テキトーすぎな《ユグドラシル》の皆さん

ミケとポン太

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ミケさんピンチ!(第1話)

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 ーその頃、地上ではミケさんが例の如く酒を飲んで眠りこけていたー。

「ウニャー、もうニョめませんニャー」

 すっかりいい気持で眠りこけていたミケさんだったが、その時彼に身の危険が迫っているとは誰が考えたであろうかー。

ーー

「ニャオーン!ニャんだ、お前はー!!」

 晶たちが穴の出口付近に差し掛かったところ、なんといきなりミケさんの悲鳴が聞こえてきた。

「・・・!なんだ!?」

「この声は・・・ミケさんじゃな」

「なんか悲鳴みたいに聞こえたけど、ミケさん大丈夫かな?」

 3人は、急いで穴の出口へと向かい、外で待機していたはずのミケさんの姿を確認することにした。

 ・・・だが、そこにいたのは・・・!

「ウニャー、ニャんだ、こいつはー!」

 そこにいたのは、ミケさんと、何やらやたらとでかい土竜・・・土竜?

 容姿は、普通の土竜のサイズを何倍にもして、人間大になったようなものである。普通の土竜だと愛嬌があるが、さすがにこのサイズの土竜といまだかつて遭遇したことはないので、なんというか・・・晶たちはリアクションに困った。つぶらなオメメだけがチャーミング・・・って、まあ、土竜の目は退化していて実際にはほとんど見えないらしいが・・・。

「あ、土竜さんだ」

 ・・・唯一、早苗だけが謎の巨大土竜(なのだろうが)を見るなり、楽しそうに声を上げた。

 ちなみに、ミケさんはがっちりと巨大土竜に捕まえられている。巨大土竜の方は、ミケさんを離す気はなさそうであった・・・。

ーー

「つまりは、こいつがこの穴を掘ったというのじゃな?」

 穴のサイズを鑑みるに、多分こいつが掘り主で間違いないだろう。

 ちなみに、ミケさんとこの巨大土竜がいる場所のすぐ後ろに穴が開いている。おそらくは、この巨大土竜が地中から出てきた場所がここだということだ。

 つまり、考えられることは・・・。

「なんというか、今オレたちが出てきた穴とそいつの後ろにある穴は多分つながっていて、結局は一周してまた同じ場所に戻ってきた・・・みたいなものか?」

 えらく長い穴だから、てっきり森の奥の方まで通路は掘られているのかと思ったが、実際には、この土竜はアトリエ付近の地中を円状に掘り進み、そしてほぼ同じ場所から出てきたーこんなところではないかと推測された。

 そういえば、確かに結構な距離は歩いたものの、位置的にはそんなに移動していなかったような気がする・・・。

「なんというか、まあ、灯台下暗しというか・・・」

「目的の相手がまさかこんな近くにおったとはのう」

「うんうん、驚きだねぇ」

 早苗以外は脱力感いっぱいである。あれだけ穴倉の中を歩き回ったというのに、まさかこんなにも簡単にその主とご対面することになるなんて・・・。

 今までの苦労は何だったのだ・・・?

「ウニャー!見てニャいで助けてくれニャー!」

 ・・・いまだに巨大土竜に拘束されているミケさんの悲鳴が、辺り一面に虚しく響き渡った。まあ、いくら穀潰しとは言え、一応チームメンバーでもあるミケさんをこのままにしておくわけにもいくまい。

 何とかこの巨大土竜からミケさんを引きはがす方法を考えなければー。

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