巡(めぐり)型落ち魔法少女の通学日記

武者走走九郎or大橋むつお

文字の大きさ
21 / 294

021『春高楼の花の宴』

しおりを挟む
巡(めぐり)・型落ち魔法少女の通学日記

021『春高楼の花の宴』   




 身体測定の日は学食はお休み。


 お弁当ってほどじゃないけど、城山(宮之森城址公園)には売店も自販機も無いということなので、ちょっとお買い物。



 学校を出て道を渡ったところにお店がある。



 いちおう大手パンメーカーの看板は掛かってるんだけど、お店の中ではもんじゃやらお好み焼きとかも食べられて、子供向きの駄菓子とかも置いてる。

「あら、お花見? いいわねえ、オバチャンの時代は女子挺身隊だったからね、お花見どころじゃなかった」

 お店のオバチャンはリアル女子挺身隊(^_^;)

「五人分はかさばるから、紙袋あげるね」

 ひとり二個のパンと飲み物。一人分ずつを小袋に入れて、それをまとめて西武百貨店の袋に入れてくれる。

 この時代、レジ袋もコンビニも存在していない。

「なにシゲシゲ見てんの?」

 ジュースのパックを見ていると吉本さんに見咎められる。

わたし:「ああ、変わったパックだから」

吉本:「え、普通のテトラパックじゃないの?」

辻本:「給食の牛乳これだったね」

ロコ:「うちは、ビン牛乳だった」

吉本:「三年まで脱脂粉乳だった!」

横田:「あ、あれは飲めたもんじゃなかったよねぇ」

辻本:「アメリカじゃブタの餌だし」

ロコ:「ブーブー!」

吉本:「ブタはブヒブヒだぞ」

ロコ:「ブーブー!」

吉本:「ブヒブヒ!」

横田:「もう、食べ物屋さんでブタごっこはいけません」

みんな:「「「「「アハハハハハハハ」」」」」



 なんか、早くもみんなお友だちの雰囲気で城山を目指した。



吉本:「八重桜はゴージャスだねえ!」

 感嘆の声を上げたのは吉本さん。

 天守閣とか建物の無いお城って、どんなのかと思ったけど、苔むした石垣との対比がステキだ。

辻本:「来てよかった……」

横田:「そうね、荒城の月って、こんな感じよね」

ロコ:「あれって、夜の歌じゃないんですか?」

吉本:「ああ、月は夜だよね」

横田:「夜になるのは四番よ、一番は『春 高楼の花の宴~』よ。お城でやったお花見がテーマ」

辻本:「そうね、めぐる盃ぃ~かげさしてぇ~♪」

吉本:「よし、あたしらも盃にしよう!」

みんな:「「「「「おお!」」」」」

 高島屋の袋からパンと飲み物を出し、石垣の縁に立ってグビグビ、チビチビ。

ロコ:「メグさん、シミジミしてますねえ」

わたし:「え、あ、なんかモノノアワレ的なみたいな?」

横田:「あ、そうね。荒城の月って、昔を偲んでシミジミする歌なんだよね。時司さん、正しいわよ」

わたし:「いえいえ、そんなあ(^_^;)」



『荒城の月』知らないだけだしぃ(#^_^#)



吉本:「う~ん、写真撮りたいねえ」

辻本:「あ、そうね、青春の一コマ的かもね」

 うう……スマホあるから簡単に撮れるんだけど、出すわけにはいかない。

ロコ:「スケッチしましょうか?」

みんな:「「「「スケッチ?」」」」

ロコ:「あ、ほんのクロッキー的なもんです。期待されると困るんですけど(^o^;)」

みんな:「「「「やってやって!」」」」



 みんなで桜の木の下に立ち、つつましくポーズをとった。

 ロコは、自分の立ち位置とポーズを決めると一段高い石垣に上がり、器用に五分余りで書き上げた。

 今日は、一気に友だちが五人になった。

 めでたしめでたし。



☆彡 主な登場人物

時司 巡(ときつかさ めぐり)   高校一年生
時司 応(こたえ)         巡の祖母 定年退職後の再任用も終わった魔法少女
滝川                志忠屋のマスター
ペコさん              志忠屋のバイト
宮田 博子             1年5組 クラスメート
辻本 たみ子            1年5組 副委員長
高峰 秀夫             1年5組 委員長
吉本 佳奈子            1年5組 保健委員
横田 真知子            1年5組 リベラル系女子
加藤 高明             留年してる同級生
藤田 勲              1年5組の担任
先生たち              花園先生:4組担任 妹尾先生:グラマー
須之内写真館            証明写真を撮ってもらった、優しいおねえさんのいる写真館

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

巻き込まれて異世界召喚? よくわからないけど頑張ります。  〜JKヒロインにおばさん呼ばわりされたけど、28才はお姉さんです〜

トイダノリコ
ファンタジー
会社帰りにJKと一緒に異世界へ――!? 婚活のために「料理の基本」本を買った帰り道、28歳の篠原亜子は、通りすがりの女子高生・星野美咲とともに突然まぶしい光に包まれる。 気がつけばそこは、海と神殿の国〈アズーリア王国〉。 美咲は「聖乙女」として大歓迎される一方、亜子は「予定外に混ざった人」として放置されてしまう。 けれど世界意識(※神?)からのお詫びとして特殊能力を授かった。 食材や魔物の食用可否、毒の有無、調理法までわかるスキル――〈料理眼〉! 「よし、こうなったら食堂でも開いて生きていくしかない!」 港町の小さな店〈潮風亭〉を拠点に、亜子は料理修行と新生活をスタート。 気のいい夫婦、誠実な騎士、皮肉屋の魔法使い、王子様や留学生、眼帯の怪しい男……そして、彼女を慕う男爵令嬢など個性豊かな仲間たちに囲まれて、"聖乙女イベントの裏側”で、静かに、そしてたくましく人生を切り拓く異世界スローライフ開幕。 ――はい。静かに、ひっそり生きていこうと思っていたんです。私も.....(アコ談) *AIと一緒に書いています*

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

世界最弱と呼ばれた少年、気づけば伝説級勇者でした ~追放されたので気ままに旅してたら、全種族の姫たちに囲まれていました~

fuwamofu
ファンタジー
魔力量ゼロの落ちこぼれとして勇者パーティを追放された少年リアン。 絶望の果てに始めた自由な旅の中で、偶然助けた少女たちが次々と彼に惹かれていく。 だが誰も知らない。彼こそが古代勇者の血を継ぎ、世界を滅ぼす運命の「真なる勇者」だということを──。 無自覚最強の少年が、世界を変える奇跡を紡ぐ異世界ファンタジー!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

処理中です...