不遇な王の娘は邪神と騎士に愛を注がれる

高倉阿佐

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第2話

「アー…ヴァド?」

ミリアムは目の前の異形の男を見つめた。もつれた青い髪に青い肌…神と名乗ってはいるが、まるで──



「まるで魔物のようだ、と言いたげな顔だな、ミリアム」

神を名乗る男は、ミリアムを見上げ、皮肉そうな笑みを浮かべた。

ぎくりとした。否定しようにも表情の強張りが相手にも伝わってしまっている。



「ああ、私とした事が!!完全に失念していました」



先ほどまで死体の損壊に夢中になっていたとは思えないほど爽やかな声だった。くるりとこちらを向き、ミリアムとアーヴァドの方へギデオンは向かってきた。



「ミリアム様、こちらが私の協力者のアーヴァド様です。ミリアム様ははじめまして…だったでしょうか」

「そんなわけないだろうが…おい、ギデオン早くしろ」

「ええ、もちろん準備出来ています。

…が、城内での戦闘で、儀式に使う部屋がありませんので王妃の小部屋を使おうと」

「仰々しくするつもりはない…さあ行くぞミリアム」

「えっ…今度はどこに」

「聖餐を行う。我の秘儀に与れ」





ミリアムが連れて来られたのは王妃が個人的に使用していた個室で、広さはないが豪奢な内装で親密な相手を招く時に使用していた部屋だった。午睡用の部屋でもあり、一人用のベッドもある。



その部屋のテーブルにミリアムは着席していた。



「あの…今とても大変な状況に…こんな所にいていいんでしょうか…」

「問題ない。最優先事項だ」

「そうですミリアム様。これから特別な儀式を行うのです!…貴方の為の」

「私のため…?」



ミリアムが困惑するのをよそにギデオンはなにやらテーブルに皿と水差しを置いた。皿には肉が盛られている。



「ミリアム様、どうぞお食べになって下さい。聖体拝領の、貴いものです」



聖体拝領に肉を食べる教義なんてあったかしら…?

ぼんやりと考えていると男二人の視線が絡みついてくる。

今まで向けられたことのない何か、粘つく、じっとりとしたもので早くこの場から出ていきたい一心でナイフとフォークを取り、小さく切った肉を口に入れた。



……恐ろしく不味い。苦味が酷く、肉とは思えない食感で、思わず吐き出そうとするとギデオンが水入りのワイングラスを差し出した。



「いけませんミリアム様!!この儀式では如何に不味かろうと完食しなくてはなりません。それが決まりなのです」



…聖餐式にそんな決まりがあるのですかと声が出そうになるが男達の顔は本気そのもので、覚悟を決めて肉を口に放り込み水を飲んだ。



「…あの、これでよかったですか?」



涙目で水をおかわりし、二人を見上げる。

二人とも満足げな顔でミリアムを労った。



「おめでとうございます、ミリアム様」 

「よくやった。儀式はつつがなく進行している」

「あの…あの肉ってなんの肉ですか?私、あんなもの食べたことありません」

「ああ、ミリアム様、あれは神の、アーヴァド様の肉片なのです!!焼き加減には気を使いましたよ、血が滴った、半生でしたでしょう?」

「……おい」



……ギデオン様は何を言っているのだろう…?

私の食べた肉が、アーヴァドの、肉片…?



口の中と鼻に広がる臭み、苦味、酸味、粘ついた食感が蘇り、ミリアムは嘔吐した。泣きながら咳き込み、胃液をすべて吐き出した吐瀉物に、肉は見当たらない。



……なんで、どうして、こんなことを。身体の痙攣が止まらず、絨毯に突っ伏していると、ギデオンが抱き起こそうと腕に手を掛けた。ミリアムがその手を振りほどくと、震える声で尋ねる。



「……どうしてあんなものを食べさせたんですか…何が目的で…そもそも、なんでお城がこんなことになっているんですか?

アーヴ…私の知ってるアーヴは、いつも偉そうで、嘘つきで、でも寂しがり屋で、私に寄り添ってくれた…アーヴァドなんて、私は知らない!!」



「……貴方が特別な人間だからですよ、ミリアム様」

「……え?」

「特別な人間なのです。選ばれた──そう、神に選ばれた人間なのです、貴方は」



ギデオンのゾッとするような冷たい声にミリアムは震えた。



「…食べた事のない肉と言われましたが、そんな筈がありません。ミリアム様はあの肉と同じものを食べたんです、十五年前に」

「ギデオン、そこまでにしろ」

「よいではないですか、ミリアム様も知っておいたほうがよいでしょう。ミリアム様、貴方がなぜ王妃に聖堂に捨てられ生き延びることが出来たか、考えた事はありますか?」

「……いいえ」

「顔の傷は? 貴方のお友達がくれた肉は?」

「なにを、いって──」

「貴方は、選ばれた人間だ。貴方の貴い血が聖堂の下、地下深く埋められた古き神の神殿に染み込み、封印を破った。古き神は貴方に応えた。絶望した人間も、救いを求めるものもいたのに神は貴方に応えた──貴方を求めたのです、自身の花嫁に」

「喋り過ぎだ。儀式は続いている」

「ええ、もちろん了解しています。私はそろそろ失礼します。今頃、部下達が探しているでしょうし」



「えっ…なっなに?」



アーヴァドに横抱きにされ、ベッドに横たえられた。起き上がろうとすると、アーヴァドが覆い被さり、切れ長の青い眸と目があった。



「お前に血肉を与え、後は我の精を注げば儀式は完成し、お前は我の──花嫁になる」



……あまりにも多くの事が起きすぎてもうミリアムの頭は破裂する寸前だった。ぐらぐらする頭でアーヴァドに言葉を変えそうとする前に男の舌が口内に侵入した。



「ん?!んんん!!んー!!」



男の大きな手で顔を掴まれ固定される。差し込まれた舌が口の中をまさぐって、とろりとしたものが喉奥に流し込まれた。



男が満足したのか、やっと解放されるとミリアムは激しく咳き込んだ。嘔吐と激しい咳き込みが続いたミリアムはぐったりとした身体を男に委ねていたが、今度は身体の中心に熱が集まってきた。下腹の疼きに困惑していると男の長い指が胸と下腹をなぞった。たちどころにブラウスとスカート、シュミーズごと切り裂いてミリアムの白い肌、乳房、黒い茂みが露になった。



「ひ…ひ…やだ…やだ…」



身体が震え涙をぼろぼろとこぼすミリアムを、邪神は構うことなく蹂躙した。乳房、脇腹、下腹、腿を堪能するように愛撫していく。そのなぞられる指先の感触も、嫌悪感以外の、下腹の疼きを増幅させる何かを感じ、ミリアムは翻弄される。



邪神の指がミリアムの脚の間、割れ目に辿り着いた。指をゆっくり挿れると、粘液が指に絡み付き数回出し入れすると指を引き抜き絡みついた粘液を舐め取った。



肩で息をするミリアムは邪神が腰の布を床に落とし、その腰から生えたものにぎょっとした。



──え、なに、あれ…?



「これは男の生殖器──ぺニスで、これをお前の中に挿入することで交合が成立する」



青黒くそそり立つそれは、まるで別の生き物のようで、あんなものを股に入れたりしては、死んでしまうのではないかとミリアムは怯えた。それを察したのか邪神は愛おしげに汗ばむ前髪を掻き上げた。



「怖がらなくていい…我を抱き締めていろ…いつものように」



邪神の肉の先端が膣口を数回なぞる。先走りと溢れた愛液が馴染むと一気に腰を進めた。



身体の中心が引き裂かれるような痛み、じくじくした痛みにミリアムは苛まれ、邪神の首にすがり付く。蛇のようなもつれた青い髪から、甘い、エキゾチックな香りがする。南国の香辛料のような、刺激的な香りは痛みを紛れさせた。



「──っ……一度、出すぞ」



邪神は腰を進める速度を速める。肉と肉がぶつかる音が止まり邪神は柳眉を顰める。狭い中のものが膨らみ、肉奥に吐精した。



──あ……れ……?なにこれ…



身体の奥に邪神の精が注がれる間、ミリアムはまた身体に変化が起こったのを感じた。身体の中の血と肉が別のなにかに置き換わっていく感覚。ミリアムの全身はさざめきを起こし震え、生まれ変わっていくようだった。



「──抜くぞ、ミリアム」

「んっ…あっ…あん…」



邪神は自身の逸物を引き抜くと、満足そうにミリアムの全身を眺めた。



「儀式はすべて終了した…よく我慢出来たな、ミリアム」



頬を撫でる男の手がひんやりと冷たい。その冷たさが心地よくて、ミリアムは大きな男の手に頬擦りした。



──そして、身体の奥、邪神に穢された女の部分が疼き始めた。もどかしいその感覚にミリアムは腰を振りたくった。

脚の間のもどかしい、掻きむしりたくなるようなむず痒さに指を挿入しようとすると邪神に両手を一まとめにされ、さらに焦燥感が増していった。



「おっお願い…掻かせてぇ…お腹熱い…へんなのぉ…」



懇願し甘い声を上げ腰をくねらせるミリアムの痴態を見下ろし、邪神は薄く笑って眺めるばかりだ。



「ああ、その様子だと、儀式は無事済んだようですね」



場違いな軽やかな声が部屋に響く。扉の前のギデオンは血染めだった騎士装束は着替えたのか、汚れひとつないものに変わっていた。



「ギ…ギデオン様…」



ミリアムの強張った表情にギデオンは一瞬苦い顔をするが、すぐに表情を戻し、状況の説明を始めた。



「王宮を掌握した我々反王党派は、王妃と王子ら数名を殺害、病の床に就いていた国王を発見、保護しました。王子の数名を拘束、王宮の奥に隔離されていた王の庶子、ミリアム様を救出し、現在騎士達に護衛させています」

「……ギデオン様?」



おかしいことを言っているギデオンにミリアムは正気に戻って呆気に取られた。見かねたアーヴァドがギデオンに説明を促す。



「ああ、ミリアム様。実は貴方にそっくりな精巧な傀儡を用意しているのです。表情の豊かさや流暢な言葉を話すのは不得意ですが騎士たちにはこれまでのミリアム様の生い立ちを説明して納得させました。そして、私も傀儡と入れ替わり、こちらに戻ってきたところです」

「傀儡…?」



ギデオンの不穏な説明にミリアムは嫌な予感がした。また、この人達は私に隠して恐ろしい事をしようとしている…



「そうか…ならば我はしばし出ていく」

「え…?」



邪神はベッドから降りると腰に布を巻き直し、ミリアムを一瞥した。



「ミリアム、疼く身体を慰めてほしいだろう?だが我はこれから支配するこの国と民を見てくる。安心しろ、お前を慰撫する為にギデオンを用意した。今から我の代わりにこれが相手をする」

「え…え…?…えええ?!」



訳がわからないまま邪神は一瞬で消えてしまった。残されたミリアムは再び襲ってきた搔痒感に再び手を脚の間に伸ばすると、ギデオンが首に巻いていたクラバットを解き、ミリアムの両腕を上げさせそのまま縛ってしまった。



ミリアムを見下ろし微笑みを浮かべるギデオンに、ミリアムは絶望した。この人も、アーヴァドのように苦しむ私を見て笑うんだ…目を閉じ股の痒みに耐えようとするとギデオンの両手がミリアムの脚を広げ、指を膣口に挿入した。



「……あっ!……あっ…あああ…」

「……落ち着きましたか?」



ギデオンのごつごつとした長い指がゆっくりと中をかき混ぜ、一定のリズムを刻むと痒みは次第に薄れていった。

だんだん頭がはっきりしてくるとこの状況が死ぬほど恥ずかしい状況だと意識して、おかしくなりそうだが、ミリアムは決心してギデオンに声を掛けた。



「あ、あの、ギデオン様」

「ああ、ミリアム様…どうでしょうか?もっとゆっくりがいいですか?それとも──もっと激しく?」

「い、いえ、そうではなくて…あんっ…ギデオン様は…どうして…アーヴァドに…従っているのですか…?」

「……………」

「ぎ、ギデオン様…」

「──あの邪神との出会いは貴方が聖堂に連れて来られ、しばらくしてだったと記憶しています。貴方も私も、幼い子供だった」

「えっ…つまり、ギデオン様はアーヴと知り合いだったのですか?」

「彼は自身が神であることを話してくれたので書簡を読みあさって何者なのか知りました。アーヴァド…滅びの名を持つ邪神…そして、救済者としての側面…彼は古き時代、助けを求める者や絶望した人間のもとに現れ救済する神だった…彼は引き寄せられたのかもしれません…私たちに」



──……私たち?



「今や堕落し、救済を求める者達に魂を要求する邪神に成り下がった彼に、私は、願ったのです。

──この国を、滅ぼして欲しいと…ところが彼は滅ぼす代わりにこの国を支配したいと言い出したのです。なので、私達は協議して、この国を腐敗させる王族、有力貴族、聖職者の粛清の協力と引き換えに、国の支配と、貴方を妻にする事を条件に契約を結んだのです」



──ミリアムは空いた口が塞がらなかった。あまりにも勝手な事を知らない間に二人で決めて…国を支配して、私を妻になんて…



ギデオンはミリアムの唖然とした表情に苦笑しながら指の動きは止めない。ミリアムは意識しないようにしていたが、腰は浮き、ゆったりとした指の動きと共に、腰が揺れていた。



「私達は何年も時間をかけ入念に準備し、様々な階層の人々と出会い、協力を募りました。そして、王宮の奥深くに閉じ込められた王の娘と、彼女が幻視した古の神、アーヴァドの物語を語ったのです」

「……は?」

「つまり、私達はミリアム様の王位の正統性と、彼女が秘かに信仰する神を吹聴する事で打倒王家とアーヴァドの信仰を復活させる事を画策したのです。この革命が成し遂げられるのはアーヴァドの神の導き…だとね」

「ギデオン様のお話…もうほとんど嘘ばっかりじゃないですか…ひゃあぁん?!」



ギデオンは数度激しく指を往復させると素早く指を引き抜いた。 ミリアムのほぐれた柔肉から潮が吹き出し、ギデオンの指と装束を汚した。



「あーあ…せっかく着替えたのに」

「ご、ごめんなさい…」

「構いませんよ。今からすべて脱ぎますから」



そういうとギデオンは立ち上がりマント、コート、ウエストコート、シャツと長ズボンとブーツに靴下、全て脱ぎ捨て生まれたままの姿になった。

まるで芸術家が大理石を掘り出して造り上げた彫像のように均整の取れたギデオンの肉体に、ミリアムは見惚れた。



ギデオンは己の指を汚した潮と指に絡まった愛液をなめ回すと、それを見て顔を赤く染めるミリアムにギデオンは低く囁いた。



「──せっかく潮を吹かせたのに、もったいなかったですね…今度からは全部飲み干すようにします」

「な、なにをいって…きゃああ!!」



ギデオンはミリアムの両脚を割ると性急に肉槍を突き立てた。

その太さと大きさに、ミリアムは苦しげに喘いだ。



「や…く、苦しい…お願い、抜いて…」

「辛いですか?そんなはずありませんよね?だって貴方は選ばれた特別な人間なんですから。今もこうやって私に汚されているのに、貴方は、ずっと綺麗だ…」

「あっ、あん、あっ…あっあっあっ…」



ギデオンの大きすぎる肉楔が激しく打ち込まれる度にミリアムの身体は痙攣した。アーヴァドのものより一回りは大きいそれは小柄なミリアムの肉襞を圧迫する。



「おねっ…お願いしますっ…もっと、ゆっくりに…」

「……仕方ないですね」



ミリアムの様子を見たギデオンは叩きつけるような動きからゆったりとした、揺らすような緩慢な動きに変えた。

苦悶の表情から少し力が抜けたミリアムの様子を見て、ギデオンは話を続けた。



「ミリアム様、おかしいと思いませんか?邪神が儀式まで行って手に入れた女を、どこの馬の骨とも知れない男が犯しているんですよ?……どうしてだと思いますか?…彼は知っていたんですよ、貴方が、私を慕っている事を。それに、私の思いを…

我々の契約に条件が加わったのですよ。私がミリアム様の下僕となってアーヴァドと共に快楽を与えるとね」

「はっ……?……アーヴ、あいつなに考えて…!!」

「ミリアム様は気が付きませんか?貴方の肉、私のものを咥え込むのがもうこなれてきているんですよ…それに、胸と尻が若干大きくなりましたでしょう?」

「そっそんなの、知らない…!!」

「これから胸も尻も、もっともっともっと…大きくなっていきますよ。そして性欲はどんどん増していく…ええ、夫だけでは手が足りずに、愛人も相手をしないと間に合わない位に」

「………ひあっ!?…あっ、あっあっ…」



ギデオンがまた激しく動き出した。抜ける寸前まで肉棒を引き、そのまま奥まで突き込む、乱暴な動き。それなのにミリアムは快感を感じていた。さっきまで圧迫感と痛みすら感じていたのにもう、ミリアムの肉襞はギデオンの肉竿の形を覚えて絞り上げていた。結合部からはグチュグチュグチュと聞くに堪えない、はしたない音が響いている。



「っ!────締まるっ…も、出る…」

「あっ、ああっ…」



二人同時に達し、ミリアムは絶頂しながら膣奥に熱い飛沫を感じた。ドクドクと流れこんでくる奔流を、子宮で受け止めた。



ああ、すごくおいしい……え?



思わず口にした自分の言葉に困惑する。それを見てギデオンは意地悪そうな顔で囁いた。



「おいしかったですか?……それはよかった。ミリアム様の身体は順調に変質し、──作り替えられているようだ」

「な、なにが……」

「人間の男の精液を吸収──つまり、食べているんです。まるで、淫魔のようにね」

「う、うそ…」

「ミリアム様も分かっているんでしょう?気持ちいい、と、おいしいの両方の感覚…これで分かったでしょう。私が貴方を抱くのは──性欲処理と、精液の給餌なんですよ」

「そんな、ば、ばけものみたいな…」

「ぶふっ…バケモノって…もう、そんなどうでもいいことなど考えられなくなる位に、めちゃめちゃにしてあげますからね」









───どれだけ時間が過ぎたのだろう。ベッドの上は何度も体位を変えて行われる行為でぐちゃぐちゃになり、男女の流れ出た体液を吸ってびちゃびちゃだった。



「あっ…あっ…ああ~…」

快楽で意識が混濁したミリアムに、ギデオンはねっとりと腰を使ったまま彼女の勃起したクリトリスを扱き、耳をれろれろと舐め回している。絶頂を何度も繰り返したミリアムの身体はビクビクと痙攣が止まらないでいた。



ギデオンは朦朧とするミリアムに囁く。



「ね、ミリアム…気持ちいい?」

「きも…いい…」

「気持ちいいね…俺もだよ…気持ちいいことは好き?」

「す…き…」

「そっか…これからは毎日俺と………アーヴが気持ちよくしてあげる。ミリアムがして欲しいこと、なんだってしてあげる…欲しいものだって、なんだって…だから…だから、ごめん」



ギデオンさま、ないてる…?



それはミリアムの見た幻かも知れないけれど、幼い日に見た初恋の少年の、すすり泣く姿とミリアムは重なって見えた。



「……よしよし、いーこいーこ…」

「ミリアム…?」

「いたいところなんて、ないよ…いたくなくなるまで、いっしょにいるから…」

「ミリアム…ごめん、ごめん…ずっと一緒にいるよ、お前が、俺も、自分のことが分からなくなっても…」
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