出るまでにある違和感を覚えた。
そんな違和感を抱きつつも帰る手段を思い倦ねていた所に、タイミング良くスマホが震えだした。
『雅楽川さん!?よかった!やっと繋がった!めちゃくちゃ心配したんですよ!どこにいるんですか!』
「あ、ごめんな。色々よくわかんないんだけど今古城出た山道をとぼとぼ歩いてる」
『はぁ?!古城?!今から迎えに行くんでそこにいてください!絶対に動いちゃダメですよ!』
すごい剣幕の桜庭に小学生のような扱いをされ、やれやれとスマホを切ってポケットに仕舞おうとした時、手に何かが触れた。
そしてそれを取り出すと……一本の黒い羽根だった。
黒い羽根……
やっぱりアイツが……
そうなのだろうか……
*
「で?俺が意識を失ったと同時に怪盗BLACKCROWが現れたってことか」
「そうです。実際にはブレーカーを落とされてしてしまってすぐ暗くなってしまったから姿はまたしても謎のままでしたけど」
それから明かりがつく数分間の事を桜庭が詳しく教えてくれたのだけど、結局、怪盗BLACKCROWは捕らえ損ねてしまったのだと。
だけど不正売買の摘発は成功したからよしとしようと言うことになったらしい。
「そしたら雅楽川さんが消えてしまって、死ぬほど心配したんですから」
「俺だって死ぬかと思ったよ」
「で、ヒートは治まったんですか?」
「まぁ、なんとか」
なんとなく桜庭には柊羽のことは話したくなくて、古城の当主に助けられたとだけ説明して、適当にはぐらかしてしまった。
「あとさ、誰だよ発砲したの。俺の許可なしに発砲したら始末書だって何回言ったらわかるんだ」
「すいません、俺です。緊急事態だったんですよ、あの時」
桜庭曰く、俺が意識を失いかけたその時暗くなった一瞬、何か得体の知れない気配を感じ、恐怖から引き金を引いてしまったらしい。
「で?一般人は巻き込まなかったのか?」
「大丈夫でした。本当にすいません、俺、気が動転してしまって」
「もしも、一般人に当たったらお前クビだぞ」
「……すいません」
結局、桜庭が発砲した銃弾はシャンデリアに命中したらしく、その下には運良く人がいなかったこともあり負傷者を出すことはなかったけど……
発砲の件も含め、俺がもっとしっかりしてたら……それこそヒートを起こさなかったらこんなことにはならなかった。
「……全部、俺の責任だ」
「雅楽川さんのせいじゃないです。俺が全部悪いんです……」
「とりあえず、もう絶対勝手に発砲するなよ」
「分かりました」
やっぱり、Ωだとこういう時に不利だ。
分かってはいるつもりだったけど、またこの前みたいなヒートが起きたらと思うと……
でも柊羽から飲まされたあの薬があればこの前みたいな強烈なヒートは抑えられる。
それに……
「桜庭、二、三日ちょっと休み貰っていいか?」
「え?大丈夫ですけど……体調悪いんですか?」
「いや、ちょっと確かめたいことがあるんだ」
すんなり会えるとも限らない。
でも、もう一度会って聞きたい。
どうしてそんな強力な薬を持っているのか……
どうして俺を助けたのか……
もしも、柊羽が奴らに関わっていたとしたら、何か手がかりが掴めるかもしれない。
そして、あの黒い羽根の意味も。
あんなあからさまなことをするにはきっと何か意味があるはずだ。
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