やくもあやかし物語

武者走走九郎or大橋むつお

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90『在原業平の高安の恋』

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やくもあやかし物語

90『在原業平の高安の恋』    




 在原業平は知らなくても桓武天皇は知ってる。

 だよね、鳴くよウグイス平安京! ⇒ 794年平安京遷都!

 日本史年代語呂合わせの一番にくるあれだよ、あれ(^▽^)!

 その桓武天皇のお孫さんなんだから、すごいと思わない!?


 こんなのもある。


 ちはやふる 神代もきかず 龍田川 唐くれないに 水くくるとは


 ね、聞いたことない?

 広瀬すずさん主演の青春映画だよ。

 競技かるたに青春をかける、広瀬すずさん主演の女子高生の映画だよ!

 原作はコミックで、日テレでアニメにもなった!

 シリーズの1を『上の句』、2を『下の句』って付けるのも、おしゃれで気が利いている。

 そのお話に出てくる競技かるた会。

 その開始の時に読まれる和歌がね、この業平さんの『ひはやふる』なんだよ。


 よくわからないけど、競技開始の合図みたいに読まれる業平の歌でね、文字通り映画のタイトルにもなっている。


 その業平さんの逸話にね『在原業平の高安の恋』って言うのがある。

 業平さんは、800回以上も生駒山を超えて高安に通っていた時期があるの。

 その時、茶屋の辻ってところを通るんだけど、まあ、茶屋の辻だから茶店が並んでたわけですよ。

 そこで休憩してると、時々、すごく可愛い女の子に出会う訳ですよ。

 どうにも可愛い女の子なんで、業平さんは、峠を下りてくる時には、もう意識してしまって「ああ、あの窓がある茶店なんだなあ(n*´ω`*n)」てなわけです。

 でも、業平さんは桓武天皇の孫だけあって「ねえ、ちょっとお茶しない(^^♪」なんて気安くナンパなんてしないわけです。

 月に何度か、生駒山を超えて茶屋の辻が見えてくると「ああ、今日はあの娘に会えるかなあ(〃´∪`〃)」と楽しみにして、運よく会えたりすると嬉しいわけです。

 やっと、その娘の茶屋が特定できると「あの娘がオーダー取りに来てくれないかなあ( #´艸`#)」と期待に胸を躍らせるわけです。

 身分が高いけど、謙虚で、イケメンなのに奥ゆかしい!

 そんなことを何十遍か繰り返して、やっと口がきけるようになると、女の子も業平さんを意識するわけですよ。

 そして、茶屋の辻だけじゃなくて、高安の郷全体で噂になったりするんです。

 
 そんなある日のこと、業平さんが峠を下って、茶屋の辻が見えるところまでやってくると、茶屋の二階の窓が開いていて、女の子の姿が見えたんです。

「あ、今日もあの子に逢える(n*´ω`*n)」

 期待に胸を躍らせると、なんと、その子は食事中。

「え、あれが? あの娘が……?」

 お店で顔を合わす時の感じとはぜんぜん違うわけですよ!

 だらしなく背中を丸めて、立膝なんかもしてて、ビックリするくらい大きな口を開けて、山盛りのご飯をバカバカ食ってるわけですよ!

 それで、百年の恋も覚めてしまって回れ右。それ以来、業平さんは茶屋の辻には立ち寄らなくなった。

 その時の二階の窓が東向きだったもので、高安の郷では東側には窓を付けなくなったという言い伝えがあるのです。


 なるほど、含蓄のある話です。


 ジリリリン ジリリリン

 感心していると、机の上の黒電話が鳴ります。

「もしもし」

 二丁目地蔵さんかな?

「もしもし、やくもです」

 受話器を取ると大当たり。

『二丁目地蔵です、シラミ地蔵さんの件、ありがとう』

「いえいえ、わたしも楽しかったし、ためになりましたし、こちらこそ」

『そう、それは良かった。ねえ、百人一首やりませんか』

「え、百人一首ですか?」

『うん、チカコも元気にしてるかなあって思うし、お茶しながら百人一首のかるた会。いかがかしらあ(^▽^)』

「あ、いいですね! 二丁目まで伺えばいいんですか?」

『いえいえ、それじゃ時間がかかるわ。わたしの方から伺います♪』

「あ、でも……」

 うちは無駄に広いから、カルタやるくらいの部屋はいくつもあるんだけど、家の者に見られるのはまずい。

「お世話になってるお地蔵さんです」なんて紹介したら、みんな腰を抜かしてしまう。

『机の上よ、やくもの(o^―^o)』

「わたしの机?」

『チカコのために、いろいろ揃えてくれてるじゃない。そこでやったら楽しいと思うの。やくもも1/12サイズになってね♪』

「ア、楽しいかも!」

『じゃ、今から行くね』

「あ、五分ほど待ってください(^_^;)」

『どうして?』

「かるた会に相応しいセッティングしますから」

『おお、それは楽しみ。じゃ、五分後にね(^^♪』

 
 よーし!


 1/12情景セットのあれこれを並べてみるわたしでした(o^―^o)。



☆ 主な登場人物

やくも       一丁目に越してきて三丁目の学校に通う中学二年生
お母さん      やくもとは血の繋がりは無い 陽子
お爺ちゃん     やくもともお母さんとも血の繋がりは無い 昭介
お婆ちゃん     やくもともお母さんとも血の繋がりは無い
教頭先生
小出先生      図書部の先生
杉野君        図書委員仲間 やくものことが好き
小桜さん       図書委員仲間
あやかしたち    交換手さん メイドお化け ペコリお化け えりかちゃん 四毛猫 愛さん(愛の銅像) 染井さん(校門脇の桜) お守り石 光ファイバーのお化け 土の道のお化け 満開梅 春一番お化け 二丁目断層 親子(チカコ) 俊徳丸

 

 
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