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スライ蟲退治(第6話)
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穴から出た4人は、辺りの様子に注意を払いつつモリガンの使い魔たちからの情報を待った。
一応、周辺のスライ蟲は全て蹴散らしているが、この穴を掘った正体不明のやつがいるように、まだ付近に潜んでいる蟲がいるかもしれない・・・。
せっかくのキノコ採り(といっても、毒キノコ採取だが)が、蟲退治になってしまったのは残念だが、致し方がないことでもあった。
「今のところ、左右両方の使い魔から、特にこれといった異常は報告されておらんのう」
そもそも、あの穴はどこまで掘られたものなのか見当もつかない。さらに付け加えれば、何の目的で掘られたのかすら定かではない。ただ、掘るにあたって、魔力の類は一切使われていないということは確かなようだった。
「途中で左右に穴が分かれていたが・・・魔力が使用されてない以上、まさか掘り進めたやつが2体に分身したわけもないじゃろうから、一旦どちらかの穴を掘り進めてから途中で引き返した・・・といったところじゃろうな」
「なんでまたそんなことをしたんだ?そいつは」
確かに、おかしな話である。わざわざ戻る必要があるとも思えないが・・・。
「わしに聞かれても困るわい。まあ、穴の途中で何かまずい物でも見つけたんじゃなかろうか」
地面の下に、何か危険なものが存在していたのだろうか。それを確認するのは、モリガンの使い魔の役目となるだろう。
「むむ」
「どうした、モリガン?」
モリガンが眉をひそめた。どうやら、彼女の使い魔が何かを発見したようだ。
「左の穴の方に向かっていたやつが、何やらでかいものを発見したようじゃ」
「でかいもの?」
掘り進めた先に、そんな巨大な何かがあって、それで引き返したというのか・・・。
「むう、こやつは魔力の波動があるのう。おそらくは、蟲か」
魔力を放つというのであれば、多分にしてそいつは蟲だろう。まさか、地面の下にそんな奴がいたとは・・・。
「感じからするに、おそらくこやつは害蟲じゃな。ただ、図体はでかいものの、それほど強力な個体とは思えん・・・」
「害蟲を見つけたのであれば放置はしておけないが・・・図体がでかいだけのでくの坊を見て逃げ出したってんなら、この穴を掘っているやつも大したことはなさそうだが」
でも、油断は禁物である。
「とりあえず、この程度の輩ならわしの魔力で何とかできるが・・・まだ様子は見るか」
「下手に手を出して暴れまわられても困るからな。今はもう一つの穴の方に向かった使い魔からの報告を待つのが賢明だ」
「そういえば、もう一方の蝙蝠さんはどうしたんだろうねぇ」
あまり緊張感のなさそうな声で早苗がつぶやいた。元々、彼女はこういう喋り方なので仕方がないが・・・。
「もう片方は、結構奥まで穴が続いているようでな。まあ、まだしばらくは時間がかかりそうじゃ」
「きっと、一生懸命逃げたんだろうねぇ」
でかいのを目の当たりにして、一目散に逃げたといったところか。確かに憶病な奴ではある。
「とにかく、もう少し様子を見よう。各自、いつでも対処できるように準備だけはしておいてくれ」
「ラジャー」
「わかったのじゃ」
「ニャー」
返事だけはいいミケさんであったが、果たして彼にできることはあるのだろうか。
ともかく、この先、何が起こってもすぐに戦えるように、晶たちはそれぞれの獲物を構えて準備したー。
一応、周辺のスライ蟲は全て蹴散らしているが、この穴を掘った正体不明のやつがいるように、まだ付近に潜んでいる蟲がいるかもしれない・・・。
せっかくのキノコ採り(といっても、毒キノコ採取だが)が、蟲退治になってしまったのは残念だが、致し方がないことでもあった。
「今のところ、左右両方の使い魔から、特にこれといった異常は報告されておらんのう」
そもそも、あの穴はどこまで掘られたものなのか見当もつかない。さらに付け加えれば、何の目的で掘られたのかすら定かではない。ただ、掘るにあたって、魔力の類は一切使われていないということは確かなようだった。
「途中で左右に穴が分かれていたが・・・魔力が使用されてない以上、まさか掘り進めたやつが2体に分身したわけもないじゃろうから、一旦どちらかの穴を掘り進めてから途中で引き返した・・・といったところじゃろうな」
「なんでまたそんなことをしたんだ?そいつは」
確かに、おかしな話である。わざわざ戻る必要があるとも思えないが・・・。
「わしに聞かれても困るわい。まあ、穴の途中で何かまずい物でも見つけたんじゃなかろうか」
地面の下に、何か危険なものが存在していたのだろうか。それを確認するのは、モリガンの使い魔の役目となるだろう。
「むむ」
「どうした、モリガン?」
モリガンが眉をひそめた。どうやら、彼女の使い魔が何かを発見したようだ。
「左の穴の方に向かっていたやつが、何やらでかいものを発見したようじゃ」
「でかいもの?」
掘り進めた先に、そんな巨大な何かがあって、それで引き返したというのか・・・。
「むう、こやつは魔力の波動があるのう。おそらくは、蟲か」
魔力を放つというのであれば、多分にしてそいつは蟲だろう。まさか、地面の下にそんな奴がいたとは・・・。
「感じからするに、おそらくこやつは害蟲じゃな。ただ、図体はでかいものの、それほど強力な個体とは思えん・・・」
「害蟲を見つけたのであれば放置はしておけないが・・・図体がでかいだけのでくの坊を見て逃げ出したってんなら、この穴を掘っているやつも大したことはなさそうだが」
でも、油断は禁物である。
「とりあえず、この程度の輩ならわしの魔力で何とかできるが・・・まだ様子は見るか」
「下手に手を出して暴れまわられても困るからな。今はもう一つの穴の方に向かった使い魔からの報告を待つのが賢明だ」
「そういえば、もう一方の蝙蝠さんはどうしたんだろうねぇ」
あまり緊張感のなさそうな声で早苗がつぶやいた。元々、彼女はこういう喋り方なので仕方がないが・・・。
「もう片方は、結構奥まで穴が続いているようでな。まあ、まだしばらくは時間がかかりそうじゃ」
「きっと、一生懸命逃げたんだろうねぇ」
でかいのを目の当たりにして、一目散に逃げたといったところか。確かに憶病な奴ではある。
「とにかく、もう少し様子を見よう。各自、いつでも対処できるように準備だけはしておいてくれ」
「ラジャー」
「わかったのじゃ」
「ニャー」
返事だけはいいミケさんであったが、果たして彼にできることはあるのだろうか。
ともかく、この先、何が起こってもすぐに戦えるように、晶たちはそれぞれの獲物を構えて準備したー。
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