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カイトと杏里、大樹へ(第1話)
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モリガンが作り出した転送魔法陣ー通称「精霊の道しるべ」ー。
その異空間の中をゆったりとした感覚で大樹を目指して飛び続ける杏里とカイトー。
「これが・・・転送魔法陣の中だなんて・・・」
「信じられないわ・・・」
二人とも、人生初めての体験に驚きを隠せず、思わず感嘆の声を上げてしまう。
重力の制約から解放されて上下左右の感覚に乏しくなっているが、しかし自分たちの意志に関係なくただひたすら前へと飛行しているような、そんな不思議な感じであった。
「それにしても・・・綺麗な場所ね・・・」
転送魔法陣内ー「精霊の道しるべ」は、光に満ち溢れていた。光の粒子が繊細な糸のように二人の体にまとわりついたかと思うと、その光跡を残しつつ、徐々に離れていくーまるで、その光の粒子そのものが意志を持つかのように思えた。
杏里もカイトも、ただひたすら前へ飛行していくことしかできない。自分の意志では後ろに下がることも、左右へと移動することもできず、ただひたすらーしかしゆっくりとー「精霊の道しるべ」の道なき道を進んでいくー。
おそらくではあるが、この「精霊の道しるべ」内では、モリガンが定めたようにしか移動できないのだろう。よって、移動の自由は確かにないのだが、しかしなぜか二人ともそれを不自由だと感じたことはなかった。
これが、あのモリガンというまだあどけなさが残る少女の魔法によって行われたというのだから、なおのこと驚かされる。
「・・・そう、だね」
光の粒子に包まれた杏里を見て、思わず言葉を失うカイト。元々、水無杏里は美しい娘ではあるが、この幻想的な「精霊の道しるべ」とまとわりつく光の粒子が、彼女のどこか神秘的な魅力を引き立たせていたのだった。
一言で言うなら、まるで天女様であるー。
カイトが彼女の魅力的な姿に参ってしまうのも無理からぬことだっただろう。
気恥ずかしくなったのか、思わず杏里から顔を背けてしまうカイト。自分でも、顔が赤くなっているであろうことは実感できていた。
そして、そんな彼を怪訝そうに見つめる杏里の姿があった。
「カイト・・・?」
「いやあ、何でもないよ、杏里」
顔をブンブンと勢いよく振りながら、カイトは応える。変に声が裏返っていたりする。そんな彼のことを訝しみながらも、思わずクスリと微笑してしまう杏里であったー。
その異空間の中をゆったりとした感覚で大樹を目指して飛び続ける杏里とカイトー。
「これが・・・転送魔法陣の中だなんて・・・」
「信じられないわ・・・」
二人とも、人生初めての体験に驚きを隠せず、思わず感嘆の声を上げてしまう。
重力の制約から解放されて上下左右の感覚に乏しくなっているが、しかし自分たちの意志に関係なくただひたすら前へと飛行しているような、そんな不思議な感じであった。
「それにしても・・・綺麗な場所ね・・・」
転送魔法陣内ー「精霊の道しるべ」は、光に満ち溢れていた。光の粒子が繊細な糸のように二人の体にまとわりついたかと思うと、その光跡を残しつつ、徐々に離れていくーまるで、その光の粒子そのものが意志を持つかのように思えた。
杏里もカイトも、ただひたすら前へ飛行していくことしかできない。自分の意志では後ろに下がることも、左右へと移動することもできず、ただひたすらーしかしゆっくりとー「精霊の道しるべ」の道なき道を進んでいくー。
おそらくではあるが、この「精霊の道しるべ」内では、モリガンが定めたようにしか移動できないのだろう。よって、移動の自由は確かにないのだが、しかしなぜか二人ともそれを不自由だと感じたことはなかった。
これが、あのモリガンというまだあどけなさが残る少女の魔法によって行われたというのだから、なおのこと驚かされる。
「・・・そう、だね」
光の粒子に包まれた杏里を見て、思わず言葉を失うカイト。元々、水無杏里は美しい娘ではあるが、この幻想的な「精霊の道しるべ」とまとわりつく光の粒子が、彼女のどこか神秘的な魅力を引き立たせていたのだった。
一言で言うなら、まるで天女様であるー。
カイトが彼女の魅力的な姿に参ってしまうのも無理からぬことだっただろう。
気恥ずかしくなったのか、思わず杏里から顔を背けてしまうカイト。自分でも、顔が赤くなっているであろうことは実感できていた。
そして、そんな彼を怪訝そうに見つめる杏里の姿があった。
「カイト・・・?」
「いやあ、何でもないよ、杏里」
顔をブンブンと勢いよく振りながら、カイトは応える。変に声が裏返っていたりする。そんな彼のことを訝しみながらも、思わずクスリと微笑してしまう杏里であったー。
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