57 / 109
57〔フラレてしまった!!〕
しおりを挟む
明神男坂のぼりたい
57〔フラレてしまった!!〕
フラレてしまった!!
と、騒ぎ立てるのは早いかと思うけど。感覚的には、まさにフラレた(;゚Д゚)。
ちなみに、あたしは今日で17歳になる。平成17年5月2日、金曜日、午後3:05に、あたしは石神井の病院で呱々の声(産声を格好良う言うと、こないなる)をあげた。
なんで、こんなに詳しく生まれた曜日やら時間を知ってるかというと、頭がいいから……ではなく、折に触れてお父さんが言うから。
この日は、6時間目体育館で学年集会をやっていて、それが3:05分に終わって、教室で終礼しなくちゃならないから、トロトロ歩いてる生徒に「早く出ろ、はやく出て教室戻れ!」て怒鳴っていたから。
なんせ、終礼を早やくしないと掃除当番がフケてさっさと帰ってしまう。で……「早く出ろ!」と叫んでる時に、あたしはお母さんのお腹から出てきた。それが面白いのか、なにかにつけて、お父さんが言うので、覚えてしまった。
ほんとうは、今日の放課後でも関根先輩が「マクドでも行こうか?」と言って、ささやかにマックシェ-クかなんかで「誕生日おめでとう」と言ってくれたら、あたしは、それ以上のことは望まない。
誕生日は、こないだメールでさりげに教えてあるし。なんか言ってくるんだったら、夕べのうちだろうと日付がかわるまで、スマホ前に置いて待っていた。
だけど、電話はおろかメールもこない。
で、かねて用意のデートの申込みを送信した(#´艸`#)。
コースは決めていた。悔しいけど、かねがねお父さんに教えてももろてたデートコース。いくつも教えてもらったけど、静かにゆっくりをコンセプトに選んだ。
連休は、どこにいっても人いっぱい。それがめったに人がこない絶好のスポット……て、別に飛躍したやらしいことは考えてません。念のため。
どんなコースなんだ?
さつきが聞くけど教えません。ぜったい冷やかすもんね。
そんなことはないぞ(* ´艸`)。
「ほら、もう笑ってるし!」
コースの情報添付してメールを送った「もし良かったら、連休のいつでも」と、メッセ。遠慮してるようで、がっついてるかなあ……迷いはあったけど、エイっと送信ボタンを押す。
で、1分で返事が返ってきた。
―― ごめん、部活と美保との約束があって、一日も空いてない ――
これはないだろ。
断られるのは半分覚悟してた。だけど、わざわざ「美保との約束」……ヤケドに辛子塗るような答えしなくてもいいじゃんか。
鴨居に掛けといたデート用のスカートとカットソー(こないだアマゾンで買ったやつ)を仕舞って、布団被って寝た。どす黒い後悔が胸の中を蛇みたいにクネクネして、なかなか寝付けなかった。
「明日香、誕生日だな、おめでとう」
学校で、担任のガンダムに言われた。
嬉しいよりもキショクワルイ。
なんで何人もいてる女生徒の中で、あたしの誕生日覚えてんの!? それが表情に出たんだろ、ガンダムは付け足した。
「クラス持つときに調査書見たら、俺と誕生日いっしょだったから覚えてしまった」
「ほとですか!? で、なんかパーティーとか、奥さんとデートとか?」
「この歳なって、そんなものしてもらえると思うか? もしやりやがったら、なんか下心あるんじゃねえかと疑ってしまうぞ」
なんとも味気ない返事。
一日凹んだままで、帰りの外堀通り。
ポロンと音がしてメールが入った。
―― 誕生日おめでとう。学 ――
え? ええ!?
心臓が口から出そうだった。で、道の向かいに気配。
!!?
関根先輩が手を振ってくれてる!
あたしはジャンプして、思い切り手を振った!
すると――あっちあっち――と進行方向の横断歩道を指さす。
え? え?
急ぎ足で行くと、ちょうど青になって、先輩が渡って来る。
「地元のものでなんだけど、誕生祝」
そう言って、見覚えのあるナメクジ巴の包み紙『名代 明神団子』のロゴ。
「じゃな、学校戻るわ」
青信号が点滅して先輩は戻っていった。
こんなに明神団子を愛しく思ったことはない。
今度はさつきに食べられないように!
固く決心!
家に帰って開けてみると、明神さまの『開運』のお守りが入っていた。
『恋愛成就』のお守りだったら、もっと良かったのにね。
思ったら、さっそくお団子が一つ消えた。
明神さまの娘は油断がならない。
57〔フラレてしまった!!〕
フラレてしまった!!
と、騒ぎ立てるのは早いかと思うけど。感覚的には、まさにフラレた(;゚Д゚)。
ちなみに、あたしは今日で17歳になる。平成17年5月2日、金曜日、午後3:05に、あたしは石神井の病院で呱々の声(産声を格好良う言うと、こないなる)をあげた。
なんで、こんなに詳しく生まれた曜日やら時間を知ってるかというと、頭がいいから……ではなく、折に触れてお父さんが言うから。
この日は、6時間目体育館で学年集会をやっていて、それが3:05分に終わって、教室で終礼しなくちゃならないから、トロトロ歩いてる生徒に「早く出ろ、はやく出て教室戻れ!」て怒鳴っていたから。
なんせ、終礼を早やくしないと掃除当番がフケてさっさと帰ってしまう。で……「早く出ろ!」と叫んでる時に、あたしはお母さんのお腹から出てきた。それが面白いのか、なにかにつけて、お父さんが言うので、覚えてしまった。
ほんとうは、今日の放課後でも関根先輩が「マクドでも行こうか?」と言って、ささやかにマックシェ-クかなんかで「誕生日おめでとう」と言ってくれたら、あたしは、それ以上のことは望まない。
誕生日は、こないだメールでさりげに教えてあるし。なんか言ってくるんだったら、夕べのうちだろうと日付がかわるまで、スマホ前に置いて待っていた。
だけど、電話はおろかメールもこない。
で、かねて用意のデートの申込みを送信した(#´艸`#)。
コースは決めていた。悔しいけど、かねがねお父さんに教えてももろてたデートコース。いくつも教えてもらったけど、静かにゆっくりをコンセプトに選んだ。
連休は、どこにいっても人いっぱい。それがめったに人がこない絶好のスポット……て、別に飛躍したやらしいことは考えてません。念のため。
どんなコースなんだ?
さつきが聞くけど教えません。ぜったい冷やかすもんね。
そんなことはないぞ(* ´艸`)。
「ほら、もう笑ってるし!」
コースの情報添付してメールを送った「もし良かったら、連休のいつでも」と、メッセ。遠慮してるようで、がっついてるかなあ……迷いはあったけど、エイっと送信ボタンを押す。
で、1分で返事が返ってきた。
―― ごめん、部活と美保との約束があって、一日も空いてない ――
これはないだろ。
断られるのは半分覚悟してた。だけど、わざわざ「美保との約束」……ヤケドに辛子塗るような答えしなくてもいいじゃんか。
鴨居に掛けといたデート用のスカートとカットソー(こないだアマゾンで買ったやつ)を仕舞って、布団被って寝た。どす黒い後悔が胸の中を蛇みたいにクネクネして、なかなか寝付けなかった。
「明日香、誕生日だな、おめでとう」
学校で、担任のガンダムに言われた。
嬉しいよりもキショクワルイ。
なんで何人もいてる女生徒の中で、あたしの誕生日覚えてんの!? それが表情に出たんだろ、ガンダムは付け足した。
「クラス持つときに調査書見たら、俺と誕生日いっしょだったから覚えてしまった」
「ほとですか!? で、なんかパーティーとか、奥さんとデートとか?」
「この歳なって、そんなものしてもらえると思うか? もしやりやがったら、なんか下心あるんじゃねえかと疑ってしまうぞ」
なんとも味気ない返事。
一日凹んだままで、帰りの外堀通り。
ポロンと音がしてメールが入った。
―― 誕生日おめでとう。学 ――
え? ええ!?
心臓が口から出そうだった。で、道の向かいに気配。
!!?
関根先輩が手を振ってくれてる!
あたしはジャンプして、思い切り手を振った!
すると――あっちあっち――と進行方向の横断歩道を指さす。
え? え?
急ぎ足で行くと、ちょうど青になって、先輩が渡って来る。
「地元のものでなんだけど、誕生祝」
そう言って、見覚えのあるナメクジ巴の包み紙『名代 明神団子』のロゴ。
「じゃな、学校戻るわ」
青信号が点滅して先輩は戻っていった。
こんなに明神団子を愛しく思ったことはない。
今度はさつきに食べられないように!
固く決心!
家に帰って開けてみると、明神さまの『開運』のお守りが入っていた。
『恋愛成就』のお守りだったら、もっと良かったのにね。
思ったら、さっそくお団子が一つ消えた。
明神さまの娘は油断がならない。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
【完結】年収三百万円台のアラサー社畜と総資産三億円以上の仮想通貨「億り人」JKが湾岸タワーマンションで同棲したら
瀬々良木 清
ライト文芸
主人公・宮本剛は、都内で働くごく普通の営業系サラリーマン。いわゆる社畜。
タワーマンションの聖地・豊洲にあるオフィスへ通勤しながらも、自分の給料では絶対に買えない高級マンションたちを見上げながら、夢のない毎日を送っていた。
しかしある日、会社の近所で苦しそうにうずくまる女子高生・常磐理瀬と出会う。理瀬は女子高生ながら仮想通貨への投資で『億り人』となった天才少女だった。
剛の何百倍もの資産を持ち、しかし心はまだ未完成な女子高生である理瀬と、日に日に心が枯れてゆくと感じるアラサー社畜剛が織りなす、ちぐはぐなラブコメディ。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる