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アサギと黒羽(第6話)
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チーム《ラピュタ》は、害蟲駆除の他、現在はラピュタ特急便として、地方都市に配達も行っている。今回はこのゼルキンス村の村長にお届け物がある。
「《ラピュタ特急便》でーす!お届け物です」
村長宅のベルを鳴らし、カルミナとブラーナが荷物を配達する。
ちなみに、他の3名は村長宅の付近に待機していた。荷物を届けるだけならカルミナ達だけで十分だ。あまりぞろぞろ連れ立って行く必要もないだろう。
特に、黒羽に至っては全身黒ずくめで、かなり怪しい。悪い意味で目立つので、やはり後方で控えていてもらうしかない。
「・・・」
先ほど感じた殺気。
黒羽は、近くで暇を持て余している翔と卓の二人に気が付かれないように、そっと黒い羽根を一つだけ飛ばした。魔力を帯びた黒い羽根は、そのまま二人に気づかれずに、ゼルキンス村の入り口付近まで飛来していく。入り口の門付近の木に、黒い羽根が突き刺さった。
「・・・私の勘違いだといいのですが」
たった今、飛ばした黒い羽根は、強い魔力の波動を放つ者の姿を捉え、術者である黒羽にその映像を投影することができるように細工をしてあるものだ。
これで、何者かがこの村付近に接近してくれば、すぐにその正体がわかるはず・・・。
と、その時ー。
「配達終わり~」
カルミナとブラーナが、村長宅から戻ってきた。
「前は男どもが迷惑かけたからね~、ちょっと都合が悪かったわ・・・」
その男どもは、現在暇を持て余してダレていたところだったりする。かつて、この村で翔と卓の二人が村の若い連中とケンカをして結果村長さんにご迷惑をおかけしてしまったことを言っている。
「だあ、その件はもういいだろ・・・もうやらねえから」
「そもそも、今日はやつらを見かけないしな」
そう言えば、かつてこの村でケンカした相手の姿を見かけない。
「なぁんもない村だから、退屈で出て行っちゃったんじゃない?」
カルミナが周囲を軽く見まわし、欠伸を噛み殺しながら言った。
確かに、カルミナの言う通り、一面の綿花畑以外は何もない村である。これなら、遊びたい盛りの年齢層が生活するには耐えられそうもない。まさに過疎地というしかない場所である。
「案外そうかもな・・・オレがこの村の住民だったら、半日と持たねえよ」
翔は盛大に欠伸しながら、近くの綿花畑を見回した。
・・・絶対に自身がある。この村なら、オレは半日と持たない・・・と。
「まあ、私はむしろ、このような場所が好きですが・・・」
人見知りするタイプの黒羽にとっては、確かに過ごしやすい場所かもしれない。
「黒羽はあまり他人と関わりたがらないからな。確かに人が少ない場所の方がいいかもしれん」
尤も、私の場合は、単に人見知りというだけではないのですが・・・と、誰にも聞き取れないくらいの小声で、黒羽はつぶやいたー。
ーー
「邪術師は、まだ村の中か・・・」
アサギは、村の門付近で様子を窺っていた。邪術師は捨て置けないが、その仲間が4名もいるとあっては、いきなり仕掛けるのは得策ではない。今はまだ様子見を決め込んだ方がいいだろう。
「それにしても、何もないところだな、ここは・・・」
アサギの故郷は東方にある。前文明時代の琉球と呼ばれていた国に近い雰囲気の地域で、その中の田舎が出身地だ。故郷も何もない場所だとは思うが、このゼルキンス村は、綿花畑以外は見事に何も見るものがなかった。
「まあ、平和と言えばそうなんだろうが・・・む?」
今、何かの魔力の波動を一瞬感じた・・・気がした。
まさか、あの邪術師の仕業か・・・?
アサギは、注意深く辺りを見回したー。
「《ラピュタ特急便》でーす!お届け物です」
村長宅のベルを鳴らし、カルミナとブラーナが荷物を配達する。
ちなみに、他の3名は村長宅の付近に待機していた。荷物を届けるだけならカルミナ達だけで十分だ。あまりぞろぞろ連れ立って行く必要もないだろう。
特に、黒羽に至っては全身黒ずくめで、かなり怪しい。悪い意味で目立つので、やはり後方で控えていてもらうしかない。
「・・・」
先ほど感じた殺気。
黒羽は、近くで暇を持て余している翔と卓の二人に気が付かれないように、そっと黒い羽根を一つだけ飛ばした。魔力を帯びた黒い羽根は、そのまま二人に気づかれずに、ゼルキンス村の入り口付近まで飛来していく。入り口の門付近の木に、黒い羽根が突き刺さった。
「・・・私の勘違いだといいのですが」
たった今、飛ばした黒い羽根は、強い魔力の波動を放つ者の姿を捉え、術者である黒羽にその映像を投影することができるように細工をしてあるものだ。
これで、何者かがこの村付近に接近してくれば、すぐにその正体がわかるはず・・・。
と、その時ー。
「配達終わり~」
カルミナとブラーナが、村長宅から戻ってきた。
「前は男どもが迷惑かけたからね~、ちょっと都合が悪かったわ・・・」
その男どもは、現在暇を持て余してダレていたところだったりする。かつて、この村で翔と卓の二人が村の若い連中とケンカをして結果村長さんにご迷惑をおかけしてしまったことを言っている。
「だあ、その件はもういいだろ・・・もうやらねえから」
「そもそも、今日はやつらを見かけないしな」
そう言えば、かつてこの村でケンカした相手の姿を見かけない。
「なぁんもない村だから、退屈で出て行っちゃったんじゃない?」
カルミナが周囲を軽く見まわし、欠伸を噛み殺しながら言った。
確かに、カルミナの言う通り、一面の綿花畑以外は何もない村である。これなら、遊びたい盛りの年齢層が生活するには耐えられそうもない。まさに過疎地というしかない場所である。
「案外そうかもな・・・オレがこの村の住民だったら、半日と持たねえよ」
翔は盛大に欠伸しながら、近くの綿花畑を見回した。
・・・絶対に自身がある。この村なら、オレは半日と持たない・・・と。
「まあ、私はむしろ、このような場所が好きですが・・・」
人見知りするタイプの黒羽にとっては、確かに過ごしやすい場所かもしれない。
「黒羽はあまり他人と関わりたがらないからな。確かに人が少ない場所の方がいいかもしれん」
尤も、私の場合は、単に人見知りというだけではないのですが・・・と、誰にも聞き取れないくらいの小声で、黒羽はつぶやいたー。
ーー
「邪術師は、まだ村の中か・・・」
アサギは、村の門付近で様子を窺っていた。邪術師は捨て置けないが、その仲間が4名もいるとあっては、いきなり仕掛けるのは得策ではない。今はまだ様子見を決め込んだ方がいいだろう。
「それにしても、何もないところだな、ここは・・・」
アサギの故郷は東方にある。前文明時代の琉球と呼ばれていた国に近い雰囲気の地域で、その中の田舎が出身地だ。故郷も何もない場所だとは思うが、このゼルキンス村は、綿花畑以外は見事に何も見るものがなかった。
「まあ、平和と言えばそうなんだろうが・・・む?」
今、何かの魔力の波動を一瞬感じた・・・気がした。
まさか、あの邪術師の仕業か・・・?
アサギは、注意深く辺りを見回したー。
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