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186『スカイプで部活はできません』
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せやさかい
186『スカイプで部活はできません』さくら
せり なずな ごぎょう はこべら すずな すずしろ……
ここまで言うて、銀之助は詰まってしまう。
『えと……』
モニターの前で腕組みして、いけずなわたしはニヤニヤ笑う。
『もう一回!』
「はい、どうぞどうぞ」
『せり なずな ごぎょう はこべら すずな すずしろ……』
やっぱり詰まる。
「ブッブー、時間切れ。まあ、緊急事態宣言も出てんねんさかい、家でおとなしいしてなさい」
『せんぱ~い(´;ω;`)ウゥゥ』
あたしは、無慈悲にスカイプをオフにして、すっかり冷めた紅茶を飲み干す。
銀之助て憶えてますか?
うちら文芸部のニューフェイス。
せやけど、入部したのは三カ月も続いたコ□ナ休校のあとで、ろくに部活もでけへんうちに、今度のコ□ナの二次ピーク。
文芸部というのは三密が前提の部活やさかいねえ。
いや、世間の文芸部は知らんけどね。うちらの文芸部は、リアルに顔つき合わせならでけへんのです。
そもそも、うちの文芸部は聖真理愛女学院に進学した頼子さんが作った部活で、文芸の研究をするというよりは、文芸を言い訳にマッタリとお茶してる部活なんです。
せやさかい、会社のテレワークみたいにスカイプなんかでは意味ないんですわ。
それでも部活をやりたいという銀之助に「ほんなら、春の七草全部言えたら考えたるわ」と言うと、うちの後ろでお茶してる詩(ことは)ちゃんは「さくらも、いけずだ」とニヤニヤ。
「せやけど『ほとけのざ』を抜かすのんは許されへんでしょ、お寺の座敷使うて部活やってんのに」
「ハハ、ま、それはそうだけどね……う、お茶飲み過ぎた……」
プルっと身震いすると詩ちゃんはトイレに立っていった。
ムニャー(=^・^=)
見かけの割にはかいらしい鳴き声でダミアがお布団から出てくる。
ダミアも一歳半。首の鈴も、いつの間にか体格相応の大きさになった。体重は、すでに5キロ。
もう、子ネコのころの面影はありません。
鸞ちゃんが引き取った子ネコが、ちょっと羨ましくなる。
ニャウ!?
心が読めたんか、マジな顔して睨まれる。
さて、お風呂に入って寝よか。
思って立ち上がると、キンコンキンコンと着メロがして、ツケッパにしてた画面に留美ちゃんが現れた。
だらしなく出てしもたシャツをスェットに押し込みながら、出たばっかりのコタツに戻る。
「あ、留美ちゃ~ん(^_^;)」
『どうしよう、さくらちゃん……』
モニターの画面でもはっきりわかるほど留美ちゃんの顔色が悪い。
「どないしたん、なんかあったん?」
『お母さんが……お母さんが……コ□ナに罹っちゃった』
「え、ええ!?」
息すんのん忘れそうになった……。
186『スカイプで部活はできません』さくら
せり なずな ごぎょう はこべら すずな すずしろ……
ここまで言うて、銀之助は詰まってしまう。
『えと……』
モニターの前で腕組みして、いけずなわたしはニヤニヤ笑う。
『もう一回!』
「はい、どうぞどうぞ」
『せり なずな ごぎょう はこべら すずな すずしろ……』
やっぱり詰まる。
「ブッブー、時間切れ。まあ、緊急事態宣言も出てんねんさかい、家でおとなしいしてなさい」
『せんぱ~い(´;ω;`)ウゥゥ』
あたしは、無慈悲にスカイプをオフにして、すっかり冷めた紅茶を飲み干す。
銀之助て憶えてますか?
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せやけど、入部したのは三カ月も続いたコ□ナ休校のあとで、ろくに部活もでけへんうちに、今度のコ□ナの二次ピーク。
文芸部というのは三密が前提の部活やさかいねえ。
いや、世間の文芸部は知らんけどね。うちらの文芸部は、リアルに顔つき合わせならでけへんのです。
そもそも、うちの文芸部は聖真理愛女学院に進学した頼子さんが作った部活で、文芸の研究をするというよりは、文芸を言い訳にマッタリとお茶してる部活なんです。
せやさかい、会社のテレワークみたいにスカイプなんかでは意味ないんですわ。
それでも部活をやりたいという銀之助に「ほんなら、春の七草全部言えたら考えたるわ」と言うと、うちの後ろでお茶してる詩(ことは)ちゃんは「さくらも、いけずだ」とニヤニヤ。
「せやけど『ほとけのざ』を抜かすのんは許されへんでしょ、お寺の座敷使うて部活やってんのに」
「ハハ、ま、それはそうだけどね……う、お茶飲み過ぎた……」
プルっと身震いすると詩ちゃんはトイレに立っていった。
ムニャー(=^・^=)
見かけの割にはかいらしい鳴き声でダミアがお布団から出てくる。
ダミアも一歳半。首の鈴も、いつの間にか体格相応の大きさになった。体重は、すでに5キロ。
もう、子ネコのころの面影はありません。
鸞ちゃんが引き取った子ネコが、ちょっと羨ましくなる。
ニャウ!?
心が読めたんか、マジな顔して睨まれる。
さて、お風呂に入って寝よか。
思って立ち上がると、キンコンキンコンと着メロがして、ツケッパにしてた画面に留美ちゃんが現れた。
だらしなく出てしもたシャツをスェットに押し込みながら、出たばっかりのコタツに戻る。
「あ、留美ちゃ~ん(^_^;)」
『どうしよう、さくらちゃん……』
モニターの画面でもはっきりわかるほど留美ちゃんの顔色が悪い。
「どないしたん、なんかあったん?」
『お母さんが……お母さんが……コ□ナに罹っちゃった』
「え、ええ!?」
息すんのん忘れそうになった……。
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