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第二十三話:ディーネVS魔人
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「私、魔人って種族が大嫌いなので手加減しませんよ」
「ははっ、やる気満々だな」
そう言いながら、二人はエリーを守るように前に立つ。エリーはそれでも止めようと手を伸ばそうとするが、二人の背中がそれを許さなかった。
頼もしく、安心感のある背中。他人に守られるなど久しくなかった。本来ならば、国民を守るはずの騎士団長として守られることに悔しくあるべきなのだが不思議とそんな気は起らなかった。気づけば伸ばした手は既に引かれていた。
その三人のやり取りを見ていたセリエルは苛立っていた。いつもならば、人間が自分を目の前にしたときは、あのエリーとかいう人間のように震えて自分の命に絶望するものだ。
それなのに、あの男女はまるで恐怖を見せない。それどころか立ち向かおうとさえしている。男の方は笑みを浮かべているようにも見える。人間に舐められるなど屈辱以外の何ものでもなかった。
「やっぱりやめた。三人ともできるだけ苦しめて殺しやろう。そうだな。まずは四肢をもいでから……」
「おい、色々と御託を並べてないでかかってこいよ。こっちも暇じゃないんだ」
アレンは腰に手を当てながら話を折る。セリエルの怒気が最高に高まる。
「分かった、死ね」
セリエルはもっていた剣を構え、一歩前に出ようとした時、
「ウォーターバースト!」
ディーネが瞬時に魔法を唱えると、セリエルの体を水球が覆い、爆発した。あたりが霧に包まれ、水滴がバシャバシャと散らばる。やがて霧が晴れると、着ていた衣服がボロボロになり、全身から緑色の血を流すセリエルが立っていた。
「あらあら。苦しませないように一発で仕留めてあげようと思ったのに、なかなかお強いのですね」
「貴様、何者だ……」
ディーネはニッコリと微笑み答える。
「雑貨屋エレールの看板娘ですよ」
「自分で言うな」
戦況を傍観しているアレンが即座にツッコミをいれる。
「ふ、ふ、ふざけるなぁぁぁ」
セリエルが叫ぶと、どす黒いオーラを放ち全身を包み込み目が真っ赤に充血していく。傷だらけだった体もみるみる回復していく。
「これが俺の本気だ……」
「ははっ、やる気満々だな」
そう言いながら、二人はエリーを守るように前に立つ。エリーはそれでも止めようと手を伸ばそうとするが、二人の背中がそれを許さなかった。
頼もしく、安心感のある背中。他人に守られるなど久しくなかった。本来ならば、国民を守るはずの騎士団長として守られることに悔しくあるべきなのだが不思議とそんな気は起らなかった。気づけば伸ばした手は既に引かれていた。
その三人のやり取りを見ていたセリエルは苛立っていた。いつもならば、人間が自分を目の前にしたときは、あのエリーとかいう人間のように震えて自分の命に絶望するものだ。
それなのに、あの男女はまるで恐怖を見せない。それどころか立ち向かおうとさえしている。男の方は笑みを浮かべているようにも見える。人間に舐められるなど屈辱以外の何ものでもなかった。
「やっぱりやめた。三人ともできるだけ苦しめて殺しやろう。そうだな。まずは四肢をもいでから……」
「おい、色々と御託を並べてないでかかってこいよ。こっちも暇じゃないんだ」
アレンは腰に手を当てながら話を折る。セリエルの怒気が最高に高まる。
「分かった、死ね」
セリエルはもっていた剣を構え、一歩前に出ようとした時、
「ウォーターバースト!」
ディーネが瞬時に魔法を唱えると、セリエルの体を水球が覆い、爆発した。あたりが霧に包まれ、水滴がバシャバシャと散らばる。やがて霧が晴れると、着ていた衣服がボロボロになり、全身から緑色の血を流すセリエルが立っていた。
「あらあら。苦しませないように一発で仕留めてあげようと思ったのに、なかなかお強いのですね」
「貴様、何者だ……」
ディーネはニッコリと微笑み答える。
「雑貨屋エレールの看板娘ですよ」
「自分で言うな」
戦況を傍観しているアレンが即座にツッコミをいれる。
「ふ、ふ、ふざけるなぁぁぁ」
セリエルが叫ぶと、どす黒いオーラを放ち全身を包み込み目が真っ赤に充血していく。傷だらけだった体もみるみる回復していく。
「これが俺の本気だ……」
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