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ミケとポン太(第10話)
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こうして、ミケさんは借金返済のため、しばらくの間「タコ部屋」で労働の大切さについて学ぶ羽目になった。
「晶ニョ裏切りもニョ~!!」
ずるずると、ポン太とその取り巻き連中に引きずられていくミケさんを遠い目で見つめながら、
「さらば、ミケさん・・・せいぜい働くことの尊さについて実感してきてくれ・・・」
なぜか背景は夕陽が!!
「・・・なんだか、猫さんが可哀そうですね」
「まあ、お金を返すためには働かなくちゃいけないのは確かだから、仕方がないのかもしれないけど」
「うーん、ミケさん、早く戻れるのかな~」
やけにすがすがしい表情の晶に対し、他の3人はなんとも言えない表情のまま、動物もどきとミケさんを見送ることになったー。
ーー
「さあ、ミケさんのことは忘れて、仕事に励むぞ!」
やけにテンションが高い晶に対し、他の3人はなんとも呆れ顔である。
「晶君、たまにミケさんの様子を見に行ってもいい?ちょっと不安だな、私」
早苗は、ミケさんが連れていかれた方角を見ながら、このままミケさんが帰ってこなくなったらどうしようかと不安になっていた。ミケさんも大切な仲間である。やはりこのまま会えなくなるのだけは、なんとしても避けたいところだ。
晶も、そんな早苗の心情はよくわかっているので、
「まあ、たまに様子は見に行くつもりだ。いくらミケさんの借金返済のためとはいえ、タコ部屋で倒れたりされたらたまらんからな」
ミケさんは、蟲であるため、人間みたいに過労死することはないだろうが、しかし、普段から全く働かないミケさんが、果たしてタコ部屋の過酷な労働に最後まで耐えられるのかは、確かに晶も不安ではあった。
「そうですね・・・まだ猫さんに出会って間もないですけど、やっぱり心配です。時々どんな状況か、確認しに行った方がいいでしょうね」
「杏里がそう言うなら、僕も付き合うよ~。会ったばかりだけど、ミケさんのことは僕も気になるしね」
杏里もカイトも、実にお人好しな性格である。
そんな杏里たちを見て、晶も、
「まあ、近いうちに一度顔を見に行くか・・・それまでせいぜい頑張って稼いできてくれ、ミケさんよ」
・・・と、もはや姿かたちを見ることもできないくらいに離れてしまったミケさんにエールを送ったのだった。
「さて、ミケさんの件は一旦保留にするとして・・・」
すぐに、何事もなかったかのように話題を変える晶・・・その変わり身の早さに、半ば呆れる3人。
「問題はカイトや水無の方だな・・・その紫の飛空鎧の乗り手だが、まだ浮遊大陸をうろついているだろうし、迂闊には戻れないだろう」
ミケさんのことですっかり忘れがちとなっていただ、こちらの方が本題である。まだ、浮遊大陸には戻れないだろう。
カイト本人としては、自分の先輩たちを屠った紫の飛空鎧の乗り手をこの手で討ち果たしたいところだが、今すぐに挑んでも、おそらくは前回の二の舞となりかねない。それでは、せっかく大樹まで逃がしてくれた楓やモリガンに対して申し訳が立たないだろう。
しばし、考え込むカイトーここで、自分にできることは何だろうかー?
「少なくとも、現地にいるモリガンから連絡があるまで、この日向荘でゆっくりしててくれ・・・鏡香さんも事情は知ってるから、許可してくれるだろう」
「そのことなんだが、晶」
カイトが、晶に自分の決意を申し出た。
「ここに滞在できる間だけでいいから、君たちのチームのお手伝いをさせてもらえないだろうか」
「ーえ?」
晶は、驚きを隠せないまま、カイトの方を見やったー。
「晶ニョ裏切りもニョ~!!」
ずるずると、ポン太とその取り巻き連中に引きずられていくミケさんを遠い目で見つめながら、
「さらば、ミケさん・・・せいぜい働くことの尊さについて実感してきてくれ・・・」
なぜか背景は夕陽が!!
「・・・なんだか、猫さんが可哀そうですね」
「まあ、お金を返すためには働かなくちゃいけないのは確かだから、仕方がないのかもしれないけど」
「うーん、ミケさん、早く戻れるのかな~」
やけにすがすがしい表情の晶に対し、他の3人はなんとも言えない表情のまま、動物もどきとミケさんを見送ることになったー。
ーー
「さあ、ミケさんのことは忘れて、仕事に励むぞ!」
やけにテンションが高い晶に対し、他の3人はなんとも呆れ顔である。
「晶君、たまにミケさんの様子を見に行ってもいい?ちょっと不安だな、私」
早苗は、ミケさんが連れていかれた方角を見ながら、このままミケさんが帰ってこなくなったらどうしようかと不安になっていた。ミケさんも大切な仲間である。やはりこのまま会えなくなるのだけは、なんとしても避けたいところだ。
晶も、そんな早苗の心情はよくわかっているので、
「まあ、たまに様子は見に行くつもりだ。いくらミケさんの借金返済のためとはいえ、タコ部屋で倒れたりされたらたまらんからな」
ミケさんは、蟲であるため、人間みたいに過労死することはないだろうが、しかし、普段から全く働かないミケさんが、果たしてタコ部屋の過酷な労働に最後まで耐えられるのかは、確かに晶も不安ではあった。
「そうですね・・・まだ猫さんに出会って間もないですけど、やっぱり心配です。時々どんな状況か、確認しに行った方がいいでしょうね」
「杏里がそう言うなら、僕も付き合うよ~。会ったばかりだけど、ミケさんのことは僕も気になるしね」
杏里もカイトも、実にお人好しな性格である。
そんな杏里たちを見て、晶も、
「まあ、近いうちに一度顔を見に行くか・・・それまでせいぜい頑張って稼いできてくれ、ミケさんよ」
・・・と、もはや姿かたちを見ることもできないくらいに離れてしまったミケさんにエールを送ったのだった。
「さて、ミケさんの件は一旦保留にするとして・・・」
すぐに、何事もなかったかのように話題を変える晶・・・その変わり身の早さに、半ば呆れる3人。
「問題はカイトや水無の方だな・・・その紫の飛空鎧の乗り手だが、まだ浮遊大陸をうろついているだろうし、迂闊には戻れないだろう」
ミケさんのことですっかり忘れがちとなっていただ、こちらの方が本題である。まだ、浮遊大陸には戻れないだろう。
カイト本人としては、自分の先輩たちを屠った紫の飛空鎧の乗り手をこの手で討ち果たしたいところだが、今すぐに挑んでも、おそらくは前回の二の舞となりかねない。それでは、せっかく大樹まで逃がしてくれた楓やモリガンに対して申し訳が立たないだろう。
しばし、考え込むカイトーここで、自分にできることは何だろうかー?
「少なくとも、現地にいるモリガンから連絡があるまで、この日向荘でゆっくりしててくれ・・・鏡香さんも事情は知ってるから、許可してくれるだろう」
「そのことなんだが、晶」
カイトが、晶に自分の決意を申し出た。
「ここに滞在できる間だけでいいから、君たちのチームのお手伝いをさせてもらえないだろうか」
「ーえ?」
晶は、驚きを隠せないまま、カイトの方を見やったー。
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