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日向荘にて(第15話)
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休憩も終わり、ニャンドラゴラが吊るされた木のもとへと向かう杏里と早苗ー。
だったが・・・。
「あれ?」
「・・・だれもいない・・・?」
なんと、二人が戻ってみると、ニャンドラゴラが縄から逃れて姿を消しているではないか。
「・・・逃げたね、ニャンドラゴラ君」
早苗が、縄の様子を確認するために近くまで寄ってみる。縄は、強い力で内側から引きちぎられたように見えた。
つまりは、ニャンドラゴラ自身が自力で縄を破り、脱出したということになるのだが・・・。
「え、でも、ニャンドラゴラさんはそんな力があるようには見えませんでしたが・・・」
杏里も近くへ駆け寄って様子を窺う。早苗によって木に吊るされ、泣きわめいていただけのニャンドラゴラに、とてもではないが縄から抜け出す力があるようには思えない。
「・・・まさか、力を隠していたのかな~、ニャンドラゴラ君。ミケさんじゃないけど、それこそ猫を被っていたとか?」
早苗が小首をかしげながら、改めて縄の強度を確認する。当たり前だが、人間の力でも縄を破ることなんてできるものではない。それが・・・明らかに人間よりも非力そうなニャンドラゴラにできたというのだろうか・・・?
とてもではないが、にわかには信じられない話である・・・。
「隠し事をしていたようには見えませんでしたが・・・でも、どう見ても縛られている状態から引きちぎって脱出したようにしか見えないですね・・・」
「・・・もしかしたら、蟲が関与しているのかもしれないね~」
早苗が、相変わらず緊張感のない間延びした口調で言う。
「それって、害蟲が関わっているということですか?」
だとしたら、一大事である。よもや、害蟲駆除専門のチーム《ユグドラシル》のお膝元で、こんなことをしでかされるとは・・・。
「・・・これは、絶対に放置しておけない状態だねぇ、杏里ちゃん」
相変わらずの間延びした口調であったが、それでも先ほどよりは真剣さが感じられる喋り方で早苗が言った。彼女も害蟲駆除チームの一員である以上、もし害蟲が関わっているとなれば、これは見過ごすことのできない事態だという意識は当然ながらあるのだろう。
「でも、害蟲の波動は感じられなかったのですが・・・?」
「・・・言われてみれば、そうだねぇ、私も気が付かなかったよ」
先ほどまで、お茶菓子にガールズトークに夢中になっていた早苗と杏里だったが、それでも周囲に対して警戒を怠っていたわけでもなかった。二人そろって、気配を察知できなかったというのも不可解な話ではある。
「・・・となると、やはりニャンドラゴラさんが自力で脱出したということになるのでしょうか?」
「・・・やっぱり猫被ってたのかなぁ?」
その時、背後に、問題のニャンドラゴラが現れたー。
だったが・・・。
「あれ?」
「・・・だれもいない・・・?」
なんと、二人が戻ってみると、ニャンドラゴラが縄から逃れて姿を消しているではないか。
「・・・逃げたね、ニャンドラゴラ君」
早苗が、縄の様子を確認するために近くまで寄ってみる。縄は、強い力で内側から引きちぎられたように見えた。
つまりは、ニャンドラゴラ自身が自力で縄を破り、脱出したということになるのだが・・・。
「え、でも、ニャンドラゴラさんはそんな力があるようには見えませんでしたが・・・」
杏里も近くへ駆け寄って様子を窺う。早苗によって木に吊るされ、泣きわめいていただけのニャンドラゴラに、とてもではないが縄から抜け出す力があるようには思えない。
「・・・まさか、力を隠していたのかな~、ニャンドラゴラ君。ミケさんじゃないけど、それこそ猫を被っていたとか?」
早苗が小首をかしげながら、改めて縄の強度を確認する。当たり前だが、人間の力でも縄を破ることなんてできるものではない。それが・・・明らかに人間よりも非力そうなニャンドラゴラにできたというのだろうか・・・?
とてもではないが、にわかには信じられない話である・・・。
「隠し事をしていたようには見えませんでしたが・・・でも、どう見ても縛られている状態から引きちぎって脱出したようにしか見えないですね・・・」
「・・・もしかしたら、蟲が関与しているのかもしれないね~」
早苗が、相変わらず緊張感のない間延びした口調で言う。
「それって、害蟲が関わっているということですか?」
だとしたら、一大事である。よもや、害蟲駆除専門のチーム《ユグドラシル》のお膝元で、こんなことをしでかされるとは・・・。
「・・・これは、絶対に放置しておけない状態だねぇ、杏里ちゃん」
相変わらずの間延びした口調であったが、それでも先ほどよりは真剣さが感じられる喋り方で早苗が言った。彼女も害蟲駆除チームの一員である以上、もし害蟲が関わっているとなれば、これは見過ごすことのできない事態だという意識は当然ながらあるのだろう。
「でも、害蟲の波動は感じられなかったのですが・・・?」
「・・・言われてみれば、そうだねぇ、私も気が付かなかったよ」
先ほどまで、お茶菓子にガールズトークに夢中になっていた早苗と杏里だったが、それでも周囲に対して警戒を怠っていたわけでもなかった。二人そろって、気配を察知できなかったというのも不可解な話ではある。
「・・・となると、やはりニャンドラゴラさんが自力で脱出したということになるのでしょうか?」
「・・・やっぱり猫被ってたのかなぁ?」
その時、背後に、問題のニャンドラゴラが現れたー。
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