73 / 432
073『ニャンコの名前』
しおりを挟む
せやさかい
073『ニャンコの名前』
ニャンコがうちの子になると決まって、部活はうちの家でやることになった。
留美ちゃんも頼子さんもニャンコを引き取りたそうにしてたんやけど、家族のネコアレルギーとかででけへんくなった。
あたしが預かることになって、うちに来たそうにしてたけど、いずれは飼い主に返さならあかんと思うと、言い出されへんかったんやね。ほかにも、ニャンコを見たらはしゃいでしもて迷惑かけるんちゃうやろかとか、気ぃもつこてたみたい。
「え、まだ名前つけてなかったの!?」
ニャンコと再会するなり「名前は、なんて付けたの?」と、留美ちゃん。
「えと、まだ絞り切れてないさかい、とりあえず『ネコちゃん』やねんけど」
「それは、早く付けてあげなきゃ『ネコちゃん』で憶えてしまったら、変えられないよ」
「あ、そうですねえ」
じつは困ってた。そやかて、名前つけるっていうのは、めっちゃむつかしい。
ゲームで、アバターとか作ったり、主人公に名前つけならあかんかったりするでしょ。そんなとき、なかなか名前決められへん人なんです。
さくらいう自分の名前もね、気に入ってはいるねんけど、小学四年のとき『男はつらいよ』のDVD観てて寅さんの妹が『桜』いうのにショック!
倍賞千恵子さんの桜は、めっちゃ美人で可愛くて、お兄ちゃん思いで、人付き合いもうまくて、家事も仕事もチャッチャとこなして、歌もメゾソプラノのキレイな声で……憧れ持つのもおこがましいほどの女性。そんな桜に圧倒されてたら、お母さんが、こない言うた。
「お父さんと二人でね、この倍賞さんの桜みたいな女の子になったらいいなって、それで付けたんだよ」
慰めになりませんやんか(-_-;)
よけいに重たなる。お父さんは、家を出てったきりという点では寅さんに似てるけど。いやいやちゃう。寅さんは、ときたま帰って来るけど、お父さんは帰ってこーへん。
むろん、お母さんは、寅さんになぞらえることで、娘に希望を持たせたかったんや。
あんたは倍賞さんの桜みたいにええ子やねんで……とか。お父さんも、そのうち帰って来るとか……ね。
そやけど、うちは、ただただ圧倒されてたんです。
あ、そうそう、ニャンコの名前。
けっきょく、頼子さん、留美ちゃん、それに、うちの家族が思いついた名前を一つ一つ呼んでみることにする。
それでニャンコが反応したら、それに決めることにした。
テイ兄ちゃんの案は最初から外しとく。なんせ『とら』とか『くま』やさかい。
たま ミケ ショコラ ソラ モモ ココ マル ムギ きなこ りん メイ ナナ
候補に挙がった五十ちょっとの名前で呼ぶんやけど、ニャンコはキョトンとしてる。
ネコちゃん
ミャー
あかんあかん、ネコちゃんで憶えかけてる。
「もう、ネコちゃんでええんちゃうん」
「テイ兄ちゃん!」
いつのまにか、うちの家族も集まってきて廊下から覗いてる。
「こんなん、どうや」
お祖父ちゃんが、不肖の孫を押しのけて入ってきた。
ダミア
お祖父ちゃんが呼びかけると、ニャンコはチリンと鈴を鳴らして「ニャーー」と返事をした。
「どうやら、気に入ったようやなあ」
なんかナッツみたいと思たけど、あたしも『ダミア』と呼んでみる。
ニャー
返事しただけやのうて、トテトテとあたしの膝元に歩いてきた。
かくして、ネコちゃんの名前は『ダミア』と決まった。
073『ニャンコの名前』
ニャンコがうちの子になると決まって、部活はうちの家でやることになった。
留美ちゃんも頼子さんもニャンコを引き取りたそうにしてたんやけど、家族のネコアレルギーとかででけへんくなった。
あたしが預かることになって、うちに来たそうにしてたけど、いずれは飼い主に返さならあかんと思うと、言い出されへんかったんやね。ほかにも、ニャンコを見たらはしゃいでしもて迷惑かけるんちゃうやろかとか、気ぃもつこてたみたい。
「え、まだ名前つけてなかったの!?」
ニャンコと再会するなり「名前は、なんて付けたの?」と、留美ちゃん。
「えと、まだ絞り切れてないさかい、とりあえず『ネコちゃん』やねんけど」
「それは、早く付けてあげなきゃ『ネコちゃん』で憶えてしまったら、変えられないよ」
「あ、そうですねえ」
じつは困ってた。そやかて、名前つけるっていうのは、めっちゃむつかしい。
ゲームで、アバターとか作ったり、主人公に名前つけならあかんかったりするでしょ。そんなとき、なかなか名前決められへん人なんです。
さくらいう自分の名前もね、気に入ってはいるねんけど、小学四年のとき『男はつらいよ』のDVD観てて寅さんの妹が『桜』いうのにショック!
倍賞千恵子さんの桜は、めっちゃ美人で可愛くて、お兄ちゃん思いで、人付き合いもうまくて、家事も仕事もチャッチャとこなして、歌もメゾソプラノのキレイな声で……憧れ持つのもおこがましいほどの女性。そんな桜に圧倒されてたら、お母さんが、こない言うた。
「お父さんと二人でね、この倍賞さんの桜みたいな女の子になったらいいなって、それで付けたんだよ」
慰めになりませんやんか(-_-;)
よけいに重たなる。お父さんは、家を出てったきりという点では寅さんに似てるけど。いやいやちゃう。寅さんは、ときたま帰って来るけど、お父さんは帰ってこーへん。
むろん、お母さんは、寅さんになぞらえることで、娘に希望を持たせたかったんや。
あんたは倍賞さんの桜みたいにええ子やねんで……とか。お父さんも、そのうち帰って来るとか……ね。
そやけど、うちは、ただただ圧倒されてたんです。
あ、そうそう、ニャンコの名前。
けっきょく、頼子さん、留美ちゃん、それに、うちの家族が思いついた名前を一つ一つ呼んでみることにする。
それでニャンコが反応したら、それに決めることにした。
テイ兄ちゃんの案は最初から外しとく。なんせ『とら』とか『くま』やさかい。
たま ミケ ショコラ ソラ モモ ココ マル ムギ きなこ りん メイ ナナ
候補に挙がった五十ちょっとの名前で呼ぶんやけど、ニャンコはキョトンとしてる。
ネコちゃん
ミャー
あかんあかん、ネコちゃんで憶えかけてる。
「もう、ネコちゃんでええんちゃうん」
「テイ兄ちゃん!」
いつのまにか、うちの家族も集まってきて廊下から覗いてる。
「こんなん、どうや」
お祖父ちゃんが、不肖の孫を押しのけて入ってきた。
ダミア
お祖父ちゃんが呼びかけると、ニャンコはチリンと鈴を鳴らして「ニャーー」と返事をした。
「どうやら、気に入ったようやなあ」
なんかナッツみたいと思たけど、あたしも『ダミア』と呼んでみる。
ニャー
返事しただけやのうて、トテトテとあたしの膝元に歩いてきた。
かくして、ネコちゃんの名前は『ダミア』と決まった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?
藍沢咲良
恋愛
一色唯(Ishiki Yui )、最近ちょっと苛々しがちの27歳。
結婚適齢期だなんて言葉、誰が作った?彼氏がいなきゃ寂しい女確定なの?
もう、みんな、うるさい!
私は私。好きに生きさせてよね。
この世のしがらみというものは、20代後半女子であっても放っておいてはくれないものだ。
彼氏なんていなくても。結婚なんてしてなくても。楽しければいいじゃない。仕事が楽しくて趣味も充実してればそれで私の人生は満足だった。
私の人生に彩りをくれる、その人。
その人に、私はどうやら巡り合わないといけないらしい。
⭐︎素敵な表紙は仲良しの漫画家さんに描いて頂きました。著作権保護の為、無断転載はご遠慮ください。
⭐︎この作品はエブリスタでも投稿しています。
『【朗報】ボッチの僕、実は世界一の財閥の御曹司だった。〜18年の庶民修行を終えた瞬間、美少女11人が「専属秘書」として溺愛してくる件〜』
まさき
青春
「あんたみたいなボッチ、一生底辺のまま卒業ね」
学園の女王、高飛車な生徒会長、そして冷徹な美少女たち……。
天涯孤独でボッチな僕、佐藤(※苗字のみ使用)は、彼女たちからゴミを見るような目で見られ、虐げられる日々を送っていた。
だが、彼らには決して言えない秘密があった。
それは、僕が世界一の資産を誇る**『世界最強財閥』の唯一の跡継ぎであること。
そして、18歳になるまで一切の援助を受けずに生き抜く【庶民修行】**の最中であること。
そして運命の誕生日、午前0時。
修行終了を告げる通知がスマホに届いた瞬間、僕の世界は一変する。
「おめでとうございます、お坊ちゃま。これより『11人の専属秘書候補』による、真の主従関係を開始いたします」
昨日まで僕を蔑んでいた学園の美少女たちが、手のひらを返して膝をつく。
彼女たちの正体は、財閥が僕のために選りすぐった、愛が重すぎるエリート秘書たちだった――。
「ずっとおそばでお仕えしたかったんです……」
「昨日までの暴言は、修行を完遂させるための演技。今日からは全身全霊で甘やかさせていただきますね?」
24時間体制の過保護な奉仕、競い合うような求愛、そして財力による圧倒的なざまぁ。
ボッチだった僕の日常は、11人の美女たちに全肯定され、溺愛し尽くされる甘すぎる生活へと塗り替えられていく。
それぞれの道
真田直樹
現代文学
主な登場人物
藤川優斗(ふじかわ ゆうと)
高校野球部ショート。堅実な守備と冷静な判断力が武器。チームの精神的支柱。
丹羽雅人(にわ まさと)
野球部エースピッチャー。豪速球と強気の性格。優斗とは中学からの親友。
尾上紀子(おのえ のりこ)
吹奏楽部トランペット担当。県大会常連校の中心メンバー。優斗に密かな想い。
富田さゆり(とみた さゆり)
演劇部。表現力が高く、舞台では別人のようになる。クラスのムードメーカー。
親愛なる後輩くん
さとう涼
恋愛
「神崎部長は、僕と結城さんがつき合っているのを知りながら彼女に手を出したんですよ」
雨宮一紗(33歳)。離婚して3年。
同じ会社に勤める元夫・神崎敦朗と復縁したくて、ある日食事に誘ったら、神崎から恋人がいると知らされる。相手は20代の部下・結城史奈だという。
さらに神崎のもうひとりの部下である蓮見閑《しずか》から、彼女(結城)を神崎に略奪されたと聞かされてしまい、大きなショックを受ける……。
幼き改革者、皇孫降臨 〜三歳にして朝廷を震わせる〜
由香
キャラ文芸
瑞栄王朝の皇孫・凌曜は、わずか三歳。
泣かず、騒がず、ただ静かに周囲を見つめる幼子だった。
しかしその「無邪気な疑問」は、後宮の不正を暴き、腐敗した朝廷を揺るがしていく。
皇帝である祖父の絶対的な溺愛と後ろ盾のもと、血を流すことなく失脚者を生み、国の歪みを正していく凌曜。
やがて反改革派の最後の抵抗を越え、彼は“決める者”ではなく、“問い続ける存在”として朝廷に立つ。
これは、剣も権謀も持たぬ幼き改革者が、「なぜ?」という一言で国を変えていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる