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393『江戸川アニメの危機・2』
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せやさかい
393『江戸川アニメの危機・2』さくら
その三時間後、うちは真鈴先輩に連れられて都内のスタジオに着いた。
ちなみに移動手段は、車 ⇒ 飛行機 ⇒ 車
パム
アフレコスタジオやから、ドアはスポンジケーキで出来てるんちゃうかいうくらいに小さい音で閉まった。
ブン
音がしたわけやないけど、雰囲気としては『ブン』という感じでスタジオ中の人らの首がうちに向けられる。
ほぼ全員の目ぇが血走ってる。
「や、やあ、急なことで、めんごめんご(^▽^)!」
宗武真監督一人がハイテンションの笑顔。
他に、見覚えのある制作進行さんやら脚本さんやらプロデューサーさんやら……それ以外は、見覚えのないスタジオのスタッフさんやらが顔を引きつらせてる。
「おはようございます……て、もう昼やけど、ほんまにうちで間に合うんですか(^△^;)?」
「だいじょぶだいじぶ、台本は読んでくれたよね?」
「はい、もう憶えてしまいました……」
「よし、音監いこうか!」
監督は、うちの言葉の後ろ半分は聞かんと、眼鏡で表情の読まれへんオッチャンに振った。
後ろ半分は―― ……けど、ぜんぜん自信ありません! ――なんですけど(-_-;)
飛行機の中での話が思い出される。
真鈴: 八話の3カットがリテイクになってね、その中にカリナっていうのが出てくるの。
さくら:香里菜ですか?
真鈴: 香里菜の内面の声的な、みたいな、っぽい、まあ、香里菜の心の声かな。
さくら:はい。
真鈴: ここをね、飾りのない声でやりたいって言うのよ監督は。
さくら:はい。
真鈴: 最初は、新人の声優でやろうってことだったんだけど「うぅ~ん、ここは野生の声でいきたい!」なんて言うのよ。で、声質も似てるし、なんたって香里菜CVの花園あやめはさくらを意識してやってるしね、ここはさくらにやってもらうしかないってことになったのさ。ちょ、なにキョロキョロ探してるの?
さくら:次降りますボタン(꒪꒳꒪;)
真鈴: 次は羽田だよ。はい、台本!
さくら:ちょっと、おねえさーん!
客室乗務員:はい、なんでございましょうか?
さくら:この飛行機にパラシュートはないんでしょうか!?
『じゃ、本番、テイクワンいきます』
花園さんの香里菜の声だけ入ってるのを二回観て、リハとかテストやと思たら、いきなり本番。
香里菜:もう、辛気くさいのはこりごりや。
かりな:辛気くさいのは香里菜や。
香里菜:どういう意味や!
かりな:東京きてから文句ばっかり。
香里菜:せやかて、辛気くさい! 勝手に相談持ちかけてきてからに、うちがまるっとドガチャガに収めたろとしたら、とたんに迷惑顔や。ほんまに、東京の人間は!
かりな:そんな針突き刺すみたいに考えたら、どこ行ったってあかんわ。
香里菜:そんなことないわ!
かりな:人間、ひとに相談したから言うて、解決を求めてるとは限れへん。
香里菜:そんなことないわ。っていうか、それくらい分かってる。あの子らが言うてきたんは……
かりな:いまかて、香里菜、うちに言うてるけど、うちにどないかしてほしいて思てへんやろ。
香里菜:あたりまえやん、これは自問自答や。
かりな:あの子らも、自問自答するような気持ちで話したんとちゃうん。
香里菜:そんなん、分かれへんわ!
かりな:そうかあ……ほんなら、香里菜、あんたが寝てるうちにメール打っといたるわ。いや、電話がええかなあ。あんたは、目ぇ覚めたら顔洗て、クソして大阪帰り。それで、全部リセットや。
香里菜:なんで、かりながメールとか電話とかできんねん!?
かりな:うちは、あんたの本心やさかいな、ほら……もう眠たいねんやろ?
香里菜:え……あ……うちは……くそ、できそこないのアルターエゴ……
かりな:ちゃいます、アルターエゴはあんたの方や。もう起きてこんでええさかい。
香里菜:ちょ、ちょお、待てぇ……
かりな:あはははは……
ビギナーズラックって言うんやろうか、後で聞いても、我ながらええデキ……と思たのは100%錯覚。
「ちょ、駅着いたよ、さくら!」
「へ!?」
留美ちゃんに怒られて、学校最寄り駅に着いてるのに気付く。
ただいまの気温 13度 ただいまの自己嫌悪 39度
東京から帰って三日間、じんわり物思いの春本番です(~ ̄▽ ̄)~。
☆・・主な登場人物・・☆
酒井 さくら この物語の主人公 聖真理愛女学院高校一年生
酒井 歌 さくらの母 亭主の失踪宣告をして旧姓の酒井に戻って娘と共に実家に戻ってきた。現在行方不明。
酒井 諦観 さくらの祖父 如来寺の隠居
酒井 諦念 さくらの伯父 諦一と詩の父
酒井 諦一 さくらの従兄 如来寺の新米坊主 テイ兄ちゃんと呼ばれる
酒井 詩(ことは) さくらの従姉 聖真理愛学院大学二年生
酒井 美保 さくらの義理の伯母 諦一 詩の母
榊原 留美 さくらと同居 中一からの同級生
夕陽丘頼子 さくらと留美の先輩 ヤマセンブルグの王女 聖真理愛女学院高校三年生
ソフィー ソフィア・ヒギンズ 頼子のガード 英国王室のメイド 陸軍少尉
ソニー ソニア・ヒギンズ ソフィーの妹 英国王室のメイド 陸軍伍長
月島さやか さくらの担任の先生
古閑 巡里(めぐり) さくらと留美のクラスメート メグリン
百武真鈴(田中真央) 高校生声優の生徒会長
女王陛下 頼子のお祖母ちゃん ヤマセンブルグの国家元首
江戸川アニメの関係者 宗武真(監督) 江原(作監) 武者走(脚本) 宮田(制作進行) 花園あやめ(声優)
さくらをとりまく人たち ハンゼイのマスター(昴・あきら) 瑞穂(マスターの奥さん)
393『江戸川アニメの危機・2』さくら
その三時間後、うちは真鈴先輩に連れられて都内のスタジオに着いた。
ちなみに移動手段は、車 ⇒ 飛行機 ⇒ 車
パム
アフレコスタジオやから、ドアはスポンジケーキで出来てるんちゃうかいうくらいに小さい音で閉まった。
ブン
音がしたわけやないけど、雰囲気としては『ブン』という感じでスタジオ中の人らの首がうちに向けられる。
ほぼ全員の目ぇが血走ってる。
「や、やあ、急なことで、めんごめんご(^▽^)!」
宗武真監督一人がハイテンションの笑顔。
他に、見覚えのある制作進行さんやら脚本さんやらプロデューサーさんやら……それ以外は、見覚えのないスタジオのスタッフさんやらが顔を引きつらせてる。
「おはようございます……て、もう昼やけど、ほんまにうちで間に合うんですか(^△^;)?」
「だいじょぶだいじぶ、台本は読んでくれたよね?」
「はい、もう憶えてしまいました……」
「よし、音監いこうか!」
監督は、うちの言葉の後ろ半分は聞かんと、眼鏡で表情の読まれへんオッチャンに振った。
後ろ半分は―― ……けど、ぜんぜん自信ありません! ――なんですけど(-_-;)
飛行機の中での話が思い出される。
真鈴: 八話の3カットがリテイクになってね、その中にカリナっていうのが出てくるの。
さくら:香里菜ですか?
真鈴: 香里菜の内面の声的な、みたいな、っぽい、まあ、香里菜の心の声かな。
さくら:はい。
真鈴: ここをね、飾りのない声でやりたいって言うのよ監督は。
さくら:はい。
真鈴: 最初は、新人の声優でやろうってことだったんだけど「うぅ~ん、ここは野生の声でいきたい!」なんて言うのよ。で、声質も似てるし、なんたって香里菜CVの花園あやめはさくらを意識してやってるしね、ここはさくらにやってもらうしかないってことになったのさ。ちょ、なにキョロキョロ探してるの?
さくら:次降りますボタン(꒪꒳꒪;)
真鈴: 次は羽田だよ。はい、台本!
さくら:ちょっと、おねえさーん!
客室乗務員:はい、なんでございましょうか?
さくら:この飛行機にパラシュートはないんでしょうか!?
『じゃ、本番、テイクワンいきます』
花園さんの香里菜の声だけ入ってるのを二回観て、リハとかテストやと思たら、いきなり本番。
香里菜:もう、辛気くさいのはこりごりや。
かりな:辛気くさいのは香里菜や。
香里菜:どういう意味や!
かりな:東京きてから文句ばっかり。
香里菜:せやかて、辛気くさい! 勝手に相談持ちかけてきてからに、うちがまるっとドガチャガに収めたろとしたら、とたんに迷惑顔や。ほんまに、東京の人間は!
かりな:そんな針突き刺すみたいに考えたら、どこ行ったってあかんわ。
香里菜:そんなことないわ!
かりな:人間、ひとに相談したから言うて、解決を求めてるとは限れへん。
香里菜:そんなことないわ。っていうか、それくらい分かってる。あの子らが言うてきたんは……
かりな:いまかて、香里菜、うちに言うてるけど、うちにどないかしてほしいて思てへんやろ。
香里菜:あたりまえやん、これは自問自答や。
かりな:あの子らも、自問自答するような気持ちで話したんとちゃうん。
香里菜:そんなん、分かれへんわ!
かりな:そうかあ……ほんなら、香里菜、あんたが寝てるうちにメール打っといたるわ。いや、電話がええかなあ。あんたは、目ぇ覚めたら顔洗て、クソして大阪帰り。それで、全部リセットや。
香里菜:なんで、かりながメールとか電話とかできんねん!?
かりな:うちは、あんたの本心やさかいな、ほら……もう眠たいねんやろ?
香里菜:え……あ……うちは……くそ、できそこないのアルターエゴ……
かりな:ちゃいます、アルターエゴはあんたの方や。もう起きてこんでええさかい。
香里菜:ちょ、ちょお、待てぇ……
かりな:あはははは……
ビギナーズラックって言うんやろうか、後で聞いても、我ながらええデキ……と思たのは100%錯覚。
「ちょ、駅着いたよ、さくら!」
「へ!?」
留美ちゃんに怒られて、学校最寄り駅に着いてるのに気付く。
ただいまの気温 13度 ただいまの自己嫌悪 39度
東京から帰って三日間、じんわり物思いの春本番です(~ ̄▽ ̄)~。
☆・・主な登場人物・・☆
酒井 さくら この物語の主人公 聖真理愛女学院高校一年生
酒井 歌 さくらの母 亭主の失踪宣告をして旧姓の酒井に戻って娘と共に実家に戻ってきた。現在行方不明。
酒井 諦観 さくらの祖父 如来寺の隠居
酒井 諦念 さくらの伯父 諦一と詩の父
酒井 諦一 さくらの従兄 如来寺の新米坊主 テイ兄ちゃんと呼ばれる
酒井 詩(ことは) さくらの従姉 聖真理愛学院大学二年生
酒井 美保 さくらの義理の伯母 諦一 詩の母
榊原 留美 さくらと同居 中一からの同級生
夕陽丘頼子 さくらと留美の先輩 ヤマセンブルグの王女 聖真理愛女学院高校三年生
ソフィー ソフィア・ヒギンズ 頼子のガード 英国王室のメイド 陸軍少尉
ソニー ソニア・ヒギンズ ソフィーの妹 英国王室のメイド 陸軍伍長
月島さやか さくらの担任の先生
古閑 巡里(めぐり) さくらと留美のクラスメート メグリン
百武真鈴(田中真央) 高校生声優の生徒会長
女王陛下 頼子のお祖母ちゃん ヤマセンブルグの国家元首
江戸川アニメの関係者 宗武真(監督) 江原(作監) 武者走(脚本) 宮田(制作進行) 花園あやめ(声優)
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