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第2章 確かなもの
第27話 晒しな日記~天内葉月・三好京子
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「あたしを傷つけた以上、てめえにもう用はない・・・さっさと死ね!」
「きゃああ!!」
一方的に嬲れるはずのおもちゃが牙をむいた。その時点で、既に葉月には三好に対する興味は失われていた。三好の右肩から腹部に至るまで、そのサイズで容赦なく切り裂く。
そう、ちょうど心臓に当たる部分をえぐるような軌跡で切り裂いたのだ。当然、その擬体は・・・。
「三好京子、擬体破損率100%」
ジャッジが残酷にその事実を告げるー。そう、この瞬間、三好は首を討たれるのを待つだけの敗北者となったのだった。
「・・・あああ」
その場に頽れる三好。すでに、彼女の手には先ほどまでの剣の姿はない。闘気も失われ、そして、三好自身の表情からも生気は失われていた。
自分が負けたのだと、しかも、こんな最低のやつに敗れたのだと・・・その事実をにわかに受け入れることができず。
しかし、現実として、結果は覆しようもなく。
だから、もはや何をする気も起きなかった。何かを語る気もなかった。
ただ、自らの最期が安らかであることーそれだけを願うしかなかった。
「せっかく完勝できるかと思ったのに・・・とんだアマだぜ」
その場にへたり込む三好の背後に立ち、その長い髪をかき分け、彼女のうなじを無理やり露出させた。
「その髪は首チョンパするのに邪魔だからな・・・さあ、処刑の始まりだ、お嬢様」
もはや、三好には抵抗する意思さえ残されていなかった。
葉月がそのサイズを振り上げるー三好の首を刎ねるために。
「てめえの首は一際目立つ場所に晒してやるよ・・・だから、安心して、くたばりやがれ!」
葉月のサイズが、清楚な少女の首を捉えたー。
ーー
「勝利者、天内葉月」
もはやうつろな表情が残されているだけの、三好の生首ー。
それを天高く掲げると同時に、ジャッジの勝利判定の声が辺りに響き渡った。
「・・・あたしとしたことが、ついかっとなっちまったか」
勝敗が決し、ようやく冷静さを取り戻した葉月が、自らが刈り取った獲物の首を見て、
「まあ、ツラはよかったし、あたしも久しぶりにイッたからな。そこだけは感謝してやるぜ、お嬢様」
三好はもはや永遠に答えることはない。ただそのうつろな表情を勝利者である葉月に向け続けるだけである。
・・・だが、その美しい首が、月明かりを背景に髪を靡かせるその光景は、葉月にはとても幻想的なもののように思えていた。
「・・・ふん、約束通り、アンタの首は目立つ場所に置いといてやるっすよ」
葉月の口調がいつもの調子に戻る。どうやら、いつもの落ち着きを取り戻したらしかった。
「こんだけ綺麗なお顔をしてるんすから、例え生首でも男どもの注目の的になりそうっすね、お嬢様」
先ほどまで天高く掲げていた三好の首を小脇に抱え、公園の中を散策する葉月。もちろん、三好を梟首する場所を探すためである。
しばらく歩いて、ふと公園内の時計台に目が行く。時計台の下は花畑ー清楚なお嬢様の首を晒すにはうってつけの場所ではなかろうか。
「お嬢様には綺麗なお花畑がお似合いっつうことっすね」
月明かりを浴び、そして涼やかな夜風に揺られている花々は、三好の首を受け入れんが如く戯れているようにも見えた。
「さあ、お嬢様、着きましたっすよ。ここがアンタの人生の終着点っす」
首札と共に、三好の首を晒す。花々に囲まれ、うつろな目でこちらを見返す美少女の首は、むしろ夜の闇の中でこそ映えるものがあるように、葉月には感じられたー。
天内葉月 〇 - × 三好京子
三好京子 享年18
「きゃああ!!」
一方的に嬲れるはずのおもちゃが牙をむいた。その時点で、既に葉月には三好に対する興味は失われていた。三好の右肩から腹部に至るまで、そのサイズで容赦なく切り裂く。
そう、ちょうど心臓に当たる部分をえぐるような軌跡で切り裂いたのだ。当然、その擬体は・・・。
「三好京子、擬体破損率100%」
ジャッジが残酷にその事実を告げるー。そう、この瞬間、三好は首を討たれるのを待つだけの敗北者となったのだった。
「・・・あああ」
その場に頽れる三好。すでに、彼女の手には先ほどまでの剣の姿はない。闘気も失われ、そして、三好自身の表情からも生気は失われていた。
自分が負けたのだと、しかも、こんな最低のやつに敗れたのだと・・・その事実をにわかに受け入れることができず。
しかし、現実として、結果は覆しようもなく。
だから、もはや何をする気も起きなかった。何かを語る気もなかった。
ただ、自らの最期が安らかであることーそれだけを願うしかなかった。
「せっかく完勝できるかと思ったのに・・・とんだアマだぜ」
その場にへたり込む三好の背後に立ち、その長い髪をかき分け、彼女のうなじを無理やり露出させた。
「その髪は首チョンパするのに邪魔だからな・・・さあ、処刑の始まりだ、お嬢様」
もはや、三好には抵抗する意思さえ残されていなかった。
葉月がそのサイズを振り上げるー三好の首を刎ねるために。
「てめえの首は一際目立つ場所に晒してやるよ・・・だから、安心して、くたばりやがれ!」
葉月のサイズが、清楚な少女の首を捉えたー。
ーー
「勝利者、天内葉月」
もはやうつろな表情が残されているだけの、三好の生首ー。
それを天高く掲げると同時に、ジャッジの勝利判定の声が辺りに響き渡った。
「・・・あたしとしたことが、ついかっとなっちまったか」
勝敗が決し、ようやく冷静さを取り戻した葉月が、自らが刈り取った獲物の首を見て、
「まあ、ツラはよかったし、あたしも久しぶりにイッたからな。そこだけは感謝してやるぜ、お嬢様」
三好はもはや永遠に答えることはない。ただそのうつろな表情を勝利者である葉月に向け続けるだけである。
・・・だが、その美しい首が、月明かりを背景に髪を靡かせるその光景は、葉月にはとても幻想的なもののように思えていた。
「・・・ふん、約束通り、アンタの首は目立つ場所に置いといてやるっすよ」
葉月の口調がいつもの調子に戻る。どうやら、いつもの落ち着きを取り戻したらしかった。
「こんだけ綺麗なお顔をしてるんすから、例え生首でも男どもの注目の的になりそうっすね、お嬢様」
先ほどまで天高く掲げていた三好の首を小脇に抱え、公園の中を散策する葉月。もちろん、三好を梟首する場所を探すためである。
しばらく歩いて、ふと公園内の時計台に目が行く。時計台の下は花畑ー清楚なお嬢様の首を晒すにはうってつけの場所ではなかろうか。
「お嬢様には綺麗なお花畑がお似合いっつうことっすね」
月明かりを浴び、そして涼やかな夜風に揺られている花々は、三好の首を受け入れんが如く戯れているようにも見えた。
「さあ、お嬢様、着きましたっすよ。ここがアンタの人生の終着点っす」
首札と共に、三好の首を晒す。花々に囲まれ、うつろな目でこちらを見返す美少女の首は、むしろ夜の闇の中でこそ映えるものがあるように、葉月には感じられたー。
天内葉月 〇 - × 三好京子
三好京子 享年18
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