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197『桃太郎鉄道』
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RE・かの世界この世界
197『桃太郎鉄道』テル
パオ~~ン
のどかに警笛を鳴らし、桃太郎鉄道は岡山駅を出発する。
ゴトンゴトン ゴトンゴトン
二両連結の列車はジオラマのオブジェのような山の裾を巡ると、直ぐに小川を跨ぎ、お伽話の挿絵のように穏やかで可愛い山の谷間に入る。
途中の踏切では通学途中の小学生が手を振って、牛が「モオオ~」と鳴き、空にはトンビがピーヒョロロ。
さっき渡った小川は、いつの間にかせせらぎの音をさせながら鉄路に並んで流れている。
まるで、身体が縮んで本当にジオラマの世界に入ったようだ。
ゴトンゴトン ゴトンゴトン
ケイトと桃太郎二号は、子どものようにシートの上で正座して景色に見入っている。
「うわあ!」
「開けてきた!」
谷間を抜けると、一気に視界が開け列車は吉備平野に飛び出した。
ゴトンゴトン ゴトンゴトン
平野と言っても北海道のそれや、関東平野ほどに広くはなく、ムヘンのそれのように荒涼としていることもない。
小さな山や村落が適度に散らばり送電鉄塔と相まって、いいアクセントになっている。
うさぎ追いしかの山~小ぶな釣りしかの川~♪
童謡の古典が口をついて出てきてしまう。
「あれは丘か? ところどころに形のいい森か小山のようなのが見えるが」
ヒルデがあちこち指をさす。
「あれは古墳だよ」
「コフン?」
「ああ、昔の豪族たちのお墓、年月が経って森のようになったのよ。神域として祀られているものもある」
「そうか……イザナギ殿、あなたがイザナミさんと生んだ国は豊かで平和に成長しているではないか」
「恐れ入ります、これも桃太郎くんたちが努力してくれた結果でしょう。わたしとイザナミは器としての国を生んだだけです」
なんと、謙虚な……と思ったら、ヒルデが目を赤くしている。
「麗しい……我が父は、世界を平定するのにかまけて、ここまでの国造りには気が回っておられぬ」
「ヒルデさん、それで、そのように甲冑をまとわれておられるのですか」
「ああ、けして父オーディンの大業を非難するものではないが、未だにラグナロクの戦略を練ることで手いっぱいの状況だ」
「お、俺もがんばるからな!」
桃太郎二号が拳を上げて振り返る。
シートに後ろ向きにお座りしてのファイティングポーズ。憎たらしい奴だが、ちょっと可愛い。
思ったが、口にすると頭に乗るから言わない。
「あそこに城跡がある」
タングリスがマップと景色を見比べて指をさす。
「城跡、あの公園のようなところがか?」
「はい、殿下、備中高松城とあります。秀吉という武将が、あの足守川を堰き止めて水攻めで落城させたとあります」
「なんと気宇壮大な……高松城の兵たちは水に溺れて死んだか?」
「いえ、勝ち目がないと降参し、秀吉も、それを受けて城主一人の命をとるだけで許してやったようです」
「え、そうなのか!? 我々の常識では皆殺し、さもなければ、次の戦いで最前線に立たせて敵の的にするぞ!」
「どうも、この国の有りようは違うようです」
「お、俺だって、降参してくれば、たとえ鬼でも優しくしてやるからな(;`O´)o」
「興奮するな桃太郎二号、シートが傷むだろーが!」
ケイトに叱られて、格好がつかないので、きび団子をやけ食いする桃太郎二号。
「そろそろ総社市、ここからは山だから、ちょっと腹ごしらえして行こう」
駅に着いて楽しく昼食をとる一行だったが、桃太郎二号はきびだんごの食べ過ぎで、胃腸薬を飲んだだけだった(^_^;)。
☆ ステータス
HP:20000 MP:400 属性:テル=剣士 ケイト=弓兵・ヒーラー
持ち物:ポーション・300 マップ:16 金の針:60 福袋 所持金:450000ギル(リポ払い残高0ギル)
装備:剣士の装備レベル55(トールソード) 弓兵の装備レベル55(トールボウ)
技: ブリュンヒルデ(ツイントルネード) ケイト(カイナティックアロー) テル(マジックサイト)
白魔法: ケイト(ケアルラ) 空蝉の術
オーバードライブ: ブロンズスプラッシュ(テル) ブロンズヒール(ケイト) 思念爆弾
☆ 主な登場人物
―― かの世界 ――
テル(寺井光子) 二年生 今度の世界では小早川照姫
ケイト(小山内健人) 照姫の幼なじみ 異世界のペギーにケイトに変えられる
ブリュンヒルデ 主神オーディンの娘の姫騎士
タングリス トール元帥の副官 ブリの世話係
タングニョースト トール元帥の副官 ノルデン鉄橋で辺境警備隊に転属
ロキ ヴァイゼンハオスの孤児
ポチ シリンダーの幼体 82回目で1/12サイズの人形に擬態
ペギー 異世界の万屋
ユーリア ヘルム島の少女
その他 フギンとムニン(デミゴッドブルグのホテルのオーナー夫婦)
日本神話の神と人物 イザナギ イザナミ 那須与一 桃太郎 因幡の白兎
197『桃太郎鉄道』テル
パオ~~ン
のどかに警笛を鳴らし、桃太郎鉄道は岡山駅を出発する。
ゴトンゴトン ゴトンゴトン
二両連結の列車はジオラマのオブジェのような山の裾を巡ると、直ぐに小川を跨ぎ、お伽話の挿絵のように穏やかで可愛い山の谷間に入る。
途中の踏切では通学途中の小学生が手を振って、牛が「モオオ~」と鳴き、空にはトンビがピーヒョロロ。
さっき渡った小川は、いつの間にかせせらぎの音をさせながら鉄路に並んで流れている。
まるで、身体が縮んで本当にジオラマの世界に入ったようだ。
ゴトンゴトン ゴトンゴトン
ケイトと桃太郎二号は、子どものようにシートの上で正座して景色に見入っている。
「うわあ!」
「開けてきた!」
谷間を抜けると、一気に視界が開け列車は吉備平野に飛び出した。
ゴトンゴトン ゴトンゴトン
平野と言っても北海道のそれや、関東平野ほどに広くはなく、ムヘンのそれのように荒涼としていることもない。
小さな山や村落が適度に散らばり送電鉄塔と相まって、いいアクセントになっている。
うさぎ追いしかの山~小ぶな釣りしかの川~♪
童謡の古典が口をついて出てきてしまう。
「あれは丘か? ところどころに形のいい森か小山のようなのが見えるが」
ヒルデがあちこち指をさす。
「あれは古墳だよ」
「コフン?」
「ああ、昔の豪族たちのお墓、年月が経って森のようになったのよ。神域として祀られているものもある」
「そうか……イザナギ殿、あなたがイザナミさんと生んだ国は豊かで平和に成長しているではないか」
「恐れ入ります、これも桃太郎くんたちが努力してくれた結果でしょう。わたしとイザナミは器としての国を生んだだけです」
なんと、謙虚な……と思ったら、ヒルデが目を赤くしている。
「麗しい……我が父は、世界を平定するのにかまけて、ここまでの国造りには気が回っておられぬ」
「ヒルデさん、それで、そのように甲冑をまとわれておられるのですか」
「ああ、けして父オーディンの大業を非難するものではないが、未だにラグナロクの戦略を練ることで手いっぱいの状況だ」
「お、俺もがんばるからな!」
桃太郎二号が拳を上げて振り返る。
シートに後ろ向きにお座りしてのファイティングポーズ。憎たらしい奴だが、ちょっと可愛い。
思ったが、口にすると頭に乗るから言わない。
「あそこに城跡がある」
タングリスがマップと景色を見比べて指をさす。
「城跡、あの公園のようなところがか?」
「はい、殿下、備中高松城とあります。秀吉という武将が、あの足守川を堰き止めて水攻めで落城させたとあります」
「なんと気宇壮大な……高松城の兵たちは水に溺れて死んだか?」
「いえ、勝ち目がないと降参し、秀吉も、それを受けて城主一人の命をとるだけで許してやったようです」
「え、そうなのか!? 我々の常識では皆殺し、さもなければ、次の戦いで最前線に立たせて敵の的にするぞ!」
「どうも、この国の有りようは違うようです」
「お、俺だって、降参してくれば、たとえ鬼でも優しくしてやるからな(;`O´)o」
「興奮するな桃太郎二号、シートが傷むだろーが!」
ケイトに叱られて、格好がつかないので、きび団子をやけ食いする桃太郎二号。
「そろそろ総社市、ここからは山だから、ちょっと腹ごしらえして行こう」
駅に着いて楽しく昼食をとる一行だったが、桃太郎二号はきびだんごの食べ過ぎで、胃腸薬を飲んだだけだった(^_^;)。
☆ ステータス
HP:20000 MP:400 属性:テル=剣士 ケイト=弓兵・ヒーラー
持ち物:ポーション・300 マップ:16 金の針:60 福袋 所持金:450000ギル(リポ払い残高0ギル)
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技: ブリュンヒルデ(ツイントルネード) ケイト(カイナティックアロー) テル(マジックサイト)
白魔法: ケイト(ケアルラ) 空蝉の術
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