219 / 432
219『朝顔の双葉が開いた』
しおりを挟む
せやさかい
219『朝顔の双葉が開いた』さくら
きのう双葉が出てきて、今朝は開いてました!
朝顔ですよ! 朝顔!
なんであろうと人や物が成長するのは嬉しいもんです。
小学一年生のころ、初めてつけた朝顔日記の興奮が蘇ってきます。
お母さんと二人、百均で買ってきた鉢に種を撒いた……というか、二センチくらいの穴をあけて種を入れた。
「え、なんでお尻切るのん!?」
お母さんがカッターナイフで種のお尻を小さく切ったんで、ビックリ!
「種も人間も、ちょっと傷があるくらいのが伸びるんだよ」
もっともなようやけど、その時、ニタリと笑ってたお母さんは、ちょっと怖かった(^_^;)
双葉が出てきた時は、二個の種が合体したんやと思た。
あくる日には、もう一個双葉が出て来たんで、種の力が余って分身の術をつかったんちゃうやろかとカンドウした!
カッターナイフを出して、お母さんに迫った。
「お母さん、さくらのお尻も切って!」
「え、え、なに(;'∀')!?」
「お尻切ったら成長がはやい!」
アホやったんですわ(-_-;)
でも、母さんは応えてくれた。
「それやったら、生まれた時に切ったよ」
「え、ほんま( ゜Д゜)?」
「自分で、確かめたら?」
「うん」
手を後ろに回して確かめたら、確かに割れてて大感激。
しばらくして、もう一回お母さんに聞いた。
「前の方も切ったあ?」
「え?」
「そやかて……」
アホな思い出です。
お尻が最初から割れてるのは、小一でも知ってます。
一瞬、ホンマかと思たけどね(^_^;)
まあ、そんなアホなことをやって、寂しさを紛らしてたんです。
「え、お尻って切るんだ?」
今度は留美ちゃんがビックリ。
お祖父ちゃんが植えたのは発芽処理がしてあるので、お尻を切ることはなかったんで、お母さんとの思い出を話すとビックリした。
「それはな、種の殻が硬すぎるんで、中には殻を破れんと腐ってしまう朝顔があるからや」
二人で朝顔の双葉を観てると、お祖父ちゃんが解説してくれる。
「そうなんですか?」
「うん、啐啄同機(さいたくどうき)という言葉がある」
「「サイタクドウキ?」」
「うん、鳥の雛が卵の殻を割って出てこようとするときに、親鳥は、それを助けようと外から殻をつつくんや。鳥は三歩歩いたら覚えたこと忘れるっちゅうけどな。そういう大事なことは、ちゃんと知ってるっちゅう格言やねえ」
「それって、人にものを教えるとか教育の本質ですよね!」
「おお、留美ちゃんは賢いなあ」
「え、えと……」
「子どもが習いたいと思う時に習いたいものを教えるのが大事だって意味ですよね……含蓄のある言葉です」
か、かしこい(;'∀')
「まあ、人間には目に見える殻はないさかいな、ちょっとむつかしい」
その時、ダイニングの方から「朝ごはんですよお!」とおばちゃんの声。
今朝のお祖父ちゃんは、トーストにゆで卵。
テーブルの角でコンコンやって殻をむこうとしたら……
「あ、ああ、生卵や!」
『え、あ、ごめんなさい、お父さん(^_^;)!』
おばちゃんの声がして、うしろで詩(ことは)ちゃんが笑っておりました。
うちの夏休みは、ゆったりと始まっておりました……
219『朝顔の双葉が開いた』さくら
きのう双葉が出てきて、今朝は開いてました!
朝顔ですよ! 朝顔!
なんであろうと人や物が成長するのは嬉しいもんです。
小学一年生のころ、初めてつけた朝顔日記の興奮が蘇ってきます。
お母さんと二人、百均で買ってきた鉢に種を撒いた……というか、二センチくらいの穴をあけて種を入れた。
「え、なんでお尻切るのん!?」
お母さんがカッターナイフで種のお尻を小さく切ったんで、ビックリ!
「種も人間も、ちょっと傷があるくらいのが伸びるんだよ」
もっともなようやけど、その時、ニタリと笑ってたお母さんは、ちょっと怖かった(^_^;)
双葉が出てきた時は、二個の種が合体したんやと思た。
あくる日には、もう一個双葉が出て来たんで、種の力が余って分身の術をつかったんちゃうやろかとカンドウした!
カッターナイフを出して、お母さんに迫った。
「お母さん、さくらのお尻も切って!」
「え、え、なに(;'∀')!?」
「お尻切ったら成長がはやい!」
アホやったんですわ(-_-;)
でも、母さんは応えてくれた。
「それやったら、生まれた時に切ったよ」
「え、ほんま( ゜Д゜)?」
「自分で、確かめたら?」
「うん」
手を後ろに回して確かめたら、確かに割れてて大感激。
しばらくして、もう一回お母さんに聞いた。
「前の方も切ったあ?」
「え?」
「そやかて……」
アホな思い出です。
お尻が最初から割れてるのは、小一でも知ってます。
一瞬、ホンマかと思たけどね(^_^;)
まあ、そんなアホなことをやって、寂しさを紛らしてたんです。
「え、お尻って切るんだ?」
今度は留美ちゃんがビックリ。
お祖父ちゃんが植えたのは発芽処理がしてあるので、お尻を切ることはなかったんで、お母さんとの思い出を話すとビックリした。
「それはな、種の殻が硬すぎるんで、中には殻を破れんと腐ってしまう朝顔があるからや」
二人で朝顔の双葉を観てると、お祖父ちゃんが解説してくれる。
「そうなんですか?」
「うん、啐啄同機(さいたくどうき)という言葉がある」
「「サイタクドウキ?」」
「うん、鳥の雛が卵の殻を割って出てこようとするときに、親鳥は、それを助けようと外から殻をつつくんや。鳥は三歩歩いたら覚えたこと忘れるっちゅうけどな。そういう大事なことは、ちゃんと知ってるっちゅう格言やねえ」
「それって、人にものを教えるとか教育の本質ですよね!」
「おお、留美ちゃんは賢いなあ」
「え、えと……」
「子どもが習いたいと思う時に習いたいものを教えるのが大事だって意味ですよね……含蓄のある言葉です」
か、かしこい(;'∀')
「まあ、人間には目に見える殻はないさかいな、ちょっとむつかしい」
その時、ダイニングの方から「朝ごはんですよお!」とおばちゃんの声。
今朝のお祖父ちゃんは、トーストにゆで卵。
テーブルの角でコンコンやって殻をむこうとしたら……
「あ、ああ、生卵や!」
『え、あ、ごめんなさい、お父さん(^_^;)!』
おばちゃんの声がして、うしろで詩(ことは)ちゃんが笑っておりました。
うちの夏休みは、ゆったりと始まっておりました……
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
玖羽 望月
恋愛
朝木 与織子(あさぎ よりこ) 22歳
大学を卒業し、やっと憧れの都会での生活が始まった!と思いきや、突然降って湧いたお見合い話。
でも、これはただのお見合いではないらしい。
初出はエブリスタ様にて。
また番外編を追加する予定です。
シリーズ作品「恋をするのに理由はいらない」公開中です。
表紙は、「かんたん表紙メーカー」様https://sscard.monokakitools.net/covermaker.htmlで作成しました。
遠回りな恋〜私の恋心を弄ぶ悪い男〜
小田恒子
恋愛
瀬川真冬は、高校時代の同級生である一ノ瀬玲央が好きだった。
でも玲央の彼女となる女の子は、いつだって真冬の友人で、真冬は選ばれない。
就活で内定を決めた本命の会社を蹴って、最終的には玲央の父が経営する会社へ就職をする。
そこには玲央がいる。
それなのに、私は玲央に選ばれない……
そんなある日、玲央の出張に付き合うことになり、二人の恋が動き出す。
瀬川真冬 25歳
一ノ瀬玲央 25歳
ベリーズカフェからの作品転載分を若干修正しております。
表紙は簡単表紙メーカーにて作成。
アルファポリス公開日 2024/10/21
作品の無断転載はご遠慮ください。
後宮の手かざし皇后〜盲目のお飾り皇后が持つ波動の力〜
二位関りをん
キャラ文芸
龍の国の若き皇帝・浩明に5大名家の娘である美華が皇后として嫁いできた。しかし美華は病により目が見えなくなっていた。
そんな美華を冷たくあしらう浩明。婚儀の夜、美華の目の前で彼女付きの女官が心臓発作に倒れてしまう。
その時。美華は慌てること無く駆け寄り、女官に手をかざすと女官は元気になる。
どうも美華には不思議な力があるようで…?
親愛なる後輩くん
さとう涼
恋愛
「神崎部長は、僕と結城さんがつき合っているのを知りながら彼女に手を出したんですよ」
雨宮一紗(33歳)。離婚して3年。
同じ会社に勤める元夫・神崎敦朗と復縁したくて、ある日食事に誘ったら、神崎から恋人がいると知らされる。相手は20代の部下・結城史奈だという。
さらに神崎のもうひとりの部下である蓮見閑《しずか》から、彼女(結城)を神崎に略奪されたと聞かされてしまい、大きなショックを受ける……。
それぞれの道
真田直樹
現代文学
主な登場人物
藤川優斗(ふじかわ ゆうと)
高校野球部ショート。堅実な守備と冷静な判断力が武器。チームの精神的支柱。
丹羽雅人(にわ まさと)
野球部エースピッチャー。豪速球と強気の性格。優斗とは中学からの親友。
尾上紀子(おのえ のりこ)
吹奏楽部トランペット担当。県大会常連校の中心メンバー。優斗に密かな想い。
富田さゆり(とみた さゆり)
演劇部。表現力が高く、舞台では別人のようになる。クラスのムードメーカー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる