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その頃の日向荘・再び(後半)
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「そういえば、晶君たちはモリガンのアトリエだっけ?」
久々の「夫婦水入らず」の食卓ー双子の姉が作ってくれた料理に舌鼓を打っていた奏多だったが、ふと晶たちのことが気になり、鏡香に確認した。
「そうね、何日か、モリガンちゃんのアトリエに滞在する予定らしいけど」
晶、早苗、モリガン、ミケさんの4人は、現在モリガンのアトリエがある「秋の領域」に出向いている。この大樹の最下層に位置し、地下ともつながっている唯一の領域だった。
そして、この時二人は、よもや晶たちが地下世界へと足を運ぶことになろうとは、夢にも思っていなかった。
「モリガンちゃんの調合のお手伝いですって・・・何事もなければいいんだけど」
「・・・まあ、蟲との戦いよりも、モリガンの魔法で何か面倒なことをやらかさなきゃいいんだけど」
奏多の予感は、ある程度当たっていたといっていいだろう。モリガンは、アトリエでの調合作業に失敗し、盛大に爆発騒ぎを起こしていたところだった。
「モリガンちゃんは、しょっちゅう無茶をするからね。前にもこの日向荘で騒ぎを起こしたことがあったじゃない?あの後、さすがに私もお仕置きせざるを得なかったのだけど」
「ああ・・・あれか。ミケさんの召喚魔法に対抗意識を燃やして、神威を召喚して見せるーとか言って、結局は害蟲の大群を呼び寄せちゃったんだよね」
ミケさんが日向荘に来て日も浅い頃、なぜか、ミケさんの「召喚魔法」に対抗意識を燃やしたモリガンが、自分にも「召喚」ができると豪語し、実際に挑戦してみたのだが・・・。
なんと、寄りにもよって「蟲寄せ」の効果がある魔法を発動してしまい、その結果、日向荘の全員で害蟲退治する羽目に陥った。
・・・仮にも、害蟲駆除を専門としている《ユグドラシル》だけに、駆除どころか大量の害蟲を呼び寄せてしまったことは重大な失態である・・・。
もっとも、呼び出された害蟲そのものは、大した連中ではなかったので、幸い大事には至らずに済んだのだが・・・。
「さすがに害蟲駆除業者が害蟲を呼び寄せて付近にご迷惑をおかけしたとあってはねぇ」
その時の光景を思い出し、思わず苦笑してしまう奏多であった。
「あれで、さすがの私も「お尻ぺんぺん」のフルコンボをする羽目になっちゃったしね」
「・・・あの後、モリガンがしばらく再起不能になっちゃったからねぇ」
数日はノックダウン状態のモリガンであった。
「というわけで、モリガンが無事に調合を行えればいいんだけど、いまいち安心できないんだよな」
「だから、晶君たちも一緒に行かせたんですよ。モリガンちゃんが無茶をしないように」
和泉姉弟の不安は、見事に的中したわけである。
「これから数日は一応休暇にするけど、何かあった時のために、しばらくは待機していた方がよさそうだね、姉さん」
「そうね・・・」
せっかくの休暇ではあるが、やはり予測できない事態というのはいつでも訪れる可能性がある。常にそれらのことに備えておくのは当然だった。
食事も終え、後片付けも終えてから、二人は万が一の事態に備えてバトルできるように準備しておいたー。
久々の「夫婦水入らず」の食卓ー双子の姉が作ってくれた料理に舌鼓を打っていた奏多だったが、ふと晶たちのことが気になり、鏡香に確認した。
「そうね、何日か、モリガンちゃんのアトリエに滞在する予定らしいけど」
晶、早苗、モリガン、ミケさんの4人は、現在モリガンのアトリエがある「秋の領域」に出向いている。この大樹の最下層に位置し、地下ともつながっている唯一の領域だった。
そして、この時二人は、よもや晶たちが地下世界へと足を運ぶことになろうとは、夢にも思っていなかった。
「モリガンちゃんの調合のお手伝いですって・・・何事もなければいいんだけど」
「・・・まあ、蟲との戦いよりも、モリガンの魔法で何か面倒なことをやらかさなきゃいいんだけど」
奏多の予感は、ある程度当たっていたといっていいだろう。モリガンは、アトリエでの調合作業に失敗し、盛大に爆発騒ぎを起こしていたところだった。
「モリガンちゃんは、しょっちゅう無茶をするからね。前にもこの日向荘で騒ぎを起こしたことがあったじゃない?あの後、さすがに私もお仕置きせざるを得なかったのだけど」
「ああ・・・あれか。ミケさんの召喚魔法に対抗意識を燃やして、神威を召喚して見せるーとか言って、結局は害蟲の大群を呼び寄せちゃったんだよね」
ミケさんが日向荘に来て日も浅い頃、なぜか、ミケさんの「召喚魔法」に対抗意識を燃やしたモリガンが、自分にも「召喚」ができると豪語し、実際に挑戦してみたのだが・・・。
なんと、寄りにもよって「蟲寄せ」の効果がある魔法を発動してしまい、その結果、日向荘の全員で害蟲退治する羽目に陥った。
・・・仮にも、害蟲駆除を専門としている《ユグドラシル》だけに、駆除どころか大量の害蟲を呼び寄せてしまったことは重大な失態である・・・。
もっとも、呼び出された害蟲そのものは、大した連中ではなかったので、幸い大事には至らずに済んだのだが・・・。
「さすがに害蟲駆除業者が害蟲を呼び寄せて付近にご迷惑をおかけしたとあってはねぇ」
その時の光景を思い出し、思わず苦笑してしまう奏多であった。
「あれで、さすがの私も「お尻ぺんぺん」のフルコンボをする羽目になっちゃったしね」
「・・・あの後、モリガンがしばらく再起不能になっちゃったからねぇ」
数日はノックダウン状態のモリガンであった。
「というわけで、モリガンが無事に調合を行えればいいんだけど、いまいち安心できないんだよな」
「だから、晶君たちも一緒に行かせたんですよ。モリガンちゃんが無茶をしないように」
和泉姉弟の不安は、見事に的中したわけである。
「これから数日は一応休暇にするけど、何かあった時のために、しばらくは待機していた方がよさそうだね、姉さん」
「そうね・・・」
せっかくの休暇ではあるが、やはり予測できない事態というのはいつでも訪れる可能性がある。常にそれらのことに備えておくのは当然だった。
食事も終え、後片付けも終えてから、二人は万が一の事態に備えてバトルできるように準備しておいたー。
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