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ネムノキにサクラをたむけて
起きる10分前にアラームを付けて2度ねる
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「花色 ドキドキ 咲き誇る~きらめ、、」
無意識に、枕元に置いてあるスマホから大音量で鳴り続けこちらの睡眠を妨害し続ける忌々しいアラームを止める
「う~ん、うるさい、、、」
ベッドの中でもぞもぞと動く生き物は次第に呼吸が落ち着いていき小さく寝息をたてはじめる。
アラームをかけるということは起きなければいけない時間のはずだが、頭まで毛布をかぶって寝息をたてている
この生き物にはどうやらまだ起きる時間ではなく寝てて良い時間の認識らしい。雨戸までして完全に太陽の光
を入室禁止にしている部屋ではただ静かに埃が舞っていた。
「花色 ドキ、、、」
「タンッ」と先程まで静かに寝息をたてていたとわ思えない程の速さでスマホのアラーム止める。
「・・・」
二度目のアラームにもかかわらず、いまだ毛布からでずに5分程経っただろうかゆっくりと細い腕を伸ばしてスマホ
を手に取るぼやけたままスマホに出てきた時間に目を奪われる。
(7日月曜日9時45分)
「え、、」
一瞬で背中から汗が流れ出す、どうやら予定の時間は過ぎていたようだ。そもそもアラームが二度もなったという
のに起きなかったのが悪いのだが、少し毛布の中で慌てた後もう一度スマホに目をやる。
(6日日曜日9時45分)
「、、、、、、」
「、、、」
「う~~ん」
先程の時間が見間違えだったことによるからだろうかすっかり目が覚めたのだろう。ようやく頭までかぶって
いた毛布に別れをつげ、ゆっくりと起きあがる。名残惜しそうにしながらもベッドから出てきたのは小柄な女の子
だった。少女はゆっくりと立ち上がり窓を開け、
「ガラララッ」
と音をたてながら開いていく雨戸と同時に、いまかいまかと待ちくたびれていた暖かい光と風が真っ暗だった部屋を
明るく照らし出す。
「眩しっ、、」
ただポロリと口からでた言葉と少し不機嫌めいた顔をしながら陽の光から逃げるように部屋のドアから出て階段を
降りる。
「何で寝起き覚ましなんかに好きな曲を登録したんだろう?どうせ曲がなり始めると同時に消しちゃうのに」
洗面台で温めのお湯で軽く顔を洗いながし、ようやくスッキリした顔でリビングに出る。冷蔵庫から取り出した牛乳
をレンジで温める。
何気なく始まる今日という日に少女はただ安堵を思い出す。レンジから湯気が昇る程温められた牛乳に、また冷蔵庫
から取り出した、冷たいココアパウダーを振りかける。真っ白な液体が茶色に染まるまで、少女はゆっくりとかき混
ぜながら、ただ静かにお気に入りの大きなクッションに座る。
外にはただただ満開に咲き誇る桜の道がどこまでも続き、目の前に広がるピンク一色の世界、不意に吹く風に舞う桜
の花びらが踊るように舞い上がっていく。
「おはよ」
まるで目の前の全てに挨拶を交わすように、そしてそれに答えるように暖かい風に桜が静かに揺れ、部屋と少女全て
を暖かく光が包み込む。
「う~っし!せっかくだしもっかい寝よ」
結局一度もきがえることなく、飲み干したココアを台所に置き、またのんびりと階段を上り毛布に抱き着く。
眩しい光を毛布で防ぎ静かに寝息をたて始め、ほとんど冬眠している生物と変わらないこの生き物に、親切な風と
ともにふわりふわりと桜の花びらが降り立つ。静かな世界に満足そうに眠る生き物は、次起きるのが明日になってい
ないことを夢の中で願った。
無意識に、枕元に置いてあるスマホから大音量で鳴り続けこちらの睡眠を妨害し続ける忌々しいアラームを止める
「う~ん、うるさい、、、」
ベッドの中でもぞもぞと動く生き物は次第に呼吸が落ち着いていき小さく寝息をたてはじめる。
アラームをかけるということは起きなければいけない時間のはずだが、頭まで毛布をかぶって寝息をたてている
この生き物にはどうやらまだ起きる時間ではなく寝てて良い時間の認識らしい。雨戸までして完全に太陽の光
を入室禁止にしている部屋ではただ静かに埃が舞っていた。
「花色 ドキ、、、」
「タンッ」と先程まで静かに寝息をたてていたとわ思えない程の速さでスマホのアラーム止める。
「・・・」
二度目のアラームにもかかわらず、いまだ毛布からでずに5分程経っただろうかゆっくりと細い腕を伸ばしてスマホ
を手に取るぼやけたままスマホに出てきた時間に目を奪われる。
(7日月曜日9時45分)
「え、、」
一瞬で背中から汗が流れ出す、どうやら予定の時間は過ぎていたようだ。そもそもアラームが二度もなったという
のに起きなかったのが悪いのだが、少し毛布の中で慌てた後もう一度スマホに目をやる。
(6日日曜日9時45分)
「、、、、、、」
「、、、」
「う~~ん」
先程の時間が見間違えだったことによるからだろうかすっかり目が覚めたのだろう。ようやく頭までかぶって
いた毛布に別れをつげ、ゆっくりと起きあがる。名残惜しそうにしながらもベッドから出てきたのは小柄な女の子
だった。少女はゆっくりと立ち上がり窓を開け、
「ガラララッ」
と音をたてながら開いていく雨戸と同時に、いまかいまかと待ちくたびれていた暖かい光と風が真っ暗だった部屋を
明るく照らし出す。
「眩しっ、、」
ただポロリと口からでた言葉と少し不機嫌めいた顔をしながら陽の光から逃げるように部屋のドアから出て階段を
降りる。
「何で寝起き覚ましなんかに好きな曲を登録したんだろう?どうせ曲がなり始めると同時に消しちゃうのに」
洗面台で温めのお湯で軽く顔を洗いながし、ようやくスッキリした顔でリビングに出る。冷蔵庫から取り出した牛乳
をレンジで温める。
何気なく始まる今日という日に少女はただ安堵を思い出す。レンジから湯気が昇る程温められた牛乳に、また冷蔵庫
から取り出した、冷たいココアパウダーを振りかける。真っ白な液体が茶色に染まるまで、少女はゆっくりとかき混
ぜながら、ただ静かにお気に入りの大きなクッションに座る。
外にはただただ満開に咲き誇る桜の道がどこまでも続き、目の前に広がるピンク一色の世界、不意に吹く風に舞う桜
の花びらが踊るように舞い上がっていく。
「おはよ」
まるで目の前の全てに挨拶を交わすように、そしてそれに答えるように暖かい風に桜が静かに揺れ、部屋と少女全て
を暖かく光が包み込む。
「う~っし!せっかくだしもっかい寝よ」
結局一度もきがえることなく、飲み干したココアを台所に置き、またのんびりと階段を上り毛布に抱き着く。
眩しい光を毛布で防ぎ静かに寝息をたて始め、ほとんど冬眠している生物と変わらないこの生き物に、親切な風と
ともにふわりふわりと桜の花びらが降り立つ。静かな世界に満足そうに眠る生き物は、次起きるのが明日になってい
ないことを夢の中で願った。
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