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水無杏里の物語(第21話)
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ギュンターの飛空艇から降ろしてもらい、飛空鎧が不時着したすぐそばの森へ赴くカイトと杏里。
「この辺りの森は動物もおとなしいし、蟲が出る危険性もないから、楓さんのところに行くときにはよく散策したりするのよね」
両手を腰の後ろで組みながら、杏里が先頭立って森の中を進む。そんな杏里の後ろをとことことついていくカイト。
途中、辺りの様子を見まわしてみたが、森というだけあって鬱蒼としているものの、確かに危険な動物が出てくる気配はない。たまにリス等の小型動物を見かける程度だーリスは、空での生活がメインとなっているカイトにとっては珍しいことこの上なく、その姿を見つけて思わず叫んでしまったーそんなカイトの姿を見て、くすぐったそうな笑みを浮かべる杏里ーそして、思わず赤面してしまうカイトであった。
「珍しい動物さんがいっぱいいて、楽しいでしょ、カイト」
「う、うん・・・」
これではまるで子供扱いだーと恥ずかしさに頭を抱えようとするカイトであったが、
「私も小さい頃は、ここでいろんな動物さんに出会えてうれしかったな」
・・・僕は子供と同じじゃないか。
今度は赤面する代わりに、ドーンと沈んだ表情になるカイトであった。
そんな彼の様子には気が付かないのか、不意に杏里が話題を変えてきた。
「森って言えば・・・楓さんの友人も森の中にアトリエを構えて暮らしているんですって・・・魔女さんらしいわ」
「魔女?」
空の生活が長いカイトにとって、魔女というのは疎遠な存在だ。せいぜいが、自分が読んだ物語の中でしかお目にかかったことがなかった。
魔女と聞いて、カイトが不安になったのかと思ったのか、杏里が少し慌てた様子で、
「ああ、魔女と言っても悪い魔女じゃないわ・・・とても可愛らしいお嬢さんで・・・楓さんとよく気が合うそうよ」
変人と有名な桐ケ谷楓と気が合うというのは、それはそれで不安な気もするが、まあ杏里がこうやって必死に取り繕うくらいだから、決して悪い人ではないのだろう。
「とにかく、楓さんの家に行ってみましょ。この道を右に曲がれば、楓さんの家はもうすぐそこよ」
森の中に、二又に分かれた道がある。杏里の話では、ここを右に行けばいいようだ。
ふと、二又の道の真ん中に看板らしきものがあることに気が付く。
「ええと、何々・・・左は池方面、右は御用のある方大歓迎!・・・何だこりゃ」
カイトが看板を読み上げるが・・・大歓迎というのはあまり適切な表現じゃないような気が・・・。
「ほーほう、杏里、久しぶりじゃのう」
その時、突然誰かから声をかけられたー。
「この辺りの森は動物もおとなしいし、蟲が出る危険性もないから、楓さんのところに行くときにはよく散策したりするのよね」
両手を腰の後ろで組みながら、杏里が先頭立って森の中を進む。そんな杏里の後ろをとことことついていくカイト。
途中、辺りの様子を見まわしてみたが、森というだけあって鬱蒼としているものの、確かに危険な動物が出てくる気配はない。たまにリス等の小型動物を見かける程度だーリスは、空での生活がメインとなっているカイトにとっては珍しいことこの上なく、その姿を見つけて思わず叫んでしまったーそんなカイトの姿を見て、くすぐったそうな笑みを浮かべる杏里ーそして、思わず赤面してしまうカイトであった。
「珍しい動物さんがいっぱいいて、楽しいでしょ、カイト」
「う、うん・・・」
これではまるで子供扱いだーと恥ずかしさに頭を抱えようとするカイトであったが、
「私も小さい頃は、ここでいろんな動物さんに出会えてうれしかったな」
・・・僕は子供と同じじゃないか。
今度は赤面する代わりに、ドーンと沈んだ表情になるカイトであった。
そんな彼の様子には気が付かないのか、不意に杏里が話題を変えてきた。
「森って言えば・・・楓さんの友人も森の中にアトリエを構えて暮らしているんですって・・・魔女さんらしいわ」
「魔女?」
空の生活が長いカイトにとって、魔女というのは疎遠な存在だ。せいぜいが、自分が読んだ物語の中でしかお目にかかったことがなかった。
魔女と聞いて、カイトが不安になったのかと思ったのか、杏里が少し慌てた様子で、
「ああ、魔女と言っても悪い魔女じゃないわ・・・とても可愛らしいお嬢さんで・・・楓さんとよく気が合うそうよ」
変人と有名な桐ケ谷楓と気が合うというのは、それはそれで不安な気もするが、まあ杏里がこうやって必死に取り繕うくらいだから、決して悪い人ではないのだろう。
「とにかく、楓さんの家に行ってみましょ。この道を右に曲がれば、楓さんの家はもうすぐそこよ」
森の中に、二又に分かれた道がある。杏里の話では、ここを右に行けばいいようだ。
ふと、二又の道の真ん中に看板らしきものがあることに気が付く。
「ええと、何々・・・左は池方面、右は御用のある方大歓迎!・・・何だこりゃ」
カイトが看板を読み上げるが・・・大歓迎というのはあまり適切な表現じゃないような気が・・・。
「ほーほう、杏里、久しぶりじゃのう」
その時、突然誰かから声をかけられたー。
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