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第2章 確かなもの
第53話 拘束・・・?
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両手首を押さえつけられ、身動きが取れない葉月。
ーこの女、見かけよりもはるかにやばいかもー
葉月は、自らを拘束し続けている黒髪の女を睨みつけた。
見れば見るほど美人ではあるが、どこか現実味のない、作り物めいた美しさを感じる。例えるなら、日本人形がそのまま生きているような感覚だろうか。
だが、もちろんのこと、手首を押さえつけている彼女の手から伝わるのは、人の体温だった。当たり前だが、彼女もまた自分と同じ人間である。
ー隙を見て、腹でも蹴り飛ばしてやればー
「いい加減、話してほしいっすね。それとも、少々痛い目に遭いたいんすか?」
勅使河原を睨みながら、彼女のスキを窺う。相変わらず、作り物めいた、しかし妖艶な笑みを浮かべる黒髪の女。その美しさとは裏腹に、なぜか背筋を凍り付かせるような戦慄を覚えさせる冷徹な顔。例えて言うならば、笑みを浮かべているが、目は全く笑っていないというかー。
ー違うっすね・・・目が笑っていないというよりも、そもそも心が感じられないような笑顔・・・?ー
葉月自身も、どう表現していいのかよくわからないのが、この勅使河原マヤという娘だった。
と、その時。
「ふむぅ」
ふいに、葉月の唇が塞がれたー勅使河原が、何を思ったのか、突然接吻してきたのだ。
「んんん・・・」
葉月の唇の中に、彼女の舌が入り込む。勅使河原は、自らの舌を巧みに操り、葉月のそれと絡み合わせた。
葉月が目を見開く。
ーまた、この女に不意を突かれたー
いつしか、両手首の拘束は解かれ、葉月の両頬に勅使河原の両手が添えられていた。そのあまりにも一瞬で、しかしまるで繊細な物でも扱うかのような仕草に、葉月もにわかには反応できなかった。
やがて、自分の両手の拘束が解かれていることに気が付くと、何とか勅使河原から唇を離そうとするがー。
ー・・・なんであたし、この女に抵抗できないんすかー
体が全くいうことを訊いてくれない。まるで、蛇に睨まれたカエルのように、あるいは金縛りにあった時のように、全く動くことができないのだ。
勅使河原の舌が、葉月の口中で妖しく蠢く。葉月は、なすすべもなく、彼女の舌を受け入れていた。
ー違う!あたしは・・・ー
勅使河原の拘束から逃れたいはずなのに、どうしても体が動いてくれない。
なぜなんだ?
葉月は自問自答するが、答えなどわかるはずもない。
少しして、勅使河原の右手が葉月の顎の下に添えられる。
「くふぅぅ」
ようやく勅使河原が唇を離した。そして、その場に思わずへたり込んでしまう葉月。
「・・・あなた、本当に可愛らしいわね。ぜひともあなたの首が欲しいわ」
勅使河原の言葉に我に返った葉月が、勅使河原に喰ってかかろうとする。
「お、お前ぇぇ、よくも勝手に・・・!」
いきなり唇を奪われたことに、怒りも隠さず彼女につかみかかろうとするがー。
彼女に見つめられた瞬間、文字通り、体から力が抜けて、再びその場にへたり込んでしまう。
「・・・え、ええ・・・」
葉月の狼狽ぶりに、勅使河原が満足したように目を細めた。
「あらあら、腰が抜けちゃったのかしら、天内さん・・・キスだけでそうなっちゃうなんて、ウブなのね」
「だ、黙れ!!」
今の葉月には、勅使河原に対して怒鳴り返すだけがせめてもの抵抗だった。なぜなのかわからないが、本当に体が思うように動かせないのだ。
ー・・・なんであたしは・・・動けないんすかー
困惑の色を隠せない葉月を見下ろしていた勅使河原だったが、不意に葉月の背後に回ると、無理やり彼女を立たせた。
その時、葉月の豊満な胸を鷲掴みにしてー。
「・・・ひぃ!」
葉月が悲鳴を上げた。
ーこの女、見かけよりもはるかにやばいかもー
葉月は、自らを拘束し続けている黒髪の女を睨みつけた。
見れば見るほど美人ではあるが、どこか現実味のない、作り物めいた美しさを感じる。例えるなら、日本人形がそのまま生きているような感覚だろうか。
だが、もちろんのこと、手首を押さえつけている彼女の手から伝わるのは、人の体温だった。当たり前だが、彼女もまた自分と同じ人間である。
ー隙を見て、腹でも蹴り飛ばしてやればー
「いい加減、話してほしいっすね。それとも、少々痛い目に遭いたいんすか?」
勅使河原を睨みながら、彼女のスキを窺う。相変わらず、作り物めいた、しかし妖艶な笑みを浮かべる黒髪の女。その美しさとは裏腹に、なぜか背筋を凍り付かせるような戦慄を覚えさせる冷徹な顔。例えて言うならば、笑みを浮かべているが、目は全く笑っていないというかー。
ー違うっすね・・・目が笑っていないというよりも、そもそも心が感じられないような笑顔・・・?ー
葉月自身も、どう表現していいのかよくわからないのが、この勅使河原マヤという娘だった。
と、その時。
「ふむぅ」
ふいに、葉月の唇が塞がれたー勅使河原が、何を思ったのか、突然接吻してきたのだ。
「んんん・・・」
葉月の唇の中に、彼女の舌が入り込む。勅使河原は、自らの舌を巧みに操り、葉月のそれと絡み合わせた。
葉月が目を見開く。
ーまた、この女に不意を突かれたー
いつしか、両手首の拘束は解かれ、葉月の両頬に勅使河原の両手が添えられていた。そのあまりにも一瞬で、しかしまるで繊細な物でも扱うかのような仕草に、葉月もにわかには反応できなかった。
やがて、自分の両手の拘束が解かれていることに気が付くと、何とか勅使河原から唇を離そうとするがー。
ー・・・なんであたし、この女に抵抗できないんすかー
体が全くいうことを訊いてくれない。まるで、蛇に睨まれたカエルのように、あるいは金縛りにあった時のように、全く動くことができないのだ。
勅使河原の舌が、葉月の口中で妖しく蠢く。葉月は、なすすべもなく、彼女の舌を受け入れていた。
ー違う!あたしは・・・ー
勅使河原の拘束から逃れたいはずなのに、どうしても体が動いてくれない。
なぜなんだ?
葉月は自問自答するが、答えなどわかるはずもない。
少しして、勅使河原の右手が葉月の顎の下に添えられる。
「くふぅぅ」
ようやく勅使河原が唇を離した。そして、その場に思わずへたり込んでしまう葉月。
「・・・あなた、本当に可愛らしいわね。ぜひともあなたの首が欲しいわ」
勅使河原の言葉に我に返った葉月が、勅使河原に喰ってかかろうとする。
「お、お前ぇぇ、よくも勝手に・・・!」
いきなり唇を奪われたことに、怒りも隠さず彼女につかみかかろうとするがー。
彼女に見つめられた瞬間、文字通り、体から力が抜けて、再びその場にへたり込んでしまう。
「・・・え、ええ・・・」
葉月の狼狽ぶりに、勅使河原が満足したように目を細めた。
「あらあら、腰が抜けちゃったのかしら、天内さん・・・キスだけでそうなっちゃうなんて、ウブなのね」
「だ、黙れ!!」
今の葉月には、勅使河原に対して怒鳴り返すだけがせめてもの抵抗だった。なぜなのかわからないが、本当に体が思うように動かせないのだ。
ー・・・なんであたしは・・・動けないんすかー
困惑の色を隠せない葉月を見下ろしていた勅使河原だったが、不意に葉月の背後に回ると、無理やり彼女を立たせた。
その時、葉月の豊満な胸を鷲掴みにしてー。
「・・・ひぃ!」
葉月が悲鳴を上げた。
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