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チーム《ユグドラシル》と教会騎士たち(第3話)
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「気を取り直して・・・本題に入ろう」
こほんと咳ばらいをしながら、ゼクスは今日の出来事を《ユグドラシル》の面々に伝えた。公園から少し先の林の中で、魔物と遭遇したこと。さらには、その魔物がどうやら「蟲憑き」によって操られている可能性があるということー。
「なるほど、蟲憑きなら、確かにオレたちが適任だな」
魔物の相手は教会側でも何とかなるが、蟲が関係してくるとなると、やはり自分たちの出番だろう。
そして、おそらくだがその「蟲憑き」は、ベンジャミンの話の中にも出ていた「人間の姿をした怪しげな奴」といったところか。
「オレたちも、そいつには思い当たるふしがあるな・・・」
「そうじゃな、そいつがベンジャミンの言っていたやつで間違いないじゃろう」
さっそく、モリガンが使い魔を生み出す。魔物の様子はゼクスの使役するFOが監視しているが、一応モリガンも使い魔に様子を探らせてみることにした。
「行ってくるのじゃ」
可愛らしい単眼の蝙蝠使い魔が、ぱたぱたと夜の街を飛び回る。その動きだけを見ればまさに蝙蝠である。この使い魔は、対象の魔力の波動に反応するように手を加えてあるので、目標に向かって迷うことなく飛んでいくことができた。
「しっかし、それにしてもお前ら教会側の連中もこの地下世界に来ているとは思わなかったな・・・まあ、事情は詮索するつもりはないが・・・」
他チームの行動に関してあれこれと詮索すべきではないだろう。今回は、とりあえずこれから共闘することになるとはいえ、基本的にはすべての他チームとライバル関係にあるというのを忘れてはならない。
「まあ、僕らにもいろいろあるのさ・・・君たちこそ、こんな地下世界くんだりまで来ているとは思わなかったよ」
「はん、神様の教えを広めるのに、大樹も地下もあるかってんだ」
「・・・」
この眼帯シスター殿は、今の今まで布教活動らしいことは行ったことはなかった。それどころか、何かにつけて周囲のチンピラどもを怒鳴るわボコるわで、およそ一般的な「聖職者」のイメージとは全くそぐわない行いばかりしている。
これでシスターを名乗るのだから、世の中本当に不思議なものである・・・。
「お前さんが教えを広めるのか?わしには到底信じられんぞ」
「んだと、このロリ魔女!てめえにはこのあたしのありがたい説教が必要そうだな」
「誰がロリ魔女か!毎度毎度屁理屈ばかり並べる生臭シスターが!!」
「てめえ、やんのかこらぁ!!」
眼帯シスター殿とお騒がせ魔女殿が不毛な言い争いを始める。どちらともチームの「問題児」でもあり、顔を合わせるたびに何かとケンカばかりしていた・・・。
まあ、一種の「同族嫌悪」と言えなくもない。
「お前ら、その辺にしとけ。そろそろ蟲憑きを倒しに行くぞ」
これ以上彼女たちに付き合っていては時間の無駄である。
「そうじゃな、相手が移動しないうちに何とかせねば」
「ちっ、まあ逃げられでもしたら面倒だしな」
モリガンもイリアも、一時休戦し、敵を倒すべくみんなと目的地へと向かったー。
こほんと咳ばらいをしながら、ゼクスは今日の出来事を《ユグドラシル》の面々に伝えた。公園から少し先の林の中で、魔物と遭遇したこと。さらには、その魔物がどうやら「蟲憑き」によって操られている可能性があるということー。
「なるほど、蟲憑きなら、確かにオレたちが適任だな」
魔物の相手は教会側でも何とかなるが、蟲が関係してくるとなると、やはり自分たちの出番だろう。
そして、おそらくだがその「蟲憑き」は、ベンジャミンの話の中にも出ていた「人間の姿をした怪しげな奴」といったところか。
「オレたちも、そいつには思い当たるふしがあるな・・・」
「そうじゃな、そいつがベンジャミンの言っていたやつで間違いないじゃろう」
さっそく、モリガンが使い魔を生み出す。魔物の様子はゼクスの使役するFOが監視しているが、一応モリガンも使い魔に様子を探らせてみることにした。
「行ってくるのじゃ」
可愛らしい単眼の蝙蝠使い魔が、ぱたぱたと夜の街を飛び回る。その動きだけを見ればまさに蝙蝠である。この使い魔は、対象の魔力の波動に反応するように手を加えてあるので、目標に向かって迷うことなく飛んでいくことができた。
「しっかし、それにしてもお前ら教会側の連中もこの地下世界に来ているとは思わなかったな・・・まあ、事情は詮索するつもりはないが・・・」
他チームの行動に関してあれこれと詮索すべきではないだろう。今回は、とりあえずこれから共闘することになるとはいえ、基本的にはすべての他チームとライバル関係にあるというのを忘れてはならない。
「まあ、僕らにもいろいろあるのさ・・・君たちこそ、こんな地下世界くんだりまで来ているとは思わなかったよ」
「はん、神様の教えを広めるのに、大樹も地下もあるかってんだ」
「・・・」
この眼帯シスター殿は、今の今まで布教活動らしいことは行ったことはなかった。それどころか、何かにつけて周囲のチンピラどもを怒鳴るわボコるわで、およそ一般的な「聖職者」のイメージとは全くそぐわない行いばかりしている。
これでシスターを名乗るのだから、世の中本当に不思議なものである・・・。
「お前さんが教えを広めるのか?わしには到底信じられんぞ」
「んだと、このロリ魔女!てめえにはこのあたしのありがたい説教が必要そうだな」
「誰がロリ魔女か!毎度毎度屁理屈ばかり並べる生臭シスターが!!」
「てめえ、やんのかこらぁ!!」
眼帯シスター殿とお騒がせ魔女殿が不毛な言い争いを始める。どちらともチームの「問題児」でもあり、顔を合わせるたびに何かとケンカばかりしていた・・・。
まあ、一種の「同族嫌悪」と言えなくもない。
「お前ら、その辺にしとけ。そろそろ蟲憑きを倒しに行くぞ」
これ以上彼女たちに付き合っていては時間の無駄である。
「そうじゃな、相手が移動しないうちに何とかせねば」
「ちっ、まあ逃げられでもしたら面倒だしな」
モリガンもイリアも、一時休戦し、敵を倒すべくみんなと目的地へと向かったー。
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