26 / 100
26『お祖母ちゃんが突然やってきたワケ』
しおりを挟む
泣いてもω(オメガ) 笑ってもΣ(シグマ)
26『お祖母ちゃんが突然やってきたワケ』
お祖母ちゃんは思い立ったらすぐの人だ。
若いころに、お好み焼きのお店に入って「めちゃくちゃ美味しい!」と大感激。お勘定をしてもらいながらバイトを申し込み、三か月働いてノウハウを覚えると、直ぐに自分の店を出したらしい。
買い物に行って、人さまのムームーやアロハがダサいと感じて、あくる日には衣料品の店を出してしまったこともある。
お祖父ちゃんと出会ったら「この人だ!」と猛烈にアタック。一か月後には結婚し、十一カ月後にはお母さんが生まれている。
あたしが生まれた時も「神さまの啓示があった!」と叫んで飛行機に乗り、生まれた病院に直行し「孫娘を抱っこしたい!」と詰め寄った。新生児は24時間はガラス張りの新生児室から出せないので、ガラスに貼りついてスリスリしていたとか(^_^;)。
「お母さん、明日には抱っこできますから」
お父さんが言うと。
「義男さん、この子の名前!」
「え、あ、それはまだ」
「ミコになさいな、響きがいいし、縁起もいいの。字はね……」
電子辞書を出して検索し「美」が気に入って、その押し出しのまま、あたしに美子という名前を付けてしまった。
美子ってのは普通「よしこ」って読まれる。
以前は、名前を伝えるたびに「ミコって読みます」と注釈していた。
でも中学からこっちはシグマで通っているので、まっいいや。
今回は何を思い立ったかというと……。
「ミコ、この写真に写ってるのはなんという?」
うちに来るなり写真を見せた。ウインドブレーカーの下には、あのTシャツを着てるけどスルーしておく。
「えと、皇居?」
見たマンマを答える。
「んーーーーーミコもそうかぁ(-_-;)」
お祖母ちゃんは、まるで外人を見るような目であたしを見る。
てか、お祖母ちゃんこそ外人なんだけどね。
日本語はペラペラだけど、髪はブロンドで目は青い。
名前はミリー・ニノミヤ。お祖父ちゃんはとっくに亡くなったけど、お祖父ちゃんの苗字を大事にしている。
「写真に写ってるのは橋だろ?」
「え、ええ?」
確かに写っているのは皇居前広場から見た二重橋だ。
「不思議だよねーーーー」
ということで、先輩との約束をキャンセルして皇居前広場に行くことになった。
「ちょとスミマッセーン」
わざとカタコトの日本語になって皇居前広場の人たちに聞くから恥ずかしい。
お祖母ちゃんとあたしには共通点がある。
お祖母ちゃんの口もΣなんだ。
でも、お祖母ちゃんのΣ口はチャーミングだ。
チャーミングなΣ口をアヒル口とも言う。グニュっと尖がったところに愛嬌がある。
子どものころ、ディズニーランド(アメリカのね)に連れて行ってもらって、ドナルドダックに初めて会って、親類に違いないと思いこんだこともあるんだって。
普通の口でもアヒル口はできるけど、わざとらしくなる。お祖母ちゃんのは天然だし、アヒル口に見合った活発さと愛嬌がある。
わたしのアヒル口も天然なんだけど、肝心の活発さと愛嬌が無い。だから、ただ尖がってるとだけ認識されてΣと呼ばれる。
お母さんはΣでもアヒル口でもない普通。どうやらお祖母ちゃんの形質的隔世遺伝。
「お祖母ちゃんと比べっこしよう」
中学の時、鏡に映して比べさせられたことがある。
「ハハ、ミコとお祖母ちゃんはいっしょだね。口元がとってもチャーミング、そうだ! これTシャツにプリントしよう!」
お祖母ちゃんは、あたしとのツーショットをイラスト化してしまった。
「これ、お店でも良く売れてるよ!」
でもって、皇居前広場に来たあたしはおソロのTシャツ。肌寒いからと言い訳してカーディガンを着てるんだけどね。
とにかくエネルギッシュなお祖母ちゃんにはかないません。これで、先月は心臓発作で死にかけたんだけどね。
そんなお祖母ちゃんと、昨日と今日はアキバに来ている。
アキバはあたしのお庭みたいなもんなんだけど、久々にアキバでノビてしまった。
いろいろ話題を提供してくれるお祖母ちゃんなんだけど、またいずれお話します(^_^;)。
☆彡 主な登場人物
妻鹿雄一 (オメガ) 高校二年
百地美子 (シグマ) 高校一年
妻鹿小菊 中三 オメガの妹
妻鹿由紀夫 父
鈴木典亮 (ノリスケ) 高校二年 雄一の数少ない友だち
柊木小松(ひいらぎこまつ) 大学生 オメガの一歳上の従姉
ヨッチャン(田島芳子) 雄一の担任
26『お祖母ちゃんが突然やってきたワケ』
お祖母ちゃんは思い立ったらすぐの人だ。
若いころに、お好み焼きのお店に入って「めちゃくちゃ美味しい!」と大感激。お勘定をしてもらいながらバイトを申し込み、三か月働いてノウハウを覚えると、直ぐに自分の店を出したらしい。
買い物に行って、人さまのムームーやアロハがダサいと感じて、あくる日には衣料品の店を出してしまったこともある。
お祖父ちゃんと出会ったら「この人だ!」と猛烈にアタック。一か月後には結婚し、十一カ月後にはお母さんが生まれている。
あたしが生まれた時も「神さまの啓示があった!」と叫んで飛行機に乗り、生まれた病院に直行し「孫娘を抱っこしたい!」と詰め寄った。新生児は24時間はガラス張りの新生児室から出せないので、ガラスに貼りついてスリスリしていたとか(^_^;)。
「お母さん、明日には抱っこできますから」
お父さんが言うと。
「義男さん、この子の名前!」
「え、あ、それはまだ」
「ミコになさいな、響きがいいし、縁起もいいの。字はね……」
電子辞書を出して検索し「美」が気に入って、その押し出しのまま、あたしに美子という名前を付けてしまった。
美子ってのは普通「よしこ」って読まれる。
以前は、名前を伝えるたびに「ミコって読みます」と注釈していた。
でも中学からこっちはシグマで通っているので、まっいいや。
今回は何を思い立ったかというと……。
「ミコ、この写真に写ってるのはなんという?」
うちに来るなり写真を見せた。ウインドブレーカーの下には、あのTシャツを着てるけどスルーしておく。
「えと、皇居?」
見たマンマを答える。
「んーーーーーミコもそうかぁ(-_-;)」
お祖母ちゃんは、まるで外人を見るような目であたしを見る。
てか、お祖母ちゃんこそ外人なんだけどね。
日本語はペラペラだけど、髪はブロンドで目は青い。
名前はミリー・ニノミヤ。お祖父ちゃんはとっくに亡くなったけど、お祖父ちゃんの苗字を大事にしている。
「写真に写ってるのは橋だろ?」
「え、ええ?」
確かに写っているのは皇居前広場から見た二重橋だ。
「不思議だよねーーーー」
ということで、先輩との約束をキャンセルして皇居前広場に行くことになった。
「ちょとスミマッセーン」
わざとカタコトの日本語になって皇居前広場の人たちに聞くから恥ずかしい。
お祖母ちゃんとあたしには共通点がある。
お祖母ちゃんの口もΣなんだ。
でも、お祖母ちゃんのΣ口はチャーミングだ。
チャーミングなΣ口をアヒル口とも言う。グニュっと尖がったところに愛嬌がある。
子どものころ、ディズニーランド(アメリカのね)に連れて行ってもらって、ドナルドダックに初めて会って、親類に違いないと思いこんだこともあるんだって。
普通の口でもアヒル口はできるけど、わざとらしくなる。お祖母ちゃんのは天然だし、アヒル口に見合った活発さと愛嬌がある。
わたしのアヒル口も天然なんだけど、肝心の活発さと愛嬌が無い。だから、ただ尖がってるとだけ認識されてΣと呼ばれる。
お母さんはΣでもアヒル口でもない普通。どうやらお祖母ちゃんの形質的隔世遺伝。
「お祖母ちゃんと比べっこしよう」
中学の時、鏡に映して比べさせられたことがある。
「ハハ、ミコとお祖母ちゃんはいっしょだね。口元がとってもチャーミング、そうだ! これTシャツにプリントしよう!」
お祖母ちゃんは、あたしとのツーショットをイラスト化してしまった。
「これ、お店でも良く売れてるよ!」
でもって、皇居前広場に来たあたしはおソロのTシャツ。肌寒いからと言い訳してカーディガンを着てるんだけどね。
とにかくエネルギッシュなお祖母ちゃんにはかないません。これで、先月は心臓発作で死にかけたんだけどね。
そんなお祖母ちゃんと、昨日と今日はアキバに来ている。
アキバはあたしのお庭みたいなもんなんだけど、久々にアキバでノビてしまった。
いろいろ話題を提供してくれるお祖母ちゃんなんだけど、またいずれお話します(^_^;)。
☆彡 主な登場人物
妻鹿雄一 (オメガ) 高校二年
百地美子 (シグマ) 高校一年
妻鹿小菊 中三 オメガの妹
妻鹿由紀夫 父
鈴木典亮 (ノリスケ) 高校二年 雄一の数少ない友だち
柊木小松(ひいらぎこまつ) 大学生 オメガの一歳上の従姉
ヨッチャン(田島芳子) 雄一の担任
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる