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217『桃太郎二号と薪拾い』
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RE・かの世界この世界
217『桃太郎二号と薪拾い』テル
桃太郎二号と薪を求めて山に踏み込む。
カテンの森(152回)ほどではないが、繁茂している木々はどれも神社の御神木ほどの高さと太さがあって、日の光の半ば以上を遮っている。
黄泉の国が間近いせいか、どの木々も枝ぶりや木の肌が醜怪だ。薪にすると、その炎は鬼火のように青く燃えるのかもしれない。
「なるべく乾いたのを選べよ、生乾きの薪は燻るだけだからな」
「おう、少しは日の当たるところもあるから、そこを狙おうぜ」
「足下に気を付けろ、苔で滑りそうだし根っこもウネウネ這ってるからな」
「うん、どの木も鬼の腕とか脚みたいだなぁ……」
「みたいなだけだ、乾いたのを選べばいい薪になる。それなんかいいと思うぞ」
「おう……黄泉の国は鬼もいっぱいなんだろうな」
「鬼退治がしたくなったか?」
「おう、桃太郎だからな」
「しかし、イザナギさんでも中には入れない。イザナミさんが黄泉の神さまの許可を得て出てくるのを待つだけだ」
「お、おう……でも、こうやって、みんなで待ってるのも悪かねえかもな」
「ほう……」
「ただ薪を拾ってるだけでもよ、あとで、みんなで火を囲んで、みんなで暖かい飯を食うのも捨てたもんじゃねえ……かもな」
「へえ、そうなのか」
「岡山に居る時はきび団子ばっかだったからよ、鬼ノ城で焚火囲んで飯食ったじゃねえか」
「ああ、きび団子も櫛にさして焼いたなあ」
「アハハ、あれは在庫整理みたいなもんだ。一人の時は、あんまり焼いて食べたりはしねえんだ」
「そうなのか?」
「焼き冷ましはカチカチで食えたもんじゃねえから、あんまりやらねえ。ま、今夜は人数も多いし、いっぱい焼くつもりだけどな」
「そうか、それは楽しみだな……よし、ここはこれくらいか、つぎ行くぞ」
「お、おう」
一カ所で拾える薪はしれているが、木漏れ日の日向はけっこうありそうだ。
「テルのねえちゃんは、鬼とか見たことあるのか?」
「厳密には鬼とは言えないかもだけど、クリーチャーとかな……」
ムヘンで出くわしたクリーチャーたちが頭を巡る。
シリンダー……プレパラート……メデューサ……エスナルの悪魔……
クリーチャーだけではない、共に戦った仲間たち……まだ、こっちの世界では姿を見せていない者も多い。
ロキ……ユーリア……ポチ……またどこかで出会えるんだろうか。
わたしを、ここに送り出してくれた二人の先輩。
それに、断末魔に、それこそ鬼の形相を見せた親友。
そうだ、桃太郎二号だけじゃない。わたしの異世界の旅も、そういう旅なんだ。
「テル?」
「あ、ああ、ごめん。なんかボーっとしていた」
「これぐらいあれば、とりあえずいいんじゃねえか?」
「あ、ああ、そうだな(^_^;)」
いつのまにか山ほどの薪をあつめてしまって、桃太郎二号と簡単な橇をつくって、みんなの待つ広場に運んだ。
☆ ステータス
HP:20000 MP:400 属性:テル=剣士 ケイト=弓兵・ヒーラー
持ち物:ポーション・300 マップ:16 金の針:60 福袋 所持金:450000ギル(リポ払い残高0ギル)
装備:剣士の装備レベル55(トールソード) 弓兵の装備レベル55(トールボウ)
技: ブリュンヒルデ(ツイントルネード) ケイト(カイナティックアロー) テル(マジックサイト)
白魔法: ケイト(ケアルラ) 空蝉の術
オーバードライブ: ブロンズスプラッシュ(テル) ブロンズヒール(ケイト) 思念爆弾
☆ 主な登場人物
―― かの世界 ――
テル(寺井光子) 二年生 今度の世界では小早川照姫
ケイト(小山内健人) 照姫の幼なじみ 異世界のペギーにケイトに変えられる
ブリュンヒルデ 主神オーディンの娘の姫騎士
タングリス トール元帥の副官 ブリの世話係
タングニョースト トール元帥の副官 ノルデン鉄橋で辺境警備隊に転属
ロキ ヴァイゼンハオスの孤児
ポチ シリンダーの幼体 82回目で1/12サイズの人形に擬態
ペギー 異世界の万屋
ユーリア ヘルム島の少女
その他 フギンとムニン(デミゴッドブルグのホテルのオーナー夫婦)
日本神話の神と人物 イザナギ イザナミ 那須与一 桃太郎 因幡の白兎 雪舟ねずみ 櫛名田比売 ヨネコ
―― この世界 ――
二宮冴子 二年生 不幸な事故で光子に殺される 回避しようとすれば光子の命が無い
中臣美空 三年生 セミロングで『かの世部』部長
志村時美 三年生 ポニテの『かの世部』副部長
217『桃太郎二号と薪拾い』テル
桃太郎二号と薪を求めて山に踏み込む。
カテンの森(152回)ほどではないが、繁茂している木々はどれも神社の御神木ほどの高さと太さがあって、日の光の半ば以上を遮っている。
黄泉の国が間近いせいか、どの木々も枝ぶりや木の肌が醜怪だ。薪にすると、その炎は鬼火のように青く燃えるのかもしれない。
「なるべく乾いたのを選べよ、生乾きの薪は燻るだけだからな」
「おう、少しは日の当たるところもあるから、そこを狙おうぜ」
「足下に気を付けろ、苔で滑りそうだし根っこもウネウネ這ってるからな」
「うん、どの木も鬼の腕とか脚みたいだなぁ……」
「みたいなだけだ、乾いたのを選べばいい薪になる。それなんかいいと思うぞ」
「おう……黄泉の国は鬼もいっぱいなんだろうな」
「鬼退治がしたくなったか?」
「おう、桃太郎だからな」
「しかし、イザナギさんでも中には入れない。イザナミさんが黄泉の神さまの許可を得て出てくるのを待つだけだ」
「お、おう……でも、こうやって、みんなで待ってるのも悪かねえかもな」
「ほう……」
「ただ薪を拾ってるだけでもよ、あとで、みんなで火を囲んで、みんなで暖かい飯を食うのも捨てたもんじゃねえ……かもな」
「へえ、そうなのか」
「岡山に居る時はきび団子ばっかだったからよ、鬼ノ城で焚火囲んで飯食ったじゃねえか」
「ああ、きび団子も櫛にさして焼いたなあ」
「アハハ、あれは在庫整理みたいなもんだ。一人の時は、あんまり焼いて食べたりはしねえんだ」
「そうなのか?」
「焼き冷ましはカチカチで食えたもんじゃねえから、あんまりやらねえ。ま、今夜は人数も多いし、いっぱい焼くつもりだけどな」
「そうか、それは楽しみだな……よし、ここはこれくらいか、つぎ行くぞ」
「お、おう」
一カ所で拾える薪はしれているが、木漏れ日の日向はけっこうありそうだ。
「テルのねえちゃんは、鬼とか見たことあるのか?」
「厳密には鬼とは言えないかもだけど、クリーチャーとかな……」
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クリーチャーだけではない、共に戦った仲間たち……まだ、こっちの世界では姿を見せていない者も多い。
ロキ……ユーリア……ポチ……またどこかで出会えるんだろうか。
わたしを、ここに送り出してくれた二人の先輩。
それに、断末魔に、それこそ鬼の形相を見せた親友。
そうだ、桃太郎二号だけじゃない。わたしの異世界の旅も、そういう旅なんだ。
「テル?」
「あ、ああ、ごめん。なんかボーっとしていた」
「これぐらいあれば、とりあえずいいんじゃねえか?」
「あ、ああ、そうだな(^_^;)」
いつのまにか山ほどの薪をあつめてしまって、桃太郎二号と簡単な橇をつくって、みんなの待つ広場に運んだ。
☆ ステータス
HP:20000 MP:400 属性:テル=剣士 ケイト=弓兵・ヒーラー
持ち物:ポーション・300 マップ:16 金の針:60 福袋 所持金:450000ギル(リポ払い残高0ギル)
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技: ブリュンヒルデ(ツイントルネード) ケイト(カイナティックアロー) テル(マジックサイト)
白魔法: ケイト(ケアルラ) 空蝉の術
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