3 / 97
3『風間そのの災難・3』
しおりを挟む
くノ一その一今のうち
3『風間そのの災難・3』
朝、校門で呼び止められて、注意されたこと以外には不幸なことはなかった。
予習が間に合わなかった英語も、前から順番にあてられて、あたしの前に座ってるAがもたついてるうちにチャイムが鳴って助かった。ほら、ナントカ坂46のAだよ。可愛いし、アイドルのハシクレだからいたぶりたくなる気持ちも分かるけどさ。英訳のBe動詞抜かしたぐらいでカラムことないと思うよ。オーラが通じたのか、チラッと振り向いたAは「テヘペロ」をかましてた。後ろの男子どもが胸キュンしてんのも伝わってきて……ま、いいんだけどさ。
昼休みの学食、階段の最後の二段ジャンプしたのが功を奏したのか、B定食は、あたしで売り切れ!
やったね。
隣のA定食(B定食より50円高い)はとっくに売り切れてた。
この瞬間に限っては、プロレタリアJK、ブスモブ風間そのの勝利なわけさ。
くたばれリア充!
思わず、トレー持つ手でVサイン。食堂のオバチャンが――よかったね(^_^;)――的に笑みを返してくれる。
これが、他の生徒だったら、オバチャンは、こんな風には微笑まなかったと思う。
オバチャンも、若いころからソレナリって感じしたし。通じるんだよねモブキャラ同士。
万国のモブキャラよ団結せよ!
モブの単純さ。それだけで、午後の授業は元気に居眠りするだけで乗り越えられた。
帰りの電車も空いてたわけじゃないんだけど、ちょうど乗ったドアの横の席が空いてて、ラッキー!
座ろうと思ったら、いっしゅん遅れてご老人が座る気で迫って来て――あ、どうぞ――的に譲ることができた。
もうワンテンポ遅れたら、人に声かけるのが苦手なあたしは、悶々として駅に着くまで座ってたと思うよ。
居眠り決め込むか、知らんぷりしてスマホいじってるかしてさ。そいで、隣に座ってる大学生風が「あ、どうぞ」的に席を譲って――おい、モブ子、ほんとはお前が代わるべきだろが――的に、ややあたしの前に寄って立つよ。
まあ、昨日が昨日だったから、この程度のモブラッキーはあってもいいよね。
よし、今日はお弁当じゃなくて、なにか作ろうか。
数少ない料理のレパを頭に巡らせながら改札を出る。
ピィーーーン
改札を出て、駅前のロータリーに踏み込んだとたん、耳鳴りのようなものがして、カバン持つ手が総毛だった。
ロータリーの斜め向こうの歩道を歩いているオネエサンが際立って見える。
このオネエサンに危機が迫ってる!
感じたとたんに体が動いた。
ガードレールをジャンプして、斜め向こうの歩道に着地すると同時にオネエサンを書店の壁に押し付け、そのまま三回ジャンプした!
ショーウィンドウの屋根、テナントの看板、電柱のてっぺん、そしてビルの屋上にトドメのジャンプを決め、手すりの外に身を乗り出していた学生風の上半身を両足で挟み込んで屋上に倒れ込んだ。
ズサ
「このまま飛び降りたら、歩道のオネエサン巻き添えにしてるとこだったよ!」
「……………だ、だれ?」
パッシーーン!
「死ぬのは勝手だけど、人の迷惑も考えろ!」
我ながら、見事に平手と啖呵を決めてアホ男の自殺を食い止めた。
「ご、ごめんなさい……」
一言詫びると、アホ男はひっくり返ったカエルのようになって、涙と鼻水でグチャグチャになった。
ガチャ
屋上階段室のドアが開いて、警備員さんが二人やってくる。
もう大丈夫。ちょ、ヤバイ!
相反する二つの気持ちが湧いて、三分たったウルトラマンみたいに、あたしはトンズラを決めた。
え……いまの何? あたし、なにやったの!?
ふと我に返って、ビルを振り返る。
―― パンツ、青の縞々だった ――
な、なにを見てんのよおおおお(#°д°#)!
アホ男の想念が降ってきて、晩ご飯の買い物もすっとんで、まっしぐら家に帰るあたしだった。
☆彡 主な登場人物
風間 その 高校三年生
風間 その子 風間そのの祖母
3『風間そのの災難・3』
朝、校門で呼び止められて、注意されたこと以外には不幸なことはなかった。
予習が間に合わなかった英語も、前から順番にあてられて、あたしの前に座ってるAがもたついてるうちにチャイムが鳴って助かった。ほら、ナントカ坂46のAだよ。可愛いし、アイドルのハシクレだからいたぶりたくなる気持ちも分かるけどさ。英訳のBe動詞抜かしたぐらいでカラムことないと思うよ。オーラが通じたのか、チラッと振り向いたAは「テヘペロ」をかましてた。後ろの男子どもが胸キュンしてんのも伝わってきて……ま、いいんだけどさ。
昼休みの学食、階段の最後の二段ジャンプしたのが功を奏したのか、B定食は、あたしで売り切れ!
やったね。
隣のA定食(B定食より50円高い)はとっくに売り切れてた。
この瞬間に限っては、プロレタリアJK、ブスモブ風間そのの勝利なわけさ。
くたばれリア充!
思わず、トレー持つ手でVサイン。食堂のオバチャンが――よかったね(^_^;)――的に笑みを返してくれる。
これが、他の生徒だったら、オバチャンは、こんな風には微笑まなかったと思う。
オバチャンも、若いころからソレナリって感じしたし。通じるんだよねモブキャラ同士。
万国のモブキャラよ団結せよ!
モブの単純さ。それだけで、午後の授業は元気に居眠りするだけで乗り越えられた。
帰りの電車も空いてたわけじゃないんだけど、ちょうど乗ったドアの横の席が空いてて、ラッキー!
座ろうと思ったら、いっしゅん遅れてご老人が座る気で迫って来て――あ、どうぞ――的に譲ることができた。
もうワンテンポ遅れたら、人に声かけるのが苦手なあたしは、悶々として駅に着くまで座ってたと思うよ。
居眠り決め込むか、知らんぷりしてスマホいじってるかしてさ。そいで、隣に座ってる大学生風が「あ、どうぞ」的に席を譲って――おい、モブ子、ほんとはお前が代わるべきだろが――的に、ややあたしの前に寄って立つよ。
まあ、昨日が昨日だったから、この程度のモブラッキーはあってもいいよね。
よし、今日はお弁当じゃなくて、なにか作ろうか。
数少ない料理のレパを頭に巡らせながら改札を出る。
ピィーーーン
改札を出て、駅前のロータリーに踏み込んだとたん、耳鳴りのようなものがして、カバン持つ手が総毛だった。
ロータリーの斜め向こうの歩道を歩いているオネエサンが際立って見える。
このオネエサンに危機が迫ってる!
感じたとたんに体が動いた。
ガードレールをジャンプして、斜め向こうの歩道に着地すると同時にオネエサンを書店の壁に押し付け、そのまま三回ジャンプした!
ショーウィンドウの屋根、テナントの看板、電柱のてっぺん、そしてビルの屋上にトドメのジャンプを決め、手すりの外に身を乗り出していた学生風の上半身を両足で挟み込んで屋上に倒れ込んだ。
ズサ
「このまま飛び降りたら、歩道のオネエサン巻き添えにしてるとこだったよ!」
「……………だ、だれ?」
パッシーーン!
「死ぬのは勝手だけど、人の迷惑も考えろ!」
我ながら、見事に平手と啖呵を決めてアホ男の自殺を食い止めた。
「ご、ごめんなさい……」
一言詫びると、アホ男はひっくり返ったカエルのようになって、涙と鼻水でグチャグチャになった。
ガチャ
屋上階段室のドアが開いて、警備員さんが二人やってくる。
もう大丈夫。ちょ、ヤバイ!
相反する二つの気持ちが湧いて、三分たったウルトラマンみたいに、あたしはトンズラを決めた。
え……いまの何? あたし、なにやったの!?
ふと我に返って、ビルを振り返る。
―― パンツ、青の縞々だった ――
な、なにを見てんのよおおおお(#°д°#)!
アホ男の想念が降ってきて、晩ご飯の買い物もすっとんで、まっしぐら家に帰るあたしだった。
☆彡 主な登場人物
風間 その 高校三年生
風間 その子 風間そのの祖母
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
レオナルド先生創世記
ポルネス・フリューゲル
ファンタジー
ビッグバーンを皮切りに宇宙が誕生し、やがて展開された宇宙の背景をユーモアたっぷりにとてもこっけいなジャック・レオナルド氏のサプライズの幕開け、幕開け!
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる