テキトーすぎな《ユグドラシル》の皆さん

空と大樹と（第6話）

　夕ご飯も終わり、早苗と杏里が後片付けを終えてからー。

「晶君、明日忘れずに、ミケさんの様子を見に行こうね！」

　早苗は、笑顔ではあるが有無を言わさぬくらいの迫力で迫ってきた。

　美少女による満面の笑顔でドアップ！！

　・・・純粋に怖い。

「わかってるよ、大丈夫だ清野、忘れてないから」

　本音を言うと、ミケさんのことなどすっかり忘れてしまいたいところだが、さすがに早苗にこれ以上睨まれると面倒なので、否が応でも明日ミケさんの様子を見に行くことにする・・・。

「それにしても、あいつ本当にちゃんと働いてるかな？」

　あの怠け者のミケさんのことである。おそらく、ろくな作業もせずにすぐに酒をかっ喰らって寝込んでいるのではないかー晶にはそう思えて仕方がない。

「まあ、でもタコ部屋っていうくらいだから、そこの管理人がいるだろ？だったら、さすがになまけさせないんじゃないか、晶」

　カイトの言うことも一理ある。確かに、タコ部屋では自由は一切なく、日々ただ与えられた強制労働をこなすだけになるはずだ。当然、逆らえば懲罰が待ち受けているだろう。とても、酒なんぞ飲んでいる暇などないだろう。

　そして、チーム《ユグドラシル》最弱のメンバーであるミケさんに、とてもではないが抗う術などないはずである。

「まあ、それも明日行ってみればわかることだけどな・・・せいぜいあいつがへたばってないことを祈ろう」

　・・・そうは言いつつも、多分ミケさんが2日目にしておそらくは地面にはいつくばっていることを予測しながら、晶は明日の準備をし始めた。

「カイト、水無も・・・明日はミケさんの様子を見に行くから訓練できないけど、明後日からは本格的にやるから、今のうちに疲れはとっておきな」

「お願いするよ、晶」

「私こそお願いします」

　なんだか、チームに後輩が入ってきたような気分になる晶であったー。