314 / 464
ミケとポン太(第8話)
しおりを挟む
「次に、タコ部屋行きだが・・・」
「おうよ」
・・・「タコ部屋」という言葉に、敏感に反応するミケさん。ガクブル状態で、さらには全身冷や汗まみれとなっているー。
「・・・この際だから、ぜひともタコ部屋に入れてやってくれ」
「ニャニャニャ!?」
・・・あまりにもあっさりと、ミケさんのタコ部屋送りを承諾ーというか、むしろ晶の方から願い出るような形になった。
「あ、晶ニョ裏切りもニョォォォォ!!」
ミケさんの悲鳴が部屋中に木霊する。いや、部屋どころか、この日向荘の至る所にまで、その悲鳴は及んだ。
「何だ、あんちゃん・・・ずいぶんと物分かりがいいじゃねえか」
ポン太が、さっそく自分の取り巻き連中に命じて、ミケさんを包囲させた。
「これで、あとはカネを完済するまで労働だな」
ポン太が満足そうにミケさんをガシっとつかまえる。ミケさんは当然もがくが、他の動物たちも包囲に加わっているので、当然ながら逃げる術などなかった。
「こいつの場合、少しでも働かせて、自分で金を稼ぐことの大切さをわからせた方がいいだろう」
そんなミケさんを、腕組みをしながら見下ろす晶。
「なにせ、この日向荘に来てからというもの、こいつが仕事らしいことをしたことはたったの一度もないからな」
晶の言葉に、ミケさんも思い当たる節があるのか、ぐうの音も出ないといった様子で押し黙った。
「働かざる者食うべからずの精神を、その短足でどれだけ踏み躙ってきたことか!!」
ミケさんの頭をガシっと鷲掴みにし、顔をドアップの状態で近づけながら、晶はすごんだ。
・・・当然、ミケさんからは何の返答もなかった。
「というわけで、お前さん、少しは働くことの大切さを学習するため、ぜひともタコ部屋に行ってこい」
ガーン、という擬音語が聞こえてきそうなポーズのまま、固まるミケさん。
そして、そんなミケさんや晶、ポン太たちの様子を、なんとも言えない表情で見守り続ける他の3人。
「ははは、物分かりのいいあんちゃんがいてくれて助かったぜ・・・おい、二度とこいつに逃げられねえように、きちんと拘束しておけ」
「わかりやした、親分」
「ウガアァァ!!」
ポン太の取り巻き連中が、慌ただしく動き始める。これからミケさんは、借金完済のため、タコ部屋にて労働に勤しむ毎日になりそうだ・・・もっとも、ミケさんは蟲なので、いくら酷使されても多分過労死することはないだろうが・・・。
「うーん、なんだか猫さん、ちょっぴり可哀そうね・・・」
そんな彼らの様子を見守っていた杏里が零した。
「ミケさんがいなくなるのは嫌だなぁ、私」
それに早苗も同調する。なんだかんだ言っても、ミケさんはチームの一員なのである。やはり、このままミケさんとおさらばするのは、早苗としても避けたいところなのだろう。
すると、その時ー。
「ちょっと待て、お前ら」
突然、晶がポン太達を制したー。
「おうよ」
・・・「タコ部屋」という言葉に、敏感に反応するミケさん。ガクブル状態で、さらには全身冷や汗まみれとなっているー。
「・・・この際だから、ぜひともタコ部屋に入れてやってくれ」
「ニャニャニャ!?」
・・・あまりにもあっさりと、ミケさんのタコ部屋送りを承諾ーというか、むしろ晶の方から願い出るような形になった。
「あ、晶ニョ裏切りもニョォォォォ!!」
ミケさんの悲鳴が部屋中に木霊する。いや、部屋どころか、この日向荘の至る所にまで、その悲鳴は及んだ。
「何だ、あんちゃん・・・ずいぶんと物分かりがいいじゃねえか」
ポン太が、さっそく自分の取り巻き連中に命じて、ミケさんを包囲させた。
「これで、あとはカネを完済するまで労働だな」
ポン太が満足そうにミケさんをガシっとつかまえる。ミケさんは当然もがくが、他の動物たちも包囲に加わっているので、当然ながら逃げる術などなかった。
「こいつの場合、少しでも働かせて、自分で金を稼ぐことの大切さをわからせた方がいいだろう」
そんなミケさんを、腕組みをしながら見下ろす晶。
「なにせ、この日向荘に来てからというもの、こいつが仕事らしいことをしたことはたったの一度もないからな」
晶の言葉に、ミケさんも思い当たる節があるのか、ぐうの音も出ないといった様子で押し黙った。
「働かざる者食うべからずの精神を、その短足でどれだけ踏み躙ってきたことか!!」
ミケさんの頭をガシっと鷲掴みにし、顔をドアップの状態で近づけながら、晶はすごんだ。
・・・当然、ミケさんからは何の返答もなかった。
「というわけで、お前さん、少しは働くことの大切さを学習するため、ぜひともタコ部屋に行ってこい」
ガーン、という擬音語が聞こえてきそうなポーズのまま、固まるミケさん。
そして、そんなミケさんや晶、ポン太たちの様子を、なんとも言えない表情で見守り続ける他の3人。
「ははは、物分かりのいいあんちゃんがいてくれて助かったぜ・・・おい、二度とこいつに逃げられねえように、きちんと拘束しておけ」
「わかりやした、親分」
「ウガアァァ!!」
ポン太の取り巻き連中が、慌ただしく動き始める。これからミケさんは、借金完済のため、タコ部屋にて労働に勤しむ毎日になりそうだ・・・もっとも、ミケさんは蟲なので、いくら酷使されても多分過労死することはないだろうが・・・。
「うーん、なんだか猫さん、ちょっぴり可哀そうね・・・」
そんな彼らの様子を見守っていた杏里が零した。
「ミケさんがいなくなるのは嫌だなぁ、私」
それに早苗も同調する。なんだかんだ言っても、ミケさんはチームの一員なのである。やはり、このままミケさんとおさらばするのは、早苗としても避けたいところなのだろう。
すると、その時ー。
「ちょっと待て、お前ら」
突然、晶がポン太達を制したー。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
9
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる