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239『どうする沖縄のお土産!?』
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巡(めぐり)・型落ち魔法少女の通学日記
239『どうする沖縄のお土産!?』
のべ九日に渡る沖縄旅行が終わって……腑抜けてしまった。
電池の切れたスマホみたいにボォーっとしている。
いつもはテレビなんか見ないんだけど、リビングのソファーで横になってテレビばかり見てる。
テレビといってもユーチューブばっか。
AIがこさえた音楽、ケルト音楽っていうんだろうか、異世界っぽい風景の中にエルフの女の子。それがヌルヌル歩いたりステップ踏んだり、ときどき歌ったり。それから環境動画っていうんだろうか、ドローンがゆっくり飛んで世界のあちこちの景色を見せてくれたり。そんなのを垂れ流しに見て、ボーっとしてる。
ときどき我がまま総理に関する政治系も見る。
まだ18年の人生で、物心ついて覚えた総理大臣は安倍さんだった。
子ども心にも、ちゃんとした総理大臣で、この人に任せておけば大丈夫って安心感があった。
でも、画面に映ってるこいつはサイアク。三回も選挙に負けてスリーアウトチェンジなのに、まだルールを無視してバッターボックスに立ってる。とうとう与党の中からも「不信任案」とか「辞職」とかの声が上がり始めて、女子高生の目から見ても、こんなに分かりやすいバカはいない。
わたしもバカをやった。
たみ子たちにお土産を買ってしまった。
あの子たちも沖縄に旅行に行ってる。わたしと似たような高校生の研修旅行なんだけど、あっちは大手新聞社の主催で往復はジェット機だし、宿泊もハイソなホテル。ひょっとしたらと思ったんだけど、旅先で出会うことは無かった。
こっちも、あれこれ刺激的だったんで、二日目には忘れてしまって、うかつにもお土産を買ってしまったんだ(^_^;)。
電話の一本もかけて(わたしのスマホは昭和にだって掛けられる)お土産渡しに行ったら、微妙に開いた距離も詰められるかと思ったんだけどね。
直美さんにも買ったんだけど、バイトで会うことになるし、わざわざ渡しに行くのもねぇ。
「もらってやってもいいんだよぉ~」
ワ、ビックリした( >Д<)!!
あわゆくソファーから落ちそうになって振り返ると安倍晴天。
「ちょ、なんで居るのよ!」
うちは大魔法少女のお祖母ちゃんの家だから、超陰陽師の晴天といえども、許可なしには入ってこれない。
「深い付き合いだからな、入って来られるようになった。お土産よこせ」
「もう、気持ち悪いこと言わないでよ」
文句は言うけど、手元に置いておいても仕方がない。ちんすこうを一箱出してやる。
「メグリ、おまえ、カチューシャに取り込まれかけてるぞ」
「え?」
「帰りの船、奴とチーム組んでドラゴンやっつけただろう」
「あ、ああ……」
「セーラーナンチャラみたいで可愛かったぞ」
「ええ、見てたの!?」
「超陰陽師さまは、なんでもお見通しなのさ」
「あれって、やっぱり取り込まれてんの?」
「カチューシャに悪気はないけどな。あのドラゴンは、あの海でわだかまったあれこれが凝縮されて具現化したものだ」
「やっぱり、戦争のとか?」
「それもあるが、長い歴史の中で溜まって行き場を失ったものが混然一体に固まったものだ」
「そうなんだ」
「それが、カチューシャとおまえらの霊力に感応したんだ。ドラゴンの姿だから、完全に敵認定。まあ、緊急避難的にチームになったのは、カチューシャの霊力によるものだ。やつの霊力は悪さをするようなものじゃないが、ノブリスオブリージュ。貴族として、いや、女帝としての使命感が強い。悪意じゃないから、抵抗するのはむつかしいかもしれない」
「そうなのぉ……(;'∀')」
「ドラゴンの指の数、憶えてるか?」
「指? ええと……」
「観察力の無い奴だ」
「あ、ちょ」
オデコに指を当てられると、あの時の情景が蘇って汗が出てくる。
「四本だな」
「四本……それが?」
「キング級だな」
「キング級!?」
そうだろ、めちゃくちゃ強くて手こずったし。
「上から二番目か三番目、上にはエンペラー級とか居るしな」
「そんなの出てくるの!?」
「ああ、カチューシャはロシア皇帝エカテリーナ二世だ。対抗してくるならエンペラー級になるだろう」
「そんな……」
「他にもED級というのもある」
「ED級?」
「エンペラー オブ ダークネス。魔皇帝だ」
「ま、まこうてい……(;'∀')」
「まあ、いまのカチューシャは旧姓のゾフィーを名乗っている。本人もJK生活を楽しみたいようだしな、まあ、ほどよく付き合っている分には無事だろ」
「そ、そうなんだ(^_^;)」
「お土産、まだあるんだろ?」
「あ、もうあげないよ」
「わたしは、もう十分だ。アキラやアリヨールに持って行ってやったら喜ぶぞ」
「え、あ……」
「あいつらも、もうメグリの仲間だ、少しは気にかけてやれ」
「あ、うん」
「じゃあ、応(こたえ)さんによろしくな。もう一個もらっていくか」
「あ、ちょ……」
最後のちんすこうをかっさらうと、つむじ風みたいになってエアコンの吸気口から消えて行ってしまった。
☆彡 主な登場人物
時司 巡(ときつかさ めぐり) 高校2年生 友だちにはグッチと呼ばれる
時司 応(こたえ) 巡の祖母 定年退職後の再任用も終わった魔法少女 時々姉の選(すぐり)になる
滝川 志忠屋のマスター
ペコさん 志忠屋のバイト
猫又たち アイ(MS銀行) マイ(つくも屋) ミー(寿書房)
宮田 博子(ロコ) 3年1組 クラスメート
辻本 たみ子 3年8組
高峰 秀夫 3年6組
吉本 佳奈子 3年4組 バレー部
横田 真知子 3年8組 リベラル系女子(MITAKA初代代表)
加藤 高明(10円男) 留年してる同級生
ナースチャ アナスタシア(ニコライ二世の第四皇女)
カチューシャ エカテリーナ二世(ゾフィー・アウグステ・フリーデリケ)
ユリア ナースチャを狙う魔法少女
安倍晴天 陰陽師、安倍晴明の50代目
藤田 勲 3年学年主任
先生たち 花園先生:1・2年の時の担任 グラマー:妹尾 現国:杉野 若杉:生指部長 体育:伊藤 水泳:宇賀 音楽:峰岸 世界史・3年1組担任:吉村先生 教頭先生 倉田(生徒会顧問) 藤野先生(大浜高校)
須之内直美 証明写真を撮ってもらった写真館のおねえさん。
御神楽采女 結婚式場の巫女 正体は須世理姫 キタマの面倒を見ている
早乙女のお婆ちゃん 三軒隣りのお婆ちゃん
時司 徒 (いたる) お祖母ちゃんの妹
妖・魔物 アキラ 戦艦石見(アリヨール) 藍(アオ、高松塚の采女)
その他の生徒たち 滝沢 栗原 牧内千秋(演劇部 8組) 明智玉子(生徒会長) 関根(MITAKA二代目リーダー)
灯台守の夫婦 平賀勲 平賀恵 二人とも直美の友人
239『どうする沖縄のお土産!?』
のべ九日に渡る沖縄旅行が終わって……腑抜けてしまった。
電池の切れたスマホみたいにボォーっとしている。
いつもはテレビなんか見ないんだけど、リビングのソファーで横になってテレビばかり見てる。
テレビといってもユーチューブばっか。
AIがこさえた音楽、ケルト音楽っていうんだろうか、異世界っぽい風景の中にエルフの女の子。それがヌルヌル歩いたりステップ踏んだり、ときどき歌ったり。それから環境動画っていうんだろうか、ドローンがゆっくり飛んで世界のあちこちの景色を見せてくれたり。そんなのを垂れ流しに見て、ボーっとしてる。
ときどき我がまま総理に関する政治系も見る。
まだ18年の人生で、物心ついて覚えた総理大臣は安倍さんだった。
子ども心にも、ちゃんとした総理大臣で、この人に任せておけば大丈夫って安心感があった。
でも、画面に映ってるこいつはサイアク。三回も選挙に負けてスリーアウトチェンジなのに、まだルールを無視してバッターボックスに立ってる。とうとう与党の中からも「不信任案」とか「辞職」とかの声が上がり始めて、女子高生の目から見ても、こんなに分かりやすいバカはいない。
わたしもバカをやった。
たみ子たちにお土産を買ってしまった。
あの子たちも沖縄に旅行に行ってる。わたしと似たような高校生の研修旅行なんだけど、あっちは大手新聞社の主催で往復はジェット機だし、宿泊もハイソなホテル。ひょっとしたらと思ったんだけど、旅先で出会うことは無かった。
こっちも、あれこれ刺激的だったんで、二日目には忘れてしまって、うかつにもお土産を買ってしまったんだ(^_^;)。
電話の一本もかけて(わたしのスマホは昭和にだって掛けられる)お土産渡しに行ったら、微妙に開いた距離も詰められるかと思ったんだけどね。
直美さんにも買ったんだけど、バイトで会うことになるし、わざわざ渡しに行くのもねぇ。
「もらってやってもいいんだよぉ~」
ワ、ビックリした( >Д<)!!
あわゆくソファーから落ちそうになって振り返ると安倍晴天。
「ちょ、なんで居るのよ!」
うちは大魔法少女のお祖母ちゃんの家だから、超陰陽師の晴天といえども、許可なしには入ってこれない。
「深い付き合いだからな、入って来られるようになった。お土産よこせ」
「もう、気持ち悪いこと言わないでよ」
文句は言うけど、手元に置いておいても仕方がない。ちんすこうを一箱出してやる。
「メグリ、おまえ、カチューシャに取り込まれかけてるぞ」
「え?」
「帰りの船、奴とチーム組んでドラゴンやっつけただろう」
「あ、ああ……」
「セーラーナンチャラみたいで可愛かったぞ」
「ええ、見てたの!?」
「超陰陽師さまは、なんでもお見通しなのさ」
「あれって、やっぱり取り込まれてんの?」
「カチューシャに悪気はないけどな。あのドラゴンは、あの海でわだかまったあれこれが凝縮されて具現化したものだ」
「やっぱり、戦争のとか?」
「それもあるが、長い歴史の中で溜まって行き場を失ったものが混然一体に固まったものだ」
「そうなんだ」
「それが、カチューシャとおまえらの霊力に感応したんだ。ドラゴンの姿だから、完全に敵認定。まあ、緊急避難的にチームになったのは、カチューシャの霊力によるものだ。やつの霊力は悪さをするようなものじゃないが、ノブリスオブリージュ。貴族として、いや、女帝としての使命感が強い。悪意じゃないから、抵抗するのはむつかしいかもしれない」
「そうなのぉ……(;'∀')」
「ドラゴンの指の数、憶えてるか?」
「指? ええと……」
「観察力の無い奴だ」
「あ、ちょ」
オデコに指を当てられると、あの時の情景が蘇って汗が出てくる。
「四本だな」
「四本……それが?」
「キング級だな」
「キング級!?」
そうだろ、めちゃくちゃ強くて手こずったし。
「上から二番目か三番目、上にはエンペラー級とか居るしな」
「そんなの出てくるの!?」
「ああ、カチューシャはロシア皇帝エカテリーナ二世だ。対抗してくるならエンペラー級になるだろう」
「そんな……」
「他にもED級というのもある」
「ED級?」
「エンペラー オブ ダークネス。魔皇帝だ」
「ま、まこうてい……(;'∀')」
「まあ、いまのカチューシャは旧姓のゾフィーを名乗っている。本人もJK生活を楽しみたいようだしな、まあ、ほどよく付き合っている分には無事だろ」
「そ、そうなんだ(^_^;)」
「お土産、まだあるんだろ?」
「あ、もうあげないよ」
「わたしは、もう十分だ。アキラやアリヨールに持って行ってやったら喜ぶぞ」
「え、あ……」
「あいつらも、もうメグリの仲間だ、少しは気にかけてやれ」
「あ、うん」
「じゃあ、応(こたえ)さんによろしくな。もう一個もらっていくか」
「あ、ちょ……」
最後のちんすこうをかっさらうと、つむじ風みたいになってエアコンの吸気口から消えて行ってしまった。
☆彡 主な登場人物
時司 巡(ときつかさ めぐり) 高校2年生 友だちにはグッチと呼ばれる
時司 応(こたえ) 巡の祖母 定年退職後の再任用も終わった魔法少女 時々姉の選(すぐり)になる
滝川 志忠屋のマスター
ペコさん 志忠屋のバイト
猫又たち アイ(MS銀行) マイ(つくも屋) ミー(寿書房)
宮田 博子(ロコ) 3年1組 クラスメート
辻本 たみ子 3年8組
高峰 秀夫 3年6組
吉本 佳奈子 3年4組 バレー部
横田 真知子 3年8組 リベラル系女子(MITAKA初代代表)
加藤 高明(10円男) 留年してる同級生
ナースチャ アナスタシア(ニコライ二世の第四皇女)
カチューシャ エカテリーナ二世(ゾフィー・アウグステ・フリーデリケ)
ユリア ナースチャを狙う魔法少女
安倍晴天 陰陽師、安倍晴明の50代目
藤田 勲 3年学年主任
先生たち 花園先生:1・2年の時の担任 グラマー:妹尾 現国:杉野 若杉:生指部長 体育:伊藤 水泳:宇賀 音楽:峰岸 世界史・3年1組担任:吉村先生 教頭先生 倉田(生徒会顧問) 藤野先生(大浜高校)
須之内直美 証明写真を撮ってもらった写真館のおねえさん。
御神楽采女 結婚式場の巫女 正体は須世理姫 キタマの面倒を見ている
早乙女のお婆ちゃん 三軒隣りのお婆ちゃん
時司 徒 (いたる) お祖母ちゃんの妹
妖・魔物 アキラ 戦艦石見(アリヨール) 藍(アオ、高松塚の采女)
その他の生徒たち 滝沢 栗原 牧内千秋(演劇部 8組) 明智玉子(生徒会長) 関根(MITAKA二代目リーダー)
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